さっきから丹念に舐められ、すっかり上を向いたままの胸の先をさらに指で責められる。ぴく、ぴく、と体が勝手に跳ねるのが恥ずかしくて必死にシーツを握って耐えた。憐くんは舌を覗かせながらわたしを見上げて反応を伺ってくるけど、恥ずかしくて見られないようにするのに精一杯だった。

「っ…、…!」

唇をきゅっと結んで声を我慢するけど息が乱れてきて恥ずかしい。憐くんが何度も何度もわたしの胸を虐めていく。

「名前、気持ちいい?」

心配そうに聞いてくる憐くん。こく、と頷いて見せると安堵したように小さく笑っていた。わたしの頬を撫でてキスを落とし、憐くんの大きな手はわたしの内腿をゆっくりなぞった。ドキッとして体が強張る。

「足、ちょっと開いて…」

毎回これが嫌いだった。えっちはこういうものだって分かってるけど一番恥ずかしいところを一番大好きなひとに差し出すなんて、恥ずかしくて顔から火が出そう。頷いたものの僅かにしか足が開けず、憐くんはくしゃっと笑ってからわたしの足を持ち上げてきた。

「名前は恥ずかしがり屋だよなぁ」
「あんまり、見ないで…」
「うん、分かった」

憐くんはいつも口だけだ。じっとわたしのことを見て、もう濡れているそこに舌を這わせる。くちゅくちゅと音を立てながら中へ舌を入れ、内壁を押し上げた。堪らず手で口を塞ぐけど、憐くんは舌の出し入れをやめない。

「…っ、ぅ、…」
「…」

部屋にわたしの荒い息と厭らしい水音だけが鳴っていて、自分がはしたないように思えてくる。ぴちゃぴちゃ、ぺちゃぺちゃ、と憐くんの舌が激しく動いた。中は大分濡れているのにこれ以上濡らす必要があるのかとぼんやり考えていると、憐くんの舌が引き抜かれる。ホッとして体の力を抜いた瞬間、愛撫のせいですっかり興奮しきって勃っていた陰核へべろんと舌が移ってきた。不意をつかれて体が大きく仰け反る。

「あっ、う、だめぇっ」
「ごめん、痛かった?」

憐くんが慌てて顔を上げる。痛くない、痛くないけどそこは快感が強すぎる。恥ずかしくて目も合わせられないままにふるふると首を横に振ると、憐くんはわたしの足を掴んだまま困ったように眉を下げる。

「何でだめなの?」
「それは…」

良すぎてだめ、なんてはしたないことは言えない。感度が高すぎたら淫乱だと思われるかもしれない。言葉に困って答えられないでいると、憐くんはわたしをじっと見つめたまま親指でそこを擦った。

「っ、ふぅ、」
「…」

すりすりと撫でられる程度なのに息が乱れる。やめてほしくて腰を引くのに憐くんの指が追ってくるから意味がない。腰が反っていくのも恥ずかしいけど、声を出したらもっと恥ずかしい。

「…っ」
「名前」

びくびくと揺れる腰を掴んで憐くんはわたしの名前を呼ぶ。のろのろとそちらに視線を向けると、憐くんはまだ親指でわたしの陰核を責め立てながらわたしを見下ろしていた。

「気持ちよくなってくれてるんだよね?」
「…っ、ん、」

こく、と頷く。それを見た憐くんはわたしの足を大きく開かせて足の間に再び顔を埋めた。熱くてぬるぬるしてる憐くんの舌がわたしの陰核を嬲る。

「ふ、っ、はぁ…っ、は、」

気持ちいい。腰が快感を逃がそうと勝手に動くけど憐くんはがっしりとホールドして許してくれない。声が漏れるのが心配で両手で口を塞ぐのに、熱い吐息が漏れてしまう。憐くんもチラッとこちらに視線を寄越してわたしが手で押さえてるのを知ると、わたしの手を優しく引き剥がす。

「ちゃんと俺を感じて」
「や、やだ、憐くん」
「だめ。俺を感じて」

憐くんはまた舌で愛撫するけど、手はわたしの手首をがっしり掴んでいた。両手で手首を掴まれてそのままシーツに縫い付けられる。塞げなくなった口は閉じていなければ声が漏れるかもしれないのに不思議と閉じることができず、熱い息を繰り返して深い呼吸をした。喘ぐように胸が上下する。

「はぁっ、は、…っ、あ、憐くんっ」
「気持ちいい?」
「ん、ぅん…っ、はあ、はぁ…っ」

頷くのにそれだけでは許してくれない。これ以上続けられたら腰が溶けてしまうほど熱い。陰核だけをちろちろ刺激されて、蕩けそうなほど熱を持たされる。お腹の奥が疼くような物足りなさを感じてわたしはこの恥ずかしい行為を早く終わらせることばかり考えてしまう。

「れ、憐くん、もういい…」
「いいって何が?」
「もう、いいの…」

早く入れて、終わらせてほしい。そう思うけどストレートに言葉にするのは躊躇われる。どう言っていいのか分からずに視線を揺らしていると、憐くんは察し良く自分のベルトを外して自身を取り出した。ぐっと反り立って立派なそれに入れる前は毎度怯んでしまう。憐くんはそれにゴムを被せると「こういうこと?」と首を傾げてくる。こくこくと何度も頷いて見せた。

「名前は誘うのが上手いね。もっと長く感じてほしいし感じていたいのに、すぐ我慢がきかなくなる」
「誘ってなんか、」
「誘ってるよ」

憐くんはわたしの腰を掴むと、膣口に熱を擦り付ける。固くて熱い、興奮の証。ぬる、ぬる、と腰を遣われて、滑ったそれが陰核まで刺激する。声を我慢したいのに憐くんの興奮しきった熱い吐息がわたしの耳朶や首筋を撫でてどうしようもなかった。肌がしっとりと重なる。

「っ…、はぁ、」
「名前、俺の首に腕回して…」

言われた通りに憐くんへ腕を伸ばすと、憐くんは腰をぐっと押し付けてきた。熱が秘裂を割って入り、固いものがゆっくりと中を満たしていく。十分濡れているそこは滑りが良く、スムーズに内壁を擦り上げられて喉が反った。我慢ができなくなってくる。

「ふうっ、う…っ、ん」
「名前、口開けて」
「ん、んん…っ」

小刻みに揺れる腰。ギシギシとベッドを甘く鳴かせて憐くんはわたしの髪を掻き上げた。顔を見られるのも恥ずかしいし、口なんか開けたらいよいよ声が我慢できなくなりそうで首を横に振ると、憐くんは許さないとばかりにわたしの頬を両手で包んで正面を向かせる。熱を孕んだ視線が絡み合い、一気に体が熱くなる。

「恥ずかしいんだ」
「っ、ん、」
「目を見るといつも中が締まる。見られるの嫌いじゃないんでしょ?」

憐くんの口端が意地悪に吊り上がった。厭らしい自分が責められているようで耳を塞ぎたくなる。見られるのは本当に嫌だし恥ずかしいのに勝手に体が熱を帯びる。違うと否定したいのに口を開けば鼻から抜けたような甘ったるい喘ぎが漏れる。わたしは、本当に嫌なのに。

「や、やだっ、憐くんやだ、手はなして…っ」
「何で?こんなに感じてるのに」
「っ、あっ…、いやぁ…っあっ」
「ほらここ好きでしょ。俺の目見て」
「いやっ、あっ、やぁあ…っ」

陰唇の内側に引っ掻けるようにして憐くんが何度も奥まで腰を押し付けてきた。もう声なんか我慢できない。シーツを握って乱しても、足の先を丸めても、どうしても声が漏れてしまう。見られたくない。聞かれたくない。憐くんに嫌われたくない。淫奔な女だと、快楽に弱い女だと思われたくない。自分の手は憐くんがしっかりと握り、指を絡めているので口を塞ぐことは叶わない。でもこのままでは憐くんが、憐くんに、引かれちゃうかもしれない。

「憐くんっ、れ、憐くん…っ」
「どうしたの?」
「キス…っ、しよ、キスしたいっ」
「かぁわいい」

憐くんは気分を良くしてわたしにキスを贈った。貪るように舌を絡め、熱を混ぜ合う。口が塞がれているので多少呼吸は苦しいけど憐くんの肌がさらに自分と重なって、汗ばんだ体が気持ちよかった。憐くんの腰遣いがガツガツと激しいものになっていき、身を捩ってみるけど何の抵抗にもならない。口内で声だけが響く。

「んーっ!ん!んっ!んんんん!んんーっ!」
「はぁ、ん…っ、は」

憐くんも興奮の色を隠さなかった。どんどん追い詰められていって、憐くんが腰を引くのに内壁が憐くんに絡み付いて離そうとしない。吸い付くような動きに憐くんも限界が近いのか、乱暴に奥を叩いて熱を昂らせる。

「んんっ、ん、んんんんっ!」

しっかりと唇が合わさったまま、憐くんのモノが中で放出された。ゴム越しに感じる熱にわたしも内腿を引き攣らせて中を収縮させる。憐くんが気持ち良さそうに腰を震わせ、やっと終わったと安堵して体から力を抜くと、憐くんはわたしの髪を撫でながら唇を離した。口の周りが唾液でべちゃべちゃになっている。

「気持ちよかった?」

憐くんが優しく微笑むのでこくんと頷くと、憐くんは嬉しそうにさらに目を細めた。ちゅ、と湿った音と共に額に口付けられる。憐くんはそのままわたしを抱き寄せ、肌を合わせて擦り寄った。

「俺のために頑張ってくれてありがとう。可愛かった」
「うん…」
「大好きだよ」

ちゅ、ともう一度リップ音。気恥ずかしくて顔を背けたら憐くんがまた小さく笑ってわたしの肩口に顔を埋めた。恥ずかしいけど、嫌だけど、終わった後のこれが好きだから頑張っている。憐くんもそれを分かっているようにいつも甘やかしてくれるから心地好い。憐くんはわたしの耳に唇を寄せ、もう一度「だいすき」と耳打ちしてきた。


END
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はしたないと思われたくないばかりにたまに大胆になって誘ってくる彼女を楽しんでる様子の憐くん。女の子の恥じらう姿は最高ですね。名前様、お付き合いありがとうございました。
20170122
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