あの日から名前ちゃんはそわそわするようになりました。アキくんを見ているとアキくんの体を思い出してしまうのです。自分に欲情して反応してくれていたアキくんのモノを少しでも触ってみたかったなあなんて思うのですが、自分からねだる勇気が少し足りません。アキくん、またしないかなあ。名前ちゃんは隣でペン回しをしているアキくんをチラッと眺めます。

「ん?何か分からない?」

優しく微笑んでくれるアキくんは手を止めて自分の課題より名前ちゃんの心配をしてくれるようでした。きゅううん。こういう些細な優しさにときめきます。

「あ、アキくん…」

顔を真っ赤にさせながらアキくんを見上げる名前ちゃんの顔は誰が見てもはっきりと欲情をしている顔でした。アキくんはギクッと肩を揺らすと、その反動で回していたペンを落としてしまいます。それを拾い上げるでもなくアキくんはごくりと喉を鳴らしました。

「名前どうした?」
「あの、アキくん…」
「…、」

アキくんは名前ちゃんの後頭部に手を回して唇が触れ合うだけのキスをしました。押し付けられる唇が優しくて名前ちゃんは気持ち良さそうに目を閉じます。

「名前?」
「ん…アキくん…」
「何えっちな顔してるの」

これじゃ足りないとばかりに名前ちゃんはアキくんの服を引っ張ります。誘われた顔で見つめられるとアキくんもぐっと唇を噛んでしまいました。何でこんな顔してるの、と聞いたところで名前ちゃんが分かっていないことは理解しています。アキくんは誘われるがままに名前ちゃんの唇へもう一度自分のそれを重ねました。2度、3度と唇を合わせた後に舌で唇をなぞると名前ちゃんは薄く唇を開いてアキくんを招き入れました。絡まる舌が熱くてアキくんはまた肩を揺らしてしまいます。

「っ、ん」
「ふ…ぅん、ちゅ」

ねっとり絡まるそれから唾液が伝い、アキくんは堪らず名前ちゃんの頭を撫でます。名前ちゃんが必死になってアキくんの服を握りながら舌を動かしているのがどうしようもなく可愛かったのです。こんな遣い方教えてないのになあ、息継ぎできるようになってるなあ。アキくんは口角が上がってしまいました。名前ちゃんの唇から自分の舌を引き抜くと、とろとろ糸を引く唾液を見つめながら名前ちゃんはえっちな顔をしていました。

「ア、キく…」
「ねえ、どうしたの」

アキくんは名前ちゃんの頭を優しく撫でます。すっかり痺れた頭で名前ちゃんは観念したように口を開きました。

「アキくんの、…触りたい」
「おれ、の?」
「触って、舐めてみたい…だめ?」
「俺の、って…?」
「そこまで言わせないで…」

名前ちゃんの顔は真っ赤でした。あまりの可愛さにアキくんは腰が熱くなりそうでした。大好きな彼女に可愛いおねだりをされているのですから断る理由はどこにもありません。

「名前って結構大胆だったんだね」
「えっ、あ、ごめ」
「俺は嬉しいって言ってるんだけど。可愛いよ」

アキくんは後ろにあったソファにそっと腰掛けるとベルトを外してくれました。ごく、と今度は名前ちゃんの喉が鳴ります。

「まだあんまり勃ってないから…名前が勃たせて」

下着を降ろすとアキくんのモノが顔を出しました。前と違ってあまり大きくなっていない様子。た、勃たせるって、どうやって?名前ちゃんは不安気にちらちらアキくんを見ますがアキくんは優しく微笑むだけ、名前ちゃんはアキくんの足の間にしゃがみます。

「さわって、いい?」
「うん、握ってみて」

アキくんのモノへ手を伸ばすと中心の芯はあるもののふにゃっとしたような感触が伝わってきて、何とも言えない感触に名前ちゃんは口許を緩ませそうになりました。きゅ、と優しく手で包むのですが、その先が分かりません。

「にぎった、よ」
「うん、そしたら…、ふふ、何してるの」
「え、あ、ごめん」

感触が面白くてふにふにと優しく揉んでいたらどんどん硬度を増して大きくなっていくアキくんのモノ。名前ちゃんは観察するようにじろじろ見てしまっています。

「おっきくなった!」
「そりゃあ名前に触られてるからね」

楽しそうに笑う名前ちゃんに釣られてアキくんも眉を下げて笑い返しました。上を向いていくアキくんのモノは欲情を表していて、アキくんは名前ちゃんの顎を指で撫でると優しい笑顔を崩さないまま物欲しそうな視線を飛ばします。

「嫌じゃなかったら、舐めてみて」

こくん。名前ちゃんは素直に頷いて舌を出すと、アキくんのモノへそっと伸ばしました。裏筋にちろっと生温いそれが当たり、アキくんは名前ちゃんの頭を撫でます。

「上手。美味しくないだろうけど、少しずつ動かしてみて」
「ん、こふ?」
「そう、ゆっくりでいいよ」

アキくんに言われた通り裏筋をなぞるようにゆっくり往復させます。いったりきたりで口からちろちろ動く舌を見ているとアキくんは早く突っ込んでしまいたい衝動に駆られました。可愛くて仕方ないですが、この視覚的暴力に耐えながら名前ちゃんがやりたいと言ってきたことを優先させてあげたいのです。ぎこちなく動く舌は初めてのことに戸惑っているようでしたが、止まることはありません。上へ、下へ、また上へ、そして下へ。アキくんはそれをじっと眺めます。

「先の方も舐められる?」
「さひっほ?」
「っ…そう、先っぽね…」

アキくんに言われるがままに先っぽへ舌を滑らせると、尿道から透明な雫が溜まっているようで、それが舌に付くと何とも言えない味が口の中へ広がります。すごい不味いわけではないけど決して美味しくもない、しょっぱいとも苦いともとらない、そんなような味です。

「うええ…」

名前ちゃんは思わず口を離しました。粘っこい汁が名前ちゃんの口から先っぽへ糸引きます。この粘っこい汁こそ名前ちゃんの眉間に皺を刻ませる正体です。

「名前、無理しないで」
「ん、大丈夫…」
「不味いよね、ごめん」
「う、うん、それはまあ」

否定できない名前ちゃんはへらっと笑ったあと、再びアキくんのモノへ舌を這わせます。先っぽはぬるぬるしていて舐めても舐めてもあの汁が出てきてしまうのです。名前ちゃんは眉を顰めながら一生懸命舐めました。アキくんが深い息を吐きます。

「ちょ、っと、名前…っ」
「ん?」
「先っぽだけそうやられるの、だめ。口離して…」
「あ、ごめん痛かった?」
「そうじゃないんだけどね…。それより口開けて、俺の咥えられる?」
「ん…」

アキくんは苦笑いをして誤魔化し、名前ちゃんの口を開かせました。この小さなお口が自分のモノを咥えるのです。アキくんは興奮で腰が揺れそうなのをぐっと堪え、名前ちゃんがおずおずと口の中へ入れていくのを静かに見守りました。

「ん、む…」

もご、と口の中で転がす名前ちゃんは舌を遣ってアキくんの熱を擦ります。アキくんはもう耐えられませんでした。大好きな名前ちゃんが一生懸命口いっぱいに自分のモノを咥え込み、次はどうするの?と目で訴えてくるのです。正直なところ限界はとっくに越えていたのですが、今はその先へ来ています。可愛いなんて言葉で片付けられない光景にアキくんは奥歯を鳴らしました。

「っ…名前」
「ん、う?」
「上手だね。舌動かして、そう…」
「ん、ん、んむ」
「はあ…っ」

刺激的にはかなり物足りないのですが、それでも満たされてしまうくらいアキくんは幸せでした。頭を動かしながら必死に舌を動かす名前ちゃん。もごもごするたびにほっぺたが動いてアキくんは名前ちゃんの頭を優しく撫でます。髪がさらさらしていて、この髪を撫でるのも最早癖のようなもの。アキくんは荒い呼吸を繰り返します。

「ん、名前、口離して…」
「っぷ、は」
「初めてなのに頑張ってくれてありがとう。すごく気持ちよかったよ」
「え…?もう、終わり?」
「うん、終わり」

アキくんはまるで犬を褒めるように名前ちゃんの頭を撫でました。名前ちゃんは戸惑いながらも気持ち良さそうに目を細めます。

「好きだよ、名前」

アキくんは足元の名前ちゃんを抱き抱えると体を浮かせて自分の横へストンと降ろしました。ちゅ、とおでこに優しいキスをひとつ。名前ちゃんは嬉しそうに微笑み、アキくんも応えるように微笑み返します。アキくんのモノはガチガチに反り勃っていて、名前ちゃんの唾液で濡れているそれは何とも表しがたいほど妖艶でした。

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久しぶりのアキくん。
20160630
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