「名前ー!」
「あ、おと…、っはあ!?」

音也くんに呼ばれ、名前ちゃんが振り返ると、そこには頭にふさふさの耳を生やした音也くんがいました。黒っぽい毛に包まれ、何だか犬みたいな耳です。それと揃えたしっぽもお尻の方に生えていました。ふさふさもふもふで可愛いです。

「なっ何それっうわあ超かわいい!」

名前ちゃんはすぐにポケットから携帯を取り出し、ぱしゃりぱしゃりと写メっていきます。音也くんは愛想笑いを向けてアイドルスマイル全開です。可愛くて仕方ないです。

「ところで、それどうしたの?」

何十枚も撮ったあと、名前ちゃんはふと音也くんに訊きました。音也くんはぷくっとほっぺを膨らまします。

「もう、やっと訊いてくれた。今日はハロウィンでしょ、だから仮装したの!」

あまりにも可愛い顔に名前ちゃんはもう1枚ぱしゃりとします。

「仮装って、わんちゃん?」
「狼だよ、狼!定番でしょ!」
「おお…かみ…?」

どっからどう見ても犬です。ね、どう?似合う?と聞いて名前ちゃんの周りをうろうろする姿からは狼なんて想像もできません。名前ちゃんは思わず笑ってしまいます。

「ふふ、音也ってほんと可愛いね。はい、飴あげる」
「可愛い…って、もしかしてばかにしてる?」

素直に飴を貰う音也くんはやっぱり可愛いです。ばかにしてるのではなく事実なのですが、音也くんはムスッとしていて気に入らないようですね。

「してないよ。でも、小さい頃飼ってた犬に似ててほんとに可愛い。ずっと私の周りうろちょろしてて、よく顔中舐められたっけ」

名前ちゃんが懐かしそうに笑うと、音也くんはムスッとしたまま名前ちゃんに抱き着きます。名前ちゃんの腕を自分の腕でぎゅうっと締め付けて身動きが取れないようにしてから、音也くんは名前ちゃんの弱点の1つである耳をペろりと舐めはじめました。

「俺って犬と重ねられる程度の存在なんだ」
「んっ…ちょっ、」
「まあ、いいけどさ」
「はぁっ…ぅ、おと、や…」
「犬にはここも舐められてたの?」

音也くんは名前ちゃんの耳の中まで舌を入れ、ぴちゃぴちゃやらしい音を立てて舐めていきました。名前ちゃんの身体からはどんどん力が抜けていきます。

「ん、はぁ…おとやぁ…だめぇ、」
「犬に舐められて感じてた?」
「ちが、はぁう…っおと」
「一応、俺は狼だけどね」

かりっと軟骨を甘噛みされます。名前ちゃんはびくんと身体を跳ねさせて音也くんの胸を押しました。

「やぁっ、あ、おとやぁ、だめ、っ」
「何でだめなの?名前、気持ちいいでしょ?」

音也くんがそう言うと、名前ちゃんは欲情しきった顔で音也くんを見上げました。

「はぁ、ん…っきもちいからぁ、いろんなとこ、なめてほしくなっちゃうぅ…っ」
「っ…名前」

音也くんはごくりと喉を鳴らしました。


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アンケートよりハロウィン狼音也です。「がおー!お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞー!」の予定だった音也も結果オーライ。淫乱主で助かりましたね。どの道えっちができて両者大満足です。
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