『あーもー大好きだ!!これからもずっと一緒だぞ!!!』
「うふ…うふふふ…フルコンボだぁ…」

名前ちゃんの目の下にはくっきりとしたクマができていました。徹夜でうたプリMUSICを極めていたのです。HAYATOから始まり、5人のキャラを完璧にし、今は翔ちゃんの曲を完璧にしているところでした。名前ちゃんはPSPを握りながらふるふる震えます。

「ずっと一緒だよぉ…うふふ…」

徹夜からの疲れでしょうか、ドライアイになりそうなくらい長時間目を開いていたせいで名前ちゃんの目からは涙がぽろぽろ出てきます。それを拭うために顔を上げましたが。

うぃんうぃんうぃんうぃん。

「…」
「…」

トキヤさんがあるものを持ちながら名前ちゃんを見下ろしています。あれ、私幻でも見てるのかな、トキヤ今日仕事ないの?名前ちゃんはごしごし目を擦ります。

うぃんうぃんうぃんうぃん。

やっぱり持っています。やっぱりトキヤさんが名前ちゃんを見下ろしています。名前ちゃんは信じたくなくてもう1度PSPを握ります。

「さて、翔ちゃんの小説読めるようになったから読もうかな…」

うぃんうぃんうぃんうぃん。

「っさいな!トキヤ何なのよ!」

名前ちゃんはついにPSPから手を離し、トキヤさんを睨み上げました。トキヤさんは無表情でずっとあるものを握っています。うぃんうぃんうぃんうぃん。うるさいくらいの音を発するそれを、名前ちゃんに近づけます。

「これを使ってみようと思ったのですが、部屋に来てから1時間あなたに気づかれませんでした」
「ご、ごめん翔ちゃんやってて…」
「私の存在は空気なのかと考えていたところやっと気づいてもらえたので」
「ごめん…でも絶対使いたくないよ…」

名前ちゃんは申し訳なさそうに言いました。トキヤさんの持っているものとは、バイブだったのです。それもただのバイブではありません、2つの穴を責められるバイブ、つまりアナルにも突っ込むバイブです。

「何故ですか」
「何故って…そもそも何それ」
「双頭バイブです」
「知ってるよそんなの、見れば分かるでしょ…そうじゃなくて、何でそんなの使いたいの」
「そろそろアナル開発をしようかと」
「そろそろって何、今後も絶対させないよ」

名前ちゃんは嫌そうな顔をしながら再びPSPに手を伸ばします。

「何故ですか!」

その瞬間、トキヤさんは声を荒げます。普段そんなことをしないトキヤさんにびびって名前ちゃんは手を止めました。そんなにアナルを開発したいのでしょうか。トキヤさんの目はぎらぎらしています。

「あ、あの、トキヤー…?」
「何故新たな可能性を自ら閉ざすのです?やってみなければ分からないでしょう、更なる快感を求めて挑むことに意味があるのでしょう」
「じゃあトキヤがやってみれば」
「えっ」
「トキヤがアナル開発してみたらいいじゃん、新たな可能性を信じてさ。で、トキヤがアナル好いって言うなら私もアナル開発するよ」
「…」
「…」

こうして名前ちゃんのアナル開発の話はなくなりました。どうでもいいことですが、この日名前ちゃんは全キャラフルコンボを果たしました。


(( 危険行為禁止令 ))
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