思ったより愛されてた

俺はジェイドと付き合っているのだが、1つ、大きな不満がある

そりゃまぁ種族とか性別とか全部吹っ飛ばして好きになった相手ですし?

ジェイドはイケメンだし、頭はいいし、飛行術以外の運動もできるし、料理も出来るし、紅茶もうまい。

健全な男子高校生ということでやることもばっちりやっちゃってる

オスの象徴はデカいし、初めてだってのにちゃんと陸式のやりかた勉強してくれて、初日からきゃんきゃん鳴かされたし?

どっからみても完璧だし来世も付き合おうねなんて言い合うくらいのバカップル。だけど、不満がある

その大きな不満は、大きな不安になって、そのまま俺のコンプレックスになっている

ただ今の俺はジェイドの部屋で、長身の人魚に押さえ付けられてベッドに転がっている

いつものニコニコ澄ました顔はどこへやら…牙を剥き出しにして見下ろす顔はまさにオスって感じ

あぁ、やりてぇって顔。その顔は結構好き。だけど、今はコンプレックスもあって乗り気になれない

ゆっくりとシャツのボタンを外してくるジェイドの手を掴む

「ジェイドさぁ、俺とえっちする時、俺が声我慢した方が興奮してるよね」

「ひゅっ…がはっごほっ」

俺がそう言うと、ジェイドは何も飲んでいないのに盛大に噎せた

「な、なんですって?」

「だからさぁ?俺の喘ぎ声、気持ち悪いわけぇ?」

最近の俺の不満にしてコンプレックスの原因……ジェイド・リーチ君は性行為の時、俺の喘ぎ声が聞こえない方が興奮してるっぽい

あんま好き勝手喘がされるのが面白くなくて何とか喉を締めて歯を食いしばるんだけど、そうすると瞳孔かっぴらいてめっちゃ激しくされんの

男の喘ぎ声なんてそりゃ聞き苦しいかもだけど、そう露骨にされると俺もショックっていうか…傷つくって言うか…

「なぁ、やっぱヤるなら女の子の方が良い?」

「どうしてそうなるんですか…」

噎せたせいで涙目になりつつ、口元にハンカチを当てたジェイドがこちらを見る

「僕は好きでもない相手とそういう行為をしたいとは思いません」

あなたがメスだとかオスだとか、そんなことは些細なことです。とジェイドは真剣な目で語る

「魚の中には、成長途中で性別の変わるものもいます。その程度で弊害になんてなりません。」

「ジェイド…」

俺は感動した。ジェイドはとても優しく微笑む

が、肝心な所が一切語られてないことに気が付き、真顔になる

「じゃあなんで声我慢させたがるわけ?」

「…ちっ」

「お前、ちょっといい話で流そうとしただろ。わかってんぞ。こっち向け。お得意の泣き真似はどうしたよおい」

ジェイドはハンカチをポケットに入れ、俺の胸元に顔を埋める

ジェイドの顔が見えなくなる。唯一見えている耳に朱が差していた

思わず目を丸くしてしまう。珍しいの。ガチで照れてる時の奴じゃん

「…笑いませんか?」

「笑うような理由なの?」

「………。」

ジェイドがちらりとこちらを見上げる。なんか拗ねたみたいな、いつもと違う余裕のない顔。珍しいの。

多分これは、俺から腹を割らなきゃならんのだろうなぁ

ジェイドの髪をくしゃりと撫でる。さらさらと指通りが良くて、ちょっと海っぽい匂いがする

オッドアイがうっとりと細められる。この人魚、ちょっと行動が猫っぽいんだよ

「あー、そのね、俺、ジェイドに嫌われたくねぇの。喘ぎ声キモイとかって思われてたら、結構ショックなわけ」

ジェイドがもぞりと動く。ちょっとはだけたシャツの隙間に髪が当たって擽ったい

ジェイドはじぃと窺うようにこちらを見つめている。

「その、サイアクえっちの時は声が出なくなる魔法薬でも飲もうかと思って」

「それは困りますっ!!!」

「そこ即答なの?!」

ガバッと勢いよく体を持ち上げたジェイドが、俺の背中を折る勢いで抱き締めてくる

「…はぁ。白状します」

ジェイドの顔を見たいのだが、抱き締める力を緩めてくれない。多分、顔隠したいんだろうな

ジェイドは格好つけたがりで、あまり俺に余裕のないところを見せたくないらしい

「オスらしくスマートにリードしたいんです」とのことだ。俺もオスなんだけどな、一応。まぁ、恋人のそういうちょっと面倒臭いところも可愛く思えるってのが愛だよな。うん。

「その、あなたが声を堪える際、喉を締めるでしょう?」

「無意識だからよくわかんねぇけど、それがなんなの?」

「えっと、だから、……あなたが喘ぐのを我慢している時の声が、人魚の求愛に似てるんです」

「………へ?」

少し身体を離し、ジェイドと向き合う形にされる

恋人の人魚は少し赤い頬でキュッ!クゥッ!と喉を鳴らしてみせた

物騒な見た目と仔犬の甘え鳴きのような可愛い声とのギャップに、思わず驚いてパチパチと目を瞬いてしまう

「…今の、人魚の求愛鳴きなの?」

「そうです。あなたが無意識に僕たちの求愛のような声を漏らすのが愛らしくて…不安にさせるつもりはなかったんです」

「あー…」

あまり思い出したくはないが、確かに声を我慢してるのに無理やり喘がされた時って「くっ…んっ…」みたいな高音の声が漏れちゃうって言うか…

確かにちょっと似てんのかも…

「…でも、なんで隠そうとしたわけ?」

「伝えたら、恥ずかしがって一切声を漏らさないようになるかと思って…」

「んんんん…」

否定しない俺を見つめ、ジェイドは赤い頬でキュルクル鳴き続けている

え、なんかちょっと不貞腐れた顔になってるけど、なんなの?俺が悪いの?

「…可愛いな、それ」

「…あなたの方が可愛いです」

ジェイドは子猫のように俺の頬に自分の頬を擦り合わせる。ジェイドの肌はキメ細やかでスベスベしている。何時間でも触れていたくなる

頬の感触にうっとりしていると、またギュッと力強く抱き締められる

「と、言うわけで…不安にさせてしまったお詫びに、今日は沢山鳴かせて差し上げますね」

「へ?…んあっ!…やぁ…」

するりと下着の中にジェイドの長い指が滑り込み、窄まった入口をゆっくりと撫でる

3日ほど前にも限界まで開かれたそこは、あっさりとジェイドの指を飲み込んでくちゅくちゅと水音を響かせ始めた

「…んっ!…んんっ」

癖で声を抑えようとすると、ジェイドはうっそりと目を細めて

「僕も愛しています」

と囁いた

この後俺は、ジェイドの宣言通りドロッドロに愛されることになる

「…はぁ…本当に可愛らしいっ!…はっ…もっと求愛してっ…もっと鳴いてっ!……くっ……もっとボクを感じて下さい!」

メスの方がいいのかなんて二度と言わせません。勘違いさせません。不安にさせません。だから安心して!ボクに愛されて!

そんな呪いのように甘い言葉を喘ぎ声の間に囁かれながら、腰が抜けて立てなくなるまで愛でられましたとさ

ちなみに、この日を機にめちゃくちゃ求愛鳴きされるし、させられる様になった。まぁ、ジェイドが幸せそうだからなんでもいいよ



☆☆☆
実は「なぁ、やっぱヤるなら女の子の方が良い?」と言われたのがショックだったジェイド君

この後どちゃくそぶち犯すし、アズールから土日休みもぎ取ってスイートルーム貸し切って滅茶苦茶求愛しながらメロメロにしてやった

オネダリする時に♂主君自ら「きゅぅ」って求愛鳴きの真似をしてくれるようになったのでとても嬉しいです!ぶち犯します!

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