「あつー」

名前ちゃんにはある悩みがありました。湿気で髪の毛が広がりやすいことです。まだ梅雨にも入っていないこの季節ですが、少し雨がふるだけで名前ちゃんの髪はライオンのようにふさふさになってしまいます。一時期はお友達にからかわれて本当に凹んでいたレベルで嫌だったのですが、最近は髪をまとめてしまうことでそれを解決していました。嫌だということには変わりがないのですが。

「こうた、冷房つけていい?」
「…、だめ」

今日も名前ちゃんは高橋さんの部屋にいました。せっせと髪をまとめてポニーテールにする名前ちゃんをじっと見つめ、高橋さんは目を輝かせています。

「なんで、暑いじゃん」
「うん、でも」
「なんでってば」

名前ちゃんは29度という室温に耐え切れずに苛々していました。テレビでも7月並みの気温になるといっていたので冷房を入れてもいいはずです。それなのに高橋さんは譲りません。ただじっと名前ちゃんを見つめるだけです。

「名前、ポニーテール、かわいいね…」
「え、きもちわるい」

高橋さんはだらしない顔をしていました。暑さからなのか名前ちゃんの可愛さからなのか…きっと後者でしょう、高橋さんはじりじり名前ちゃんに近づきます。

「首、汗かいてるよ」
「だから暑いんだって、」
「舐めていい?」

ぞわぁ。名前ちゃんは鳥肌が立ちました。よく平気な顔してこんな気持ち悪いことが言えるな、と感心です。でもこんな気持ち悪い人を好き好んで付き合っているのも名前ちゃんなのですが。とにかく名前ちゃんはいやいやと首を振りながら両手で首を隠します。確かに手のひらにはじっとり汗がついて湿りました。

「あんまり見ないで」
「なんで?見せてくれないの?せっかくポニーテールにしたのに?」
「見せるためにやってるんじゃないの、これは」

じろっと高橋さんを睨みましたが効き目はありません。高橋さんの視線はなおも名前ちゃんの首に釘付けです。

「あついね名前…、いつも髪おろしてるから汗かくと首に張り付くんだけど、今日みたいに上げてるとじんわり汗が吹き出てくるのが見えるね…かわいい…」
「ち、ちょっと、」
「あぁ…もうむり…っかわいいよ、ごめん、かわいい…」

高橋さんは名前ちゃんの手を首から優しく剥がしました。優しく丁寧でしたがとっても強引で、こういうときに高橋さんが男らしく感じてしまいます。強い力で名前ちゃんの動きを封じ、舌を首筋に這わせていきます。

「っ…こうた、だめぇ…」
「はぁっ…かわいい…おいしいね名前…おいしい…」

気づけば名前ちゃんは押し倒されていました。優しく床へ身体を倒され、それでいて強引に手首を束ねられ、身動きがとれません。名前ちゃんはじたじた身体を捩りますが高橋さんだって男の人です、そう簡単に抵抗ができるわけありません。

「や、あ…っ、こうた、んっ」
「かわいい…あつくなっちゃった?もっと汗出てきちゃってるよ…」
「んや…、なめちゃだめぇ…っ」

名前ちゃんの汗なのか高橋さんの涎なのか分かりませんが、名前ちゃんの首筋に透明な液体が伝います。ねっとりした舌で何度も舐め上げられ、時折ちゅぱっと吸い上げられたら、大好きな感触に名前ちゃんのあそこもだんだん熱くなってきます。

「ん、はぁ…っこうたぁ、」
「あー、おいしかった!」

我慢ができずにえっちを誘おうとうるうるなおめめで高橋さんを見上げましたが、その瞬間にタイミング悪く高橋さんが身体を起こしてしまいました。名前ちゃんの汗をたっぷり堪能し、満足したのでしょう。高橋さんは満面の笑みで幸せに溢れていました。

「名前、どうしたの?」

呆然としている名前ちゃんに気づき、高橋さんは小首を傾げます。小柄で童顔の男の子がやったら可愛いかもしれませんが、名前ちゃんと同じく汗を伝わせている逞しい男性の身体をしている高橋さんがそんなことをしても別に可愛くありません。名前ちゃんはカァッと顔を熱くさせます。

「っ、知らない!早く冷房つけろばか!」
「やだもっと汗かいてる名前見たいもん」

高橋さんは優しい笑顔を見せながら相変わらずとんでもないことを言ってきます。名前ちゃんはもどかしくなり、じんじん熱くなっていくあそこの疼きを止められません。

「こうた…、こっちも汗かいてるんだけど…なめる?」




腰を浮かせる名前ちゃんの可愛さに高橋さんは失神しそうになったとか。

END
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ポニーテールの多い時期になってきましたので。
20130527
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