駄ン文ロンパ61
2014/11/26 06:00

【万病の根源を司りし呪術的なアレ】


田中「げほっ、ごほっ……ふ、ふっ……まさか、この、俺様が……万病の根源を、司りし……呪術、に……見舞われる、とは……ごほっ、ごほっ……」

がちゃっ

左右田「おお、田中。大丈夫か?」

田中「そ、左右田か……ふっ、主たる俺様の下へk」

狛枝「僕も来ちゃった☆」ひょこっ

田中「帰れ」

狛枝「あはっ、僕にだけ厳しいのは何でだろう……ああ、僕みたいな屑が居るだけで田中君が不快な思いをしてしまうから、だから僕のことを拒絶s」

田中「そ・れ・だ! それが鬱陶しいから帰れと言っ……ごほっ! げほぉっ! ごはぁっ!」

左右田「大丈夫か? コーラ要るか?」すっ

田中「何故コーラ!? 俺様病人なんですけど! 炭酸じゃなくてポカリとかアクエリ寄越せよ!」

狛枝「田中君、キャラ崩壊してるよ」ごくごく

田中「はっ、しまっ……いやちょっと待て狛枝、今貴様が飲んでいるのは……」

狛枝「ポカリって美味しいよねぇ」ぷはぁっ

田中「俺様に寄越せよ!」くわっ

狛枝「へっ? やだなぁ田中君、僕みたいな蛆虫と間接キスがしたいの?」

田中「ち・が・う!」くわっ

左右田「案外元気だなぁ」

田中「何我関せずな位置で傍観している、この雑種がぁっ! 狛枝を追い出せ! というか貴様も出て行け!」

左右田「見舞いに来てやったっつうのに……」うるうる

田中「うっ!? ……す、すまない……言い過ぎた……だからその、泣かないでください……」

狛枝「気にしなくて良いよ」

田中「貴様じゃない!」くわっ

左右田「ところで田中、風邪によく効く魔術的なアレがあるんだけどよぉ」ごそごそ

田中「あ、あるぇぇ……? さっきまで泣いてませんでしたか……?」

左右田「俺は切り替えの早さも超高校級だからな」ごそごそ

田中「そ、そうか……って、おい。何だそれは」

狛枝「……どうしよう左右田君、田中君が風邪の所為で頭が馬鹿に……」

田中「誰が馬鹿だ貴様ぁっ! 葱だってことくらいしっかり認識しているわぁっ!」

左右田「違う、九条葱だ」

田中「だから葱だろうが!」

左右田「九条葱だ」

田中「だ、だから……」

左右田「九条葱だ」

田中「……九条葱、です……」

左右田「ん」こくり

田中「で、その葱を」

左右田「九条葱」

田中「……そ、その九条葱を、どうする気だ……?」

左右田「お前の首に巻く」きりっ

田中「えっ」

狛枝「えっ」

左右田「えっ?」

田中「いや、それは……あの……あまり効果のない民間りょ……げふん、魔術じゃないかなぁと……」

狛枝「そうだよ左右田君、それは違うよぉ」ねっとり

田中「お、おぉ……狛枝、貴様……!」

狛枝「尻に突き刺さないと」きりっ

田中「貴っ様ぁぁあああああああああっ!」くわわっ

左右田「し、尻に突き刺す……!?」

田中「左右田、阿呆の戯言は無視しろ! 無視だ!」

左右田「その発想はなかったわ……」ごくり

田中「そ、左右田ぁぁあああああああああっ!」

狛枝「という訳で田中君、四つん這いになってお尻こっちに向けてよ」

田中「何がという訳なんだ! 巫山戯るな! 地獄の業火で焼き尽くすぞ!」

左右田「地獄の業火で焼いた九条葱って美味そうだな……」ごくり

田中「おい」

狛枝「地獄の業火で煮るのも有りだよね」ごくり

田中「おい貴様等、地獄の業火を舐めるな。消し炭にするぞ」

左右田「!」くわっ

田中「ひっ!? な、何だいきなり目を見開いて! ただでさえ凶悪な相貌が更に凶悪と化したぞ!」どきどき

左右田「巻くより突き刺すより食った方が良くね?」

田中「無視か! って……えっ?」

狛枝「流石超高校級のメカニック……そこに気付くとは、矢張り天才か……」ごくり

田中「それ、超高校級のメカニックは関係無いと思うのだが……」

左右田「こうしちゃ居られねぇ、九条葱を使って飯作ってくるわ」すたすた

狛枝「僕も手伝うね」すたすた

がちゃっ、ばたん

田中「……え、えー……」




こうして田中は九条葱を首に巻かれることもなく、尻に九条葱を突き刺さられることもなく、無事に九条葱入りの卵粥を口にすることが出来た。
しかし馬鹿二人の相手をした所為か、田中は一週間寝込んだ。



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