「しょ、翔ちゃん」

名前ちゃんは緊張して唇を舐めました。声が上擦ってしまっているのも、翔くんは気づいているでしょうか。翔くんは読んでいた雑誌から顔を上げ、名前ちゃんを見つめます。

「ん?どうした?」
「あ、あのね、うんと、隣行ってもいい?」
「あぁ、いいぜ」

ごろんと寝そべっている翔くんの隣にとてとてと歩いていき、正座します。翔くんはただ雑誌のページを捲るだけ。

「しょう、ちゃん」
「んー?」

名前ちゃんは太ももの上で拳をぎゅうと握ります。

「お、起きて」
「ん?」
「起きてってば」
「お、おう」
「ここ座って」
「こうか?」
「もっと近くに!」
「こ、ここ?」
「うん、そう」

名前ちゃんはなかなか構ってくれない翔くんを起き上がらせ、自分の隣に座らせました。近くに座らせすぎたでしょうか、自分で指示したことなのにあまりの近さに名前ちゃんはどきどきして顔を真っ赤にしてしまいます。そんな名前ちゃんを心配そうに見つめながら翔くんも釣られて真っ赤っか。2人は本当に照れ屋さんです。

「あ、あのね、翔ちゃん」
「おう」
「あの、ね、」
「どうした?」

翔くんはなかなか話が進まない名前ちゃんを心配します。何か言いづらい話なのかと名前ちゃんの顔を覗き込むと、ますます赤くなっていく名前ちゃん。どうしたのでしょうか。

「翔ちゃんに、言ってもらいたいこと、あって」
「おう」

翔くんは名前ちゃんの頭をなでなでしました。ゆっくりでいいぜと一言添えてじっと名前ちゃんの言葉を待ちます。名前ちゃんはついに決心したように翔くんを上目遣いで見つめました。

「熱中症って、ゆっくり言って?」
「熱中症?」
「うん、ゆーっくり」

ごくり。名前ちゃんが喉を鳴らします。翔くんはなにがなんだか分かりませんが妙な緊張感を覚えました。

「ねっちゅうしょう」
「もっともっとゆっくり」

名前ちゃんがどきどきしているのが翔くんにも痛いほど伝わりました。名前ちゃんは今にも泣きそうなくらい緊張しています。翔くんはわけもわからず心配する他ありません。

「ね、ちゅうしよう?」

翔くんは名前ちゃんの指示通りゆーっくり言いました。心配していたので最後が疑問形になってしまっていますね。名前ちゃんはそれを聞いてもう1回喉をごくり。そして翔くんのほっぺを両手で包むと勢いよく翔くんにちゅうっとキスをしました。翔くんはびっくりして目をぱちくり。唇を離した名前ちゃんの真っ赤な顔を見て翔くんも顔から火を出すほど真っ赤になります。

「な、なななんなん、」
「し、知らない!翔ちゃんがちゅーしようって言ったんだもん!」

口が回らない翔くんに、名前ちゃんはぷいっと顔を背けます。ですが、耳まで真っ赤の名前ちゃんが照れているのは一目瞭然。翔くんはふわりと笑うとその背中にぎゅうっと抱き着きました。

「お前かわいすぎ…」
「ひゃうっ」

耳元で低い声を出すと、それに反応したように名前ちゃんがぴくりと肩を跳ねさせます。可愛い可愛い反応に翔くんはますます笑顔になりました。


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n番煎じのネタですみません。翔ちゃんといちゃいちゃしたいです。最近翔ちゃんが足りてないです。
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