※砂月視点

那月はたまに予測できねえときに不安定に陥る。最近は女のおかげで安定していたが、今日突然。出て行きたくなかったが引きずり出さられるように俺は眼鏡を外して女の前へ現れた。

「ま、まさか…、さつきくん…?」

こいつは俺を見るといつもこんな顔をする。心底怯えた顔。今までの俺の行動からすりゃ仕方ねえことだが、…まぁいい。

「大好きな“なっちゃん”じゃなくて残念だったな?」

にやっと笑うと女は青ざめた顔で後ずさった。
そういうところだよ、納得いかねえのは。何で那月は良くて俺はだめなんだ。別に嫉妬してるわけじゃねえが納得もいかねえ。壊してやりたくなっちまう。




「あっ、やめて…っ!ひ!」
「うっせえ、口塞ぐぞ」
「んっ…ひぃ、う、っ…!」

女を犯しながら自己嫌悪に陥る。同時に達成感に満たされる。性欲を満たしたくて女を犯すわけじゃない、支配欲を満たしたいだけだ。俺は那月の幸せを1番に考えてやらなきゃいけない存在なのに、女を那月から奪って俺のモノにしたいと考えちまってる。もちろんそんなことしねえしできもしねえ。だからこうして体だけ奪って満足感に浸る。本当に最低な奴だ。

「…大人しくなったじゃねえか」

俺の一言一言に怯えているのか、口を塞ぐと言ってから女は声を押し殺すようにシーツを噛んでいた。それを嘲笑うように見下ろし、俺は女の首筋に強く吸い付いた。痛かったのか女は身を捩り、次の瞬間俺の胸板を必死に押してきた。

「っや、だめぇ…!そんなとこに痕つけないで…!」
「うるせぇな、散々ヨガってたくせに今更抵抗すんな」

何度も何度も俺の印を付けた。支配欲が掻き立てられる。満たされる。下からガンガン女を突きながら吸ったり噛んだりして首筋を真っ赤にした。まるで花のように映えていた。女は最高に綺麗になった。俺には泣き顔しか見せてくれないが、それでも俺は満たされた。


(( 罪の花が咲く ))
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