※主人公視点/キャラ崩壊
キャラをダム、ジャスコなどと呼ぶことや主人公が口が悪いのに抵抗がある方は閲覧をお控えください


今日は球技大会。
パートナーである翔ちゃんは音也くんと一緒にサッカー、那月さんとトキヤくんとレンさんはそれぞれどこかに行ってしまい、何の種目か把握していない。私はと言えば、ダム様こと聖川真斗とバスケだ。




(( バスケ男子 ))




もう最悪だ…。
序盤からこんなことを言うのは失礼だけど、最悪すぎる。だって相手はダム様だ。それに種目はバスケとくる。そんなの…考えただけで笑ってしまう…!

「おい」
「は、はいっ」

背後に聞こえるのは彼の声。あぁ、やっぱりあなたにはバスケがとてもよくお似合いで。

「ウォーミングアップしなくていいのか?」
「ふ、ふふ…あ、あの…ダm…あの、聖川さんはもうすんだのですか?ぷぷっ」
「今やっているところだ。…何が可笑しい?」
「いえいえそんな…ふふ」

だって考えてみてよ聖川さん。あなたがボールをダムッダムッってついてたらそりゃあ可笑しいでしょうよ!ダム様がボールをダムダムと…いやちょっと寒いからやめよう。

彼が真剣にこちらを向くから私は笑いを堪えて一緒にダムダムと練習を始めた。すると5分もしないうちにウォーミングアップの時間が終わり、ゲームへと入っていく。
ゲームは男女で違うチームでやるが、ちょうど私と彼の時間はカブらない。つまりダム様のゲームをたっぷり見学できるということ。正直吹き出さない自信はない。ってゆーか皆無。





ピィーーッ

合図があり、試合開始。最初は聖川さんのチームだ。開始早々聖川さんは絶好調にボールをついて…。

「ふふっ、だめだ…!」

面白すぎる!聖川さんは真剣にやっているんだろうし、笑ったら失礼なのも重々承知。それでもこれはアウト。

「ダム様超絶好調…あれ?」

きゃーと黄色い歓声。まさかのまさかだけど、あのダム様のかっこよさが今更認められたのかと周りをキョロキョロしてしまう。ダム様だよダム様、まさか、でしょ。
すると、本当に違ったらしく、コートにはあの金髪が立っていた。あらあら…どの種目かと思っていたら、まさかここだったのジャスコ…。よりによって聖川さんと当たるチームなんて、本当にこの人達って何なんだろう。それよりダム様の人気の無さに涙目よ、でもあなたのかっこよさは私が知っているから!
そんなくだらないやり取りを心の中でした後、ゲームに集中しはじめた彼らを見つめる。聖川さんがシュートを決めたらレンさんが、レンさんがシュートを決めたら聖川さんが点を取り返す。最早1対1の戦いになってきているのはこの際黙っておこう。

お互い息が上がっている。もうそろそろ制限時間がきてしまうのに未だ同点から抜け出せない。聖川さんとレンさん、どちらかを贔屓するつもりはないんだけど、種目はバスケなわけだからどうしてもダム様を応援してしまう。

「ダム様、頑張って!!!!」

レンさんに点を取られたので取り返そうとしている聖川さんに思わず声を上げた。制限時間が迫っている。早くしないと、聖川さん負けちゃうよ!

「ちっ…」

すると聖川さんは少し驚いた顔でこちらを向くと、直ぐにボールに目を戻して舌打ちをした。ディフェンスジャスコと命名したいくらい守りがかたいレンさんを鬱陶しそうに避けながら、ダムダムとボールをつく彼は少しだけだけどかっこよくて。

残り、5秒。
早く!早く入れなきゃもう負けちゃう!聖川さん何やってるの!と言いたいところだけど、ディフェンスジャスコがかたく守っているので仕方ない。あの余裕なレンさんまで汗をかいていて、色っぽい。それ程のゲームなんだ。

「ダム早くー!!!!」

私も最後に強く叫んだ。すると彼はレンさんをやっとこさ抜き、隙をついてスリーポイントシュート。
…入ったらかっこいいのに、ガコンガコンと惜しいところで外してしまった。

ピィーーーッ

ゲーム終了の合図。あーあ、ダム様負けちゃった、と私は肩を落とした。
レンさんは勿論どや顔で女の子達からタオルを受け取っている。決めるところは決めて、女の子の前でなら何でもする人なんだろうと心底感心した。一方聖川さんと言えば勿論私のところへやってきて。

「…おい」
「はいっ」
「お前、ダム様って何だ」
「え、…え」

大層ご立腹のダム様は完全に私に八つ当たりをしようと企んでいるに違いない。目が怖い、目が。

「いやぁ、その…ついつい出ちゃってですね…」
「お前が変なこと言うから調子が狂っただろう」
「わ、私は応援したつもりだったんですけど…」

やっぱり八つ当たりだ!ってゆーか人のせいにしてきやがった!でも反論できないちくしょう!
彼を宥めるには何をしたらいいんだろう、と私はレンさんの方をチラリと見た。タオルを笑顔で渡す女の子達。あぁ、そっか、ああされたら確かに嬉しいもんね。ほんとはこのタオル、翔ちゃんに渡そうと思ってたのになー。

「…ダム様、」
「聖川真斗だ」
「聖川、さん!…これ。お疲れ様でした」
「これ…?」

ぐっと仕方なくタオルを差し出す。汗を流す彼は確かに色っぽいしゲーム中の彼も一生懸命でかっこよかったけど、私は翔ちゃんが1番だから!と自分に言い聞かせる。

「まぁ、その…かっこよかった、です」

とりあえず褒めとこう、とこの言葉。あくまで翔ちゃんが1番だと言い聞かせ、これは負けちゃったダム様を仕方なく慰めてるんだ!と必死になりながら。
それなのに彼は反則して。

「っ、お前…」

カァッと顔を真っ赤にして受け取ったタオルをぎゅうっと握った。
な、に…その顔…。どうしよう翔ちゃん、パートナーは翔ちゃんなのにダム様にときめいてるよ!まぁ翔ちゃんとは恋愛関係でもないし別にいいんだけどさ…。でも、相手はダム様なのに、ときめいちゃうなんて。
こっちもつられて顔を熱くしたら、聖川さんは何を早まったのか私の耳元に顔を寄せてきて、「次、応援してる」とだけ伝えて私の頭を撫でた。

「次…?」

ぽつりと呟くと、遠くから「名前早くー!」と友達が叫んでいた。あぁ、そういえば私、次出番だった!

「うわわ、行ってきますね、ダム様!」
「聖川真斗だ!」

聖川さんは呆れたようにフッと笑うと、タオルを口元に持ってきて見せた。そんな姿にドキンと胸を高鳴らせ、動揺しまくって足がくがくでゲームに臨むことになってしまった。






私は勿論ゲーム中に顔面でボールをパスを受けることになり、ゲーム後にダム様にとことんいじられることになった。ダム様のくせに!


END
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本当にすみませんでした。聖川さんもレンさんも勿論大好きです。愛故にです(ドヤァッ
本当に反省しています。後悔はしていません。名前様、お付き合いありがとうございました。そして本当にごめんなさい。
20111015
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