高橋は気持ち悪い。一言で言えば気持ち悪い。5文字で言えば気持ち悪い。とにかく気持ち悪い。

「ねーねー見て見てこの名前超可愛いでしょ」

いつもそうやって俺に見せてくる写メは盗撮ものばかり。何で正面向いた写メが1枚もないのか疑問だったが彼女が恥ずかしがり屋なんだと思ってた。

この前、高橋の家に行った。高橋が珍しく風邪引いたって言うから心配して見に行ったのに、彼女といちゃこらしてた。ムカつく。名前ちゃんは写真で見るより可愛くて高橋がぞっこんになる理由が分かった。あれ?ぞっこんってもう死語?

「ねえ」
「はい」

でもあれから、高橋は俺にこわい。

「正直に言って、あの写真見たの?」
「い、いやぁ…」

正直見たよ。だってトイレの中の全部の壁に貼ってあるんだもん。見たっていうか、見えた。全部盗撮ものだったし、着替え中とかそういう類が多かった。どうせトイレで抜いてんだろこいつって思いながら、見た。俺もうっかり欲情しそうになった。リア充ちくしょう。

「ねぇ、何で俺のとこ来たの?名前のこと狙ってるの?名前俺の彼女だよ?分かってる?」
「分かってるようっせーな、こえーよお前」
「どうせ名前のこといやらしい目で見てんでしょ、やめてよ」
「いやらしい目で見てんのはお前だろ、あんな写真トイレに貼りやがって、精子出したらすぐに流せるように手軽なトイレにしたんだろ」
「…」

し ま っ た 。
それから3ヶ月、高橋は俺と口を利いてくれなかった。高橋って怒らせると地味にこわい。

END
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のろけ自慢はするけど直接は見せたくない高橋さん。名前様、お付き合いありがとうございました。
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