チュンチュン。
小鳥の囀りが聞こえる良い朝です。名前ちゃんは目を覚ましました。むくりと体を起こすと腰に激痛を感じ、昨日の行為を思い出します。

「いってー…トキヤ覚えてろ…」

布団を捲って確かめると名前ちゃんのナカはまだ若干濡れていました。というより、ナカからトキヤさんのが溢れているのです。陰毛にも精子が絡み付いてかぴかぴになっていました。

「うわ…なんかぐろい…」

シャワー浴びよう、と名前ちゃんはベッドを出て浴室へ向かいます。その前に喉渇いたからキッチンに寄ると、冷蔵庫に貼紙がありました。

“ご飯はこの中にありますので、起きたらレンジで温めて食べてください”

「うわ…お母さんかよ…」

名前ちゃんはげんなりしながら水だけ飲み、シャワーを浴びに行きました。



シャワーを浴びて服を着終わると、リビングで携帯が鳴っているのに気がつきました。名前ちゃんはタオルで髪の毛を拭きながら携帯を開きます。着信、一ノ瀬トキヤ。すぐに出ました。

「もしもし?」
「おはようございます。朝ごはんは食べましたか?」
「まだだけど」
「はあ…私は急な仕事が入ってしまったのできちんと1人で冷蔵庫のものを食べてください」
「うん」
「レンジで温めてくださいね」
「分かった分かった」
「それでは早く食べなさい」
「あとちょっとしたら食べるよ」
「そうやって生活リズムを崩すのは体調を崩すのに繋がっていくんですよ、早く食べなさい」
「うるさい、お母さんよりうるさい」

名前ちゃんはピッと電話を切ります。そこに表示されていたのは着信31件の文字。全部トキヤさんでした。きっと名前ちゃんのシャワー中の着信でしょう。

「気持ち悪いなトキヤ…」

名前ちゃんがぼそりと呟くと、メールが届きました。

“そのまま食べてはいけませんよ。きちんと温めてください。”

「っさいな!」

名前ちゃんは思わず携帯相手に怒鳴ります。世話を焼いてくれるのは良いのですが、トキヤさんはしつこいのです。トキヤさんは彼氏というより、名前ちゃんのお母さんのようでした。


(( 『ご飯は冷蔵庫の中に入ってるからチンして食べてね』 ))
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