(笑う角には福来たるのその後話/してないけど軽くグリーンが喘いでます)

笑う角には愛来る


豆まきを終えて、俺は掃除をし、恵方巻きを食べた残りを片づけるとこにした。
最初は、節分ということ自体忘れていたが、やってみると意外と楽しいものだった。


食器洗いをしていると、ゴールドが台所にやってきた。

「手伝いますよー。」

そういって、洗った食器を拭き始めた。
なんだかこうして、一緒にたっていると…あの、あれだ…。


「…新婚みたいですね。」


心の声が漏れたかと横をみれば、珍しく顔を赤くしたゴールドがいた。
同じこと、思っていたのか。
なんだか口元が緩んでしまう。

「………レッド、たちは?」


俺もそう思った。と、素直に言えなくて、関係ないことを口にしてしまう。

「あー…、疲れたみたいで、シルバーと雑魚寝してます。」

「豆まきって、そんなにハードだったっけ?」

「違うと思いますけど。」


皿を洗い終え、リビングに戻ろうと向きを変えたときだった。背筋にそって、異物が落ちていく感触がした。

「……っ。」

びくり、と肩を縮めた俺に気づいて、ゴールドがかけよる。

「ど、どうしたんすか?」

「なんか、背中に…あって……気持ち悪っ…。」

「えっ?…あー、豆ですかね。」

あれだけ豆を受けていれば、一つくらい服の中に入ってもおかしくはないか。納得したが、自分ではとれそうにない。

「ごめん、ゴールドとってくんない?」

くるり、とゴールドに背を向ける。

「どこら辺ですか?」

「真ん中あたり、かも?」

「じゃあ、失礼しまーす。」

ゴールドが首もとから、手をするりと入れてきた。予想外に冷たい手に、またびくりとしてしまう。

「動かないで下さいよー。」

「あ、ごめん。」

しかし頼んだのはいいが、なんだかとても…密着しているような。
ゴールドのにおいとか、手の冷たさとか、首筋にかかる髪の毛、耳元で聞こえる吐息。

「先輩?どうかしました?」

豆なんかもう、どこにあるかよくわからないし、このままじゃどうにかなっちまいそうだ。


「あ、こっちかな?」

そう言って、脇腹付近に触れられれば思わず声がでてしまった。

「…っん。そこ…じゃなっ…。」

「じゃあ、こっち?」

「ちがっ…ぁ。」

ゴールドの手つきも、しだいに変わってきているし、明らかにこいつ遊んでいやがる。
背中にあると言っているのに、いつの間にやら手は前に来ている始末だ。


「…っ、あいつらが…起きんだろ…っはぁ、ん…。」

「大丈夫、ですよ。」

「てめっ……っつ。」


調子にのんな。と、いったときコロンと小さな音がした。

目をやれば、豆。

「「あ。」」

声がかさなる。すかさず俺は、ゴールドの手を抜いた。
流されなくてすんでよかった。あいつらが隣で寝てるとこで、声を出さない自信がなかったので、ひとまず安心。
ゴールドはといえば、とても残念そうにしている。

目があうと、ゴールドがすこしこちらに近寄る。

「まだ少し、おでこ赤いですね。」

「え!?嘘!!?」

「嘘です。」

「…お前なー。」

くすっと笑って、ゴールドが俺の額にキスを落とした。
可愛らしいリップ音と共に、彼が離れる。

「今日は、すみませんでした。」

「いいよ。もう気にしてない。」

「先輩、可愛かったです。」

「可愛いとか言うな。」


悪態しかつけないけど、顔が火照るのを感じていたから、きっと俺の気持ちは彼につつぬけだ。


「…今日、泊まってけば?」

「はいっ!」




額の痛みは、君の口づけで溶かされた。

(呼び込んだのは、福だけじゃなかったらしい。)


END

ゴグリ信者ふえろー!!!





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