「っはくしょん!!」
「…」

今日は日曜日。名前ちゃんも高橋さんも予定がなく、2人で名前ちゃんの部屋でまったりしています。高橋さんが持ってきたゲームをしていたのですが、さっきから名前ちゃん、くしゃみが多いです。

「あ、ごめん、また負けちゃった」
「ね、名前」
「ん?」

ぐずぐずした鼻をかんでいるティッシュを凝視しながら高橋さんは言いました。

「もったいないよ」
「…」

また変なこと言いはじめた。名前ちゃんは嫌そうに眉を顰めます。高橋さんは真剣な表情のままです。

「まぁ、一応訊くけど、何が」
「くしゃみだよ」
「え?」
「何で俺に向けてしてくれないの?」
「何で?」
「唾飛ぶじゃん、俺の顔にかけてほしい」
「…」

やっぱり高橋さんは変態です。心底気持ち悪いとドン引く名前ちゃんですが今さら気持ち悪いなんて言ってもやめないでしょうし、むしろ褒め言葉です。名前ちゃんは深呼吸をしてから平静を装って言い返しました。

「風邪うつるよ」
「ほしい!名前の風邪ならもらいたい!」

だめでした。何を言っても敵いません。名前ちゃんはぐっと眉間に皺を寄せ、まるでゴミでも見るかのように高橋さんに視線を向けました。

「ほんと気持ち悪い男」
「もっと言って!」

名前ちゃんは何だか無性に泣きたくなりました。何でこんなのが彼氏なんだろう。名前ちゃんはため息をつき、高橋さんの肩に頭を寄り掛からせました。

「まぁ、いいやもう…今さらか…」
「名前?」
「もういい、好きにして」

名前ちゃんが大人しくしていると、高橋さんは震えた手で名前ちゃんの頭をなでなでしてきました。高橋さんがどきどきしていると名前ちゃんにも伝わってきます。少し体をくっつけただけでこんなに照れてしまう高橋さんにきゅんとしてしまい、やっぱり私この人好きなんだ、と名前ちゃんは思います。

「ね、ねぇ、名前?」
「なに?」
「お願いがあるんだけど」

高橋さんは声まで震えています。そんなに緊張しなくてもいいのに、と名前ちゃんは思わず笑ってしまい、少し体を離して高橋さんの顔をじっと見上げました。

「なーに?」

高橋さんは乾いた唇を舐めてから、興奮気味に言いました。



「そのティッシュ、ちょうだい」

END
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やっぱり変態な高橋さんに主絶望ですね(笑)名前様、お付き合いありがとうございました。
20121025
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