付き合い出して5ヶ月が経ちました。音也くんはだんだん恋人らしいことをしたがるようになりました。学校では頭を撫でたり肩を抱いたり程度のスキンシップですが、放課後は手を繋いだりハグをしたりキスをしたりと頑張っているようです。しかし所詮キス止まり。名前ちゃんの欲求は満たされないままです。

今日は音也くんが朝から遅刻しそうになったらしく、いつもは歩いて学校へくるのですが、今日だけ自転車に乗ってきたそうです。いつものように一緒に帰ろうとしますが、名前ちゃんの隣で自転車を引く音也くんに何となく距離を感じます。それに音也くん、自転車とっても引きづらそう。

「音也、自転車乗って帰りなよ」
「え?何で?」
「わざわざ引かせちゃうの悪いし、乗った方が早く帰れるでしょ?」
「そりゃあそうだけど…あ、じゃあ名前も一緒に乗ろ!」

音也くんはぱあっと笑顔を向けました。それから鞄からタオルを取り出し、自転車の荷台に敷きます。

「はい、名前ここ!」
「え、いいよ、私重いもん」
「だーいじょうぶだって。俺こう見えても力あるんだよ?ほら、乗った乗った!」

音也くんはすでに自転車に乗ってスタンバイ。後ろを振り向いて名前ちゃんを待ちます。名前ちゃんはちらちら視線を揺らして困りましたが、音也くんが余りにも可愛らしく笑顔を見せるので、渋々自転車に跨がりました。本当は横向きに座った方が女の子らしいかとも考えましたがバランスが崩れて音也くんに迷惑がかかると思ったから跨がることにしたのです。

「じ、じゃあ…お願いします…」
「うん。…って、名前」
「え?」
「何これ」

跨がってから音也くんのシャツを控えめに握りしめましたが、音也くんは不満のようです。名前ちゃんの手を離させ、手首を掴んで自分の腰に腕を回させました。

「もっとぎゅーってしてよ」

それから拗ねたように、一言。名前ちゃんはムラムラと身体を震わせました。

「だ、だって、そんなにくっついてたら漕ぎにくくない?」
「大丈夫なの!」
「あ、そう、分かった」

音也くんが大丈夫だと言い張るので名前ちゃんは甘えることにしました。ぎゅーっと思い切り抱き着くと服越しに音也くんの身体のラインが手で感じられます。自転車が走り出しました。

「なんだ名前、すげー軽いじゃん」
「え、と」
「もっとちゃんと食べなきゃだめだよ?」

音也くんは軽々と自転車を漕ぎながら名前ちゃんに言いました。女の子なら誰でも嬉しくなってしまうような台詞です。名前ちゃんも例外なくきゅんと胸を跳ねさせました。

「ありがと」

ぼそっと言って音也くんの背中に顔を埋めました。名前ちゃんはすっかり照れちゃっているようです。音也くんは可愛いなぁと思いながら顔を綻ばせました。

「あ、」

そんなことを思っていると、音也くんは大変なことに気づきました。目の前の道が工事で通行止めになっていたのです。日頃がたがた道で転びそうだな、と感じていましたから工事してもらえるのはすごく有り難いことです。しかし音也くんは困りました。

「名前、工事中だって。ちょっと遠回りになっちゃうけど別の道通って帰ってもいい?」
「うんいいよ」
「ごめんな」
「何で音也が謝るの、むしろ一緒にいられる時間が長くなって嬉しいよ」

不安げに後ろを振り返る音也くんを安心させてあげたくて、名前ちゃんはふわりと笑いました。音也くんは単純ですから、それだけでとっても嬉しいのです。

「ありがとう!じゃあこっちから帰るね。しっかり掴まってて!」
「うん」

音也くんが漕ぎ始めました。工事中の道路を少しだけ横断し、別の道へ入ろうとします。しかし、さすがは工事中の道路、とってもがたがたしています。自転車もがたがたと揺れて荷台に乗っている名前ちゃんの身体はぴょこぴょこ跳ねてしまいました。何度か跳ねているうちに今乗っている場所からだんだんずれ、そしてついに荷台とあそこが触れてしまいました。

「っ!」

ぴくん、と名前ちゃんは身体を捩ります。そう、名前ちゃんの大好きなクリトリスが荷台に当たってしまったのです。腰を浮かせるように持ち上げれば当たらずに済みますが、淫乱な名前ちゃんはどきどきしながらもう1度、そこへ腰を押し付けました。がたがた、くりくり。びくっと名前ちゃんは反応します。自転車が揺れるたびにクリトリスが押し潰され、とっても気持ちいいのです。音也くんの腰を掴む力も少しだけ強くなってしまいました。

「この道懐かしいな〜。よくここで友達と鬼ごっこしたんだ。今はその子、施設からいなくなっちゃったんだけどね」

音也くんは名前ちゃんの様子に気づいていないようです。名前ちゃんは返事をする余裕もないくらい快感に溺れていました。音也くんの腰にしがみつきながら自転車にクリトリスをいじめられる、そのシチュエーションにどうしようもなく感じてしまっているみたいです。ですが、あまり気持ち良くても困りますね。

「んっ、」

このように声が漏れてしまいます。名前ちゃんは慌てて下唇を噛み、声を我慢しました。音也くんが少しだけ後ろを気にします。

「ん?名前?何か言った?」
「んんっ、なにも、いってなっぁう」

これ以上喋ると声が漏れてしまうと悟った名前ちゃんは音也くんの背中に口を押し付けて我慢することにしました。声の代わりにはくはくと熱い息が漏れます。

「っ、ふ、ぅ」

音也くんの背中に顔を埋めると、鼻に直接音也くんの香りがくるように感じました。音也くんの腰にもしがみついて、何だか音也くんにクリトリスをいじられている感覚です。未だにくりくり押し潰される刺激に名前ちゃんは脚に力が入らなくなってきました。

「ぁあ、っふ、く…、」
「ん?名前?」
「…あ、は」

背中に感じる熱い息や腰にこもる力に音也くんは違和感を感じました。名前ちゃんがおかしいと思って後ろを気にします。

「名前、大丈夫?後ろに乗ってるの疲れた?降りる?」

音也くんは本当に優しい男の子。でも今最高に気持ちいいことを楽しんでいる名前ちゃんにとっては拷問のような一言です。ここでやめられたらイけない、焦らされるのはやだ、と名前ちゃん。じんわり涙が滲むのを感じました。

「あ…やぁ、おりないぃ…っ」
「降りない?でも、なんか苦しそうだよ?」
「んぅ…いいからぁ…、あ、はっ」
「えー…でも、」
「やらのぉ…、っ」

見つかったらどうしよう、そう思った名前ちゃんはいっそう荷台に腰を押し付けました。びくびくと身体を跳ねさせ、音也くんにしがみつきます。あと少しでイけるのです。音也くん、意地悪しないであげて。

「名前、具合悪いんじゃない?」

音也くんは遂に自転車を止めました。くるりと名前ちゃんを振り向きます。ちょうど名前ちゃんが最高に気持ち良かったところで自転車の振動が止んでしまうものですから本当はイけなかったでしょう。しかしさすがは淫乱な名前ちゃん。音也くんが振り向いた瞬間、興奮してびくんと腰を跳ねさせてイッてしまいました。顔は背中に埋めたままなので見えませんが、さぞかしえっちな顔をしていたでしょう。

「はっ…!」
「名前、まじで大丈夫?」
「うん…、だいじょうぶ、ふたりのりはじめてだからちょっとこわかっただけぇ…」

名前ちゃんは咄嗟に嘘をつきながらはくはく酸素を取り込みます。顔は相変わらず背中にくっつけたままなので見えません。

「でも、おとやにぎゅーしてるから、だいじょうぶだよ、?」
「名前…あとちょっとで着くから!こわくないから大丈夫だよ!」
「うん、ありがとう…」

音也くんはまた自転車を漕ぎはじめました。名前ちゃんはほっとします。音也くんの背中に名前ちゃんの涎がじんわり滲んでしまったことがバレてない、と。


(( 淫らミダラ ))
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