俺の友達はちょっとおかしい。っていうかこわい。まじでこわい。朝から待受見てにやけてるから「何見てんだ?」って声かけてやったら待受は名前ちゃんだったらしく、そこから止まらない惚気話。もう名前ちゃんの話は聞き飽きたのに最近はその話しかしない。病気。

「でね、名前が起こしてって言うから俺どきどきしちゃって一晩中寝れなかったんだよね、そろそろかなあって思って何度も時計とモニター交互に見て1人でにやにやしちゃった。でも名前の寝顔ほんとに可愛いんだよ。こないだ俺がそれを言ったらすっごい照れて、それ以来布団で顔隠して寝るようになったんだ。でも寝相が良い方じゃないからどんどん布団がずれて可愛い寝顔が見えるの。睫毛長いしすぅすぅ言ってるの可愛いしそれだけで俺欲情しちゃうレベル。最強に可愛いけど時間になったから仕方なく起こしに行ったの。もちろん永遠に眺めていたいけどね。名前の部屋行ったら寝顔を写メって、頭撫でてみた。起きないからほっぺとかつんつんした。すっげー可愛くて勃ちそうになっちゃったからぐっと堪えて名前〜って名前呼んで起こしたの。でも名前寝起き悪いからすごく機嫌悪くて俺がゆさゆさすると手振り払って怒るの、すげえ可愛いの!それやってもらいたくていつもゆさゆさするんだけど、俺の手が赤くなるくらいに叩いてくれる日はすげえ幸せ。相当機嫌悪くないとそこまでしてくれないし。今日は残念なことにその日じゃなかったらしくてすぐ起きたんだけど、目ごしごししながら浩汰おはようなんて甘えた声で言われたら俺の息子がおはようしちゃうよね。ほんと可愛い。しかも右側に寝癖ついてて、寝癖ついちゃったね?って頭撫でてあげたら顔真っ赤にして寝癖を押さえ付けながら見ないでって言ってきてすげえ可愛かった。俺毎日こんな幸せでいいのかなあって思った。その後名前が着替えるから出てってって言ったんだけど出てったとしてもどうせカメラついてて見えちゃうんだからいいじゃんって思ったけど言ったらまた怒られるだろうからやめた。大人しく部屋出てったら名前がすぐに呼んできて、何かと思って行ったらおはようのちゅーまだしてなかったって言ってくれて、しかも顔真っ赤で、別に私はしたくないけど浩汰がしたいならするだけだよしたくないならいいけど、とか言うから鼻血出ちゃった。当然したよ。ちゅってしたらべろ入れないの?って言われたからムラムラしちゃって朝からヤッてきた。朝ごはんまだだったけど名前からいただきますした。おいしかった。名前ってばツンデレだから自分から誘うくせに態度冷たくて超可愛いの。恥ずかしがるしやんやん言うしどうしたらあんなに可愛くなれるんだろう。俺あんな可愛い彼女いていいのかなあ、どう思う?」
「ごめん途中から聞いてなかった、うざい」
「え?うざい?」

いつもこんな感じ。いやこれ以上。今日は可愛いもんだ。まじで高橋やべえんじゃねえの?そんで、未だに1回もつっこんだことなかったけどモニターってなんだよ、カメラってなんだよ、彼女のこと監視してんのか?謎だ。

「うざい!?」

俺が無視したら高橋は俺の肩を掴んで聞いてきた。何をそんなに必死になってんだか。お前がうざいのなんて今に始まったことじゃないのに。

「うざいよ」
「うざい…か…。うざい男ってやっぱ嫌われるよね?名前も嫌いかな?直した方がいいよね?どんなとこが嫌いかな?ね、どんなとこ?」

うぜぇえええ。そこだよそこ。でも言ってやるもんか、リア充にアドバイスなんかしねーぞ俺は。

「お前は彼女にうざがられて早く別れろ」
「ひどい!」

高橋はふるふると震える。目なんかちょっとだけ涙目だ。こいつ彼女のこと大好きすぎて別れろとか言うとまじで傷つくしな、今のちょっと言い過ぎたかも。本気で思ってるけど。

「ごめん高橋、俺、」
『こうたぁ、電話きてるよ』

俺がせっかく謝ろうとしたのにタイミング悪くそこで高橋の携帯が鳴った。てかこの着ボイスなんだよ。浩汰とか呼ばれてるけどオリジナルなのかよ。高橋はにやにやしながら電話に出た。

「もしもし名前?あぁ、うん、大丈夫だよ。夕飯?名前の食べたいものなら何でもいいよ。え?ほんとだって。うん。うん。えー、じゃあね、うーん…オムライスとか?うん。あー、いいねそれ。ははは。…え。今日の昼休み?友達とご飯食べに行ってたけど…何で?ん?なになに?何で、言ってごらん?あ、もしかして俺から電話なかったから心配した?俺の電話待ってたの?ごめんね、うん。可愛いなぁ名前…うん、ごめんね、明日からまた毎日するからね?うん、ごめん、大好きだよ。うん。うん分かった。じゃあね、ばいばい」

ピッ。高橋が電話を切る。今の内容…もしかして彼女は高橋から電話がこなくて寂しくて電話してきたってことか?てかこいつら毎日昼休みに電話してんのか?めんどくせえ…すげえうざいカップルだ…こういうのをバカップルっていうんだ…。

「ごめんね話の途中で、何の話ししてたっけ?」

さっきまでうざいって言われて凹んでたくせに、高橋は俺に爽やかな笑顔を見せた。うぜえ。こんな変態がリア充できるなら俺だってできるはずなのに。

「なぁ高橋、やっぱお前うぜえ」
「うざい!?本当!?名前に嫌われる!?」
「おう、多分嫌われる」
「どうしようっ!?」

高橋は泣きそうになりながら俺に必死に問い詰めた。俺は高橋の手を振り払い、逃げる。

「ちょっ!?待ってよ、どこがうざいの!?」
「うるせー、自分で考えろ!」

気持ち悪いとは思うけど、ほんの少しだけ彼女が羨ましかった。俺もいつかこんな愛してくれる彼女見つけられるかな。…無理か、高橋には敵わねーわ。

でも、最近気づいたけど、高橋はどんなに気持ち悪くてもいけめんだから許されてるところがある。俺整形しようかな。

「っ、捕まえた!ね、俺うざい?どこうざい?名前に引かれるレベル!?」

…いや、やっぱ嘘、いけめんでも許さない。

END
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高橋さんの着ボイスは主の声を勝手に編集して自分で作ったオリジナルです。まだ主にもバレてません。こんな友達いやですね(笑)名前様、お付き合いありがとうございました。
20121102
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