名前ちゃんはお留守番を頼まれたことをいいことに本人の前では見れない雑誌を広げていました。

「うわあああああ!こ、この翔ちゃん!かっわあぁああぁ…!やばいこの目線の投げ方えろかわ!」
「ただいまー」

ですが、もう時間がきてしまったようで翔くんが帰ってきてしまいました。軽く3時間は眺めている雑誌に興奮しっぱなしの名前ちゃんは翔くんの帰宅には全く気づきません。

「ひゃああああ!この翔ちゃんもすっごい!かっこいいなぁ…シンプルな服も似合っちゃうのはやっぱりモデルがいいからだよねぇ…ああん翔ちゃんすきぃ」
「お、おい…」
「えっちょっ待っ!?何この袋とじ!?まさか翔ちゃんのセクシーショットが入ってるのかしら…やばいやばいやばい興奮するやばい!慎重に開けなきゃ…!」
「…」
「ハサミ…いや、カッターがいいなぁ…!カッターはあっちの部屋にあったはず!翔ちゃぁん、今開けてあげるからちょっと待っててね!んちゅっ!」

くるっ。
袋とじにキスを落とし、名前ちゃんは後ろを向きます。そこで初めて翔くんの存在に気づきました。翔くんは真っ赤な顔をしてただ名前ちゃんを見つめています。

「…」
「…」
「…」
「…」

「っぎぃやぁああああああ!!!!翔ちゃんいつから…っ!!!!!」
「さっきただいまっつっただろ!」

名前ちゃんの顔もボンッと真っ赤になります。あわあわして頭が回りません。焦る名前ちゃんを追い詰めるように翔くんはちらりと雑誌へ視線を投げました。

「それ、…俺が載ってるやつ?」
「あ、あ…っう」

言い訳ができません。雑誌に興奮する変態だと思われてしまっても仕方ないです。名前ちゃんはちろちろ忙しなく視線を泳がせますが焦りでどんどん顔が真っ赤になってきます。

「こ、これはね、ちがうの」
「何が?」
「べつに翔ちゃんのこと見たくて買ったわけじゃなくて、たまたま買った雑誌に翔ちゃんがいたから、ちょっと見てた、だけで」
「…ふーん」
「だから、べつに、あの、」

名前ちゃんは言葉が続かなくなって俯きました。興奮していた名前ちゃんを全部見てしまった翔くんは、すぐに言い訳とは分かりましたが散々な言われようにちょっとだけムッとしました。

「袋とじ開けようとしてたくせに」
「あ、う」

翔くんがいじけたように言うと名前ちゃんは困ったように自分の服の裾を握り、ますます俯きます。翔くんははぁ、とため息をつきました。それからジャケットを脱いで名前ちゃんを見つめます。

「まあ、いいけど。名前はそんなの見なくても俺の裸は見慣れてるもんな」
「は、はだか!?この袋とじの中、翔ちゃんの裸なの!?」
「さあな。で?お前が今開けたいのはどっちだ?」
「え?」

翔くんは自分のシャツのボタンを外していきました。第三ボタンまで開けたところで手を止めます。翔くんの目はとってもえっちになっていました。

「その袋とじと、このシャツ。どっちかしか開けさせてやんねえけど、どうする?」
「えっ、そ、それは…」

翔くんはえっちな目で名前ちゃんを見つめながら自分の喉から胸元までを撫でました。えっちな手つきに名前ちゃんはぞくぞくします。何度見ても色っぽい光景にうっとり。名前ちゃんは魔法にかかったように自然と翔くんのシャツに手を伸ばしました。

「こ、こっち、開けたいです…っ」

伸ばされた手を握り、翔くんは名前ちゃんを自分の体に引き寄せました。少しだけ強引に顎を持ってキスをしながら名前ちゃんの服も捲くります。

「んっ、はぁ…、まっ、しょうちゃん、の、みるのに…」
「俺だけじゃ不公平だろ?」

翔くんは大人っぽい笑い方をしながらもう1度深いキスをしました。





「ね、ねぇ」

さっきまで激しく愛し合っていたのですが、名前ちゃんにはまだやるべきことがあります。そう、あのまま放置されていた袋とじです。

「翔ちゃん、あのね、ふ、袋とじを…」
「開けさせねーよ」
「えっ」
「俺目的で買ったんじゃねーんだろ、なら俺の袋とじなんか興味ないもんな」
「そ、それはですね…」

名前ちゃんはあわあわしますが翔くんは完全に拗ねていました。

「さっきの雑誌、俺のページは全部切っとくから」
「!…そ、そんなぁっ」

名前ちゃんは心の底から後悔しました。結局、後日同じ雑誌を買うことになるのです。


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初めて翔ちゃんが雑誌とかに載ったらこんなやり取りをしたいです。それから、袋とじの中は案外普通のファッション特集とかだといいです。今日翔ちゃんといちゃつきたい願望がはんぱないです誰か助けてください。
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