監督生君、Subだってよ5

あてんしょん
・Dom/Subユニバース
・にわか知識
・監督生の世界にはダイナミクスがあって、ツイステッドワンダーランドには無かった世界線
・監督生君はSub
ふわっと読んでください




監督生は甘やかされるPrayが好きだ。Domに褒められて認められたい。いい子と頭を撫でられると天にも昇る思いになる

褒められる為にCommandには大抵素直に従うし、 逆らうことは大の苦手としている

監督生はPray前にSafeWordを決めてはいるが、使用したことはほとんどない。

そもそもSubがDomにSafeWordを使うことは、Domに「逆らってしまった…」と精神的な負担になる事が多く、その不安や恐怖からSub dropに陥りやすい

DomがPrayを行う際は「SubにSafeWordを使わせない」気遣いも必要なのだ

「なぁ、いいだろ?」

サバナクローの腕章をつけた生徒が1歩踏み出す。壁に追い詰められた監督生は青い顔でなんとか首を横に振った

監督生は今、大ピンチだった。

Prayの様子をたまたま見たか聞いたかしたらしい彼に、自分もさせろと詰め寄られているのだ

オクタヴィネルの彼らがせっかく得た弱みをわざわざ他人にバラすはずは無いし、イデアがこんなみるからに陽キャな彼に話すとも考えられない

オクタヴィネルで体質について話しているところを盗み聞きされた、といったところだろうか

「お前の趣味を他のやつにバラしたりしねぇからさ、な?」

趣味じゃない。あれはどちらかと言えば治療の一環だと言い返したいところだが、監督生は首を横に振るので精一杯だった

口を開こうにも、ガチガチと鳴る歯が噛み合わず、喉が乾涸びて声が出ない

目の前の生徒が多少苛立つにつれ、弱いがGlareが放たれている。Subの監督生がそれに抗うのはかなりの気力が必要なのだ

今は壁にもたれて何とか跪かずにいるが、それも時間の問題だろう

この世界ではダイナミクスは認知されていないだけで、元の世界ならDomに分類される人が一定数いると、監督生はもう確信していた

今のところSubらしき人物は自分以外みたことはないが…

「俺の部屋まで待ってやろうと思ったけど、誰か来てもいいならここでやってもいいんだぜ?」

強くなるGlareとその言葉に監督生はひゅっと息を飲み込む

顔からは血の気が失せ、青いどころか真っ白だ。冷や汗が浮かび、膝が震える

監督生はほとんどSafe Wordを使わない。それでも毎回確認するのは、保険と安心のためだ

本当に嫌だと思った時に拒否出来る。無理強いはさせられない。そういう安心感があるからこそ、Domの指示に身を委ねていられるのだ

このまま無理やりCommandを出されてしまったら?

恐らくGlareを放てる彼の指示に自分は逆らえないし、何を言われても拒否をする手段が無い…

「ゆ、許して…やめて…」

カチカチと歯を鳴らしながら懇願する監督生に、サバナクローの生徒は顔を歪めて笑う

やだ、やだやだ、怖い

監督生はぎゅっと目を閉じた。誰か助けてくれ…!

「Stay、何をしてる?」

「げ、クルーウェル…」

監督生の祈りが通じたのか、低い声が割って入った。それと同時に放たれる2つ目のGlare

「かひゅっ…」

監督生の喉が妙な音を立て、呼吸することを拒む

強いGlareにあてられ、強い緊張から過呼吸を起こしてしまったらしい

「かはっ……はっ……ひゅっ…」

「仔犬?!」

首を絞められるかのような圧迫感と溺れるように歪む視界の中

気を失う直前に見たのは、無責任に逃げていくサバナクローの生徒と慌てて駆け寄る担任の顔だった



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