「そそ、そんなの無理だよう!」

名前ちゃんは慌ててアキくんに反論しますが、アキくんは無表情のまま少しだけ首を傾げて見せました。

「?なんで」
「なんで…って恥ずかしいし、アキくんは平気なの?」
「うん。見たいじゃん」

アキくんの顔は無表情ですが、とても興味がありそうでした。名前ちゃんはますます困ります。わたしだってアキくんの身体見てみたいけど、でも。恥ずかしさと好奇心で名前ちゃんはいっぱいいっぱいになっていました。アキくんはそんな名前ちゃんの頭に手を置きます。

「俺は見たかったけど、嫌ならいいよ。名前が同じ気持ちじゃなきゃ意味がない」
「え、あ、あの…嫌というか…」

アキくんは優しく名前ちゃんの頭を撫でてくれます。その気持ちよさに名前ちゃんは安心してきて、アキくんに素直な気持ちを伝えることにしました。

「だ、だってね、恥ずかしいでしょ?こういうの、初めてだし…」
「うん。でも、いつしても初めてだよね。それとも誰かとして恥ずかしくなくなってから俺としたいの?」
「ちっちがうよ!そうじゃ、なくてね、」
「名前」

アキくんは名前ちゃんの手を取り、自分の胸へ当てさせました。どくん、どくん。アキくんの心拍はとても速くて力強く、名前ちゃんはびっくりしました。もしかして、アキくんも恥ずかしいのかな。名前ちゃんはゆっくりとアキくんを見上げます。アキくんはとても欲情的な目をしていました。

「初めてなのは一緒だよ。俺が訊いてるのは、見たいか、見たくないか」

アキくんの色っぽさに眩暈がしそうでした。名前ちゃんは上手く言葉が出てきません。顔はもちろん、身体までがじんと熱くなったように感じ、慌ててアキくんから目を逸らします。名前ちゃんはしばらくどきどきしていましたが、やっと、絞り出すように言葉を紡ぎます。

「…、みたい…」

その弱々しい声にアキくんは少しだけ穏やかな顔になりました。名前ちゃんの頭を優しく撫でます。

「ん、いい子だね、名前は」

アキくんの手は頭からするりと髪を伝って下りてきて、名前ちゃんのシャツのボタンへ行き着きました。ぷちん。ボタンが1つ外れ、アキくんの喉もごくりと鳴りました。
 
「名前、肩震えてる。こわいの?」
「う、ううん、大丈夫だよ…」
「今日は、何もしないから」

アキくんははっきりそう言い、残りのボタンを外しました。

「はい、万歳して」
「ん…」

アキくんが名前ちゃんのシャツを脱がし、万歳をさせたまま次はキャミも脱がせました。その勢いでスカートも一緒に脱がせてしまいましたので、名前ちゃんが身に付けているものはもう下着と靴下だけです。

「…、いい眺めだね、名前」
「う…、ぅ」

アキくんは手を止めて名前ちゃんの身体をじっくり眺めました。遠慮がちに寄せられた胸、火照りからかほんのり色づく肌、むっちりとしていて自分より少し短い脚。名前ちゃんはちろちろ視線を泳がせて落ち着かない様子ですが、アキくんはただじっと見つめ、深く息を吐きました。

「じゃあ、このへんで交代しよっか。次は名前が脱がせて」
「えっ、わたしが!?」
「うん。ゆっくりでいいから、名前にしてほしい」

アキくんはそう言って名前ちゃんの腕を引き、自分の身体へ寄せます。名前ちゃんは膝立ちでアキくんの肩に手を添えました。アキくんの上目遣いがとても可愛くて、色気があります。名前ちゃんの手はがくがく震えていましたが、アキくんの視線に急かされるようにアキくんのシャツのボタンに触れました。しかし。

「…っ」

かたかたと震える手ではなかなか上手く外れません。名前ちゃんは焦ってきました。アキくん、待ってる、どうしよう、どうしよう…。そんな様子にアキくんは思わずフッと笑みをこぼしてしまいました。

「困った子だな、どうしようもなく可愛い」
「え…?」
「ずっと見ていたくなる。名前、好きだよ」

普段なかなか好きと言わないアキくんが、本当に愛おしそうな顔をして名前ちゃんに愛を囁きます。名前ちゃんはびっくりです。ボンッと赤面すると、名前ちゃんは困ったように眉を下げながらアキくんに抱きつきました。

「アキくん、わたしも、わたしもすきだよ」
「うん。知ってるよ」
「大好きだから…、がんばる、ね」

名前ちゃんはアキくんのボタンをやっと1つ外して見せました。相変わらず手は震えているのですが、顔が真剣です。

「うん、ありがとう」

アキくんはじっと様子を見守りました。ぷちん、ぷちん。本当にゆっくりなのですが、着実に外していきます。ボタンを外していくと少しだけ筋肉質なアキくんの肌が見えてきました。

「わあ…」

名前ちゃんは思わず声を漏らしました。ボタンを全て外し終えると、うっすらと割れたアキくんの腹筋が見えたのです。アキくん、男の子の身体してる。名前ちゃんはそうぼんやり思いながらうっとりとアキくんの身体を眺めました。アキくんはクスッと笑うとシャツを自分で脱いでいきます。

「触ってみる?」

アキくんの目はとてもえっちでしたが、それは名前ちゃんも同じでした。こくんと頷くとアキくんの腹筋へ手を伸ばします。むにむにの自分のお腹と違い、硬くてしっかりとしていて、ますます男性を感じさせられました。

「すごい…」
「ありがとう。じゃあ名前は続きのを脱ごうか」
「っ、え!」

だって、アキくん、ズボン脱いでないじゃん!
名前ちゃんの言いたいことは思いっきり表情に出ていましたがアキくんは無視です。ゆっくり名前ちゃんを抱きしめるように包み込み、背中のブラのホックをぷちんと外しました。開放感と同時に再び羞恥が襲ってきて名前ちゃんは大慌てです。

「ま、まって、でも、わたしちっちゃいから、」
「はいはい、いい子だね」

アキくんは自然な手つきで名前ちゃんからブラを剥ぎ取ってしまいました。名前ちゃんは必死に手で隠そうとしますが、アキくんは意地悪です。

「見せたくないなら隠しててもいいけど、俺は続けるね」

次はパンツに指を引っ掛け、アキくんは意地悪く笑いながらするんと脚に滑らせ、名前ちゃんはパニックです。あわあわしながらあそこを手で覆うとお胸がお留守ですので困ってしまって慌ただしくじたばたしました。

「あ、アキくん!まって!」
「ん?可愛いよ」
「ちがう!きいて!」
「顔真っ赤。そんなに恥ずかしいんだ。可愛い」

アキくんは相変わらず笑っていましたが、少し余裕がなさそうに眉を歪めます。

「ごめんね…、こっち、そろそろキツイから脱がせてもらっていい?」

名前ちゃんは一瞬きょとんとしましたが、アキくんがベルトをとんとんと指で叩くのでようやく意味が分かりました。慌ててアキくんの足元にしゃがみ込み、カチャカチャとベルトを外そうとします。しかしやはりがたがた震えていて音だけで全く外せません。アキくんは苦笑いをしてみせます。

「落ち着いて…、ごめん、俺が外しちゃうね」

アキくんは名前ちゃんの手の上から自分の手を重ねてするりとベルトを外し、ズボンを脱ぎ捨てます。アキくんのはパンツの上からでも存在を主張していてアキくんが興奮していることを示しています。

「アキくん…、」
「ん、ごめん、これは名前が脱がす?」

名前ちゃんはこくこく頷きながらアキくんのパンツをゆっくり下げました。すると、初めての男性器が見えてきます。思ってたのよりぐろい、と名前ちゃんはまじまじ見つめながら思いました。アキくんの足元まで下ろすと、名前ちゃんは興味津津にアキくんに聞きます。

「ね、これ、どうなってるの、触っていい?」
「こら。今日は見るだけ。俺も我慢するから名前も我慢しなさい」
「だってこれ、どうなってるの」
「名前に欲情してんの」

アキくんは少し恥ずかしそうに言いました。そして急にアキくんは名前ちゃんの内股をするりと撫で、名前ちゃんの耳元でこう一言。

「名前もここ、濡れてるでしょ?」

色気の含んだ低音に名前ちゃんはぞくっと身体を震わせました。指摘されると確かにじんわりと名前ちゃんのあそこは熱を帯びています。これが、濡れるってことなのかな、わたし、もしかしてえっちなのかな。名前ちゃんはかぁっと赤面して視線を床に伏せました。アキくんはそんな様子に笑みをこぼしながら名前ちゃんを優しく抱きしめました。

「今日はこれで終わり。可愛かったよ」
「アキくん…」
「好きだよ、頑張ってくれてありがとう」

アキくんは名前ちゃんのおでこに優しくキスを落としました。

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オチはありません。
20140614
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