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ジェイドはニッコリと微笑みながら

「Strip(脱げ)」

とCommandを出した。監督生の肩がビクリと震える。今まで出されたことの無いCommandだ

戸惑いに揺れる瞳とは裏腹に、その手はゆっくりとDomの指示に従いシャツのボタンを外し始める

元の世界で信頼出来る友達やカウンセラーとPrayを行うときは、Come(来い)とSit(座れ)くらいしか出されたことがなかった

ちなみに、イデアやフロイドが使用したKneelはただ座るのではなく跪けと言うニュアンスも含まれる。なので監督生は指示をされると床にペタンとへたり込んでしまう。

服を脱がされ、どんな目に遭わされるのだろうか。監督生はつい指示に従ってしまう身体を少し恨めしく思いつつ、不安そうにジェイドを見つめる

「ふふふ、そう怖がらないで…下着まで脱げとは言いませんし、下着に隠れる部分には決して触れないとお約束します」

「……。」

「不安がり恥じらいつつも指示に従うあなたは、とても可愛らしいですよ。」

「んぅ…」

自分で服を脱ぐ屈辱と見られている羞恥心で赤くなった頬に、また違う赤みが差す

褒められたことにより、Subとしての本能が疼いてしまったらしい

フロイドが「虐めたくなってヤバかったし、超可愛かったぁ」と言っていた意味がわかる気がする。とジェイドはシャツを脱ぎベルトに手をかける監督生の観察をしつつ思う

自分の一言で相手が翻弄されるのは見ていてとても気分がいい。征服欲と支配欲を満たしてくれる

指示が不本意であっても従わずにはいられないSubの抗えない本能に溺れる姿も、ほんの少し褒めてやるだけで頬を赤らめて甘い声を漏らす健気さも、とても可愛らしい

服を脱ぎ終わった監督生は、ジェイドを期待と不安の入り混じった瞳で窺っている

「よく出来ました。Good」

「あぅ」

監督生は褒められただけで腰が砕けてしまいそうになる。低い声がなんだかとても腰に響く

下着は脱いでいないとはいえ裸同然の格好を晒す…そんな状況に、認めたくはないが普段のPray以上に興奮している自分がいる

監督生は涙で潤んだ目で次の指示を待つ

「監督生さん、Come(来い)」

覚束無い足取りで、ふらふらと光に誘惑される虫のようにジェイドの元へ辿り着く。短い距離なのにはぁはぁと息を切らせてしまっている姿は、どう見ても発情している

あぁ、虐めたい。縋り着いて泣いてくるまで焦らして、なんならSub dropさせてやりたい。自分の手で乱れさせて深くまで突き落としたい

そんな欲求がジェイドの内側から湧き上がる

「いい子です。想像していたより肌が白くて綺麗ですね、触っても?」

「…はい」

ジェイドは監督生の腹にそっと指を滑らせる。

雑用で走り回っているためか、食費を切り詰めているためか…筋肉質とは言えないが、贅肉の付いていない薄い腹がジェイドが指を動かす度ピクリと動く

触れるか触れないかギリギリの戯れが擽ったく、監督生は身を捩る

一説によると、人間の身体で擽ったさを感じる部分は性感帯となりうるそうだ。

「んぅ、」

鼻にかかった甘ったるい声が溢れる。

「擽ったいですか?ふふ、逃げてはいけまけんよ」

「っ、はい」

Subを縛り付けるのはCommandだけでは無い。直接Commandを出さずとも、二人の間でそれが指示として成立すればSubは従ってしまう

ジェイドに逃げるなと指示された監督生は、その指がするすると太ももを撫でてもパンツの縁をなぞっても目をギュッと閉じてただ耐えた

擽ったさの中に妙な感覚を覚えてしまって、時折窺う様にに開かれる目は潤み、口からは喘ぎ声のようにぁ…ぅ…と母音が漏れる

自然と内股になり、もじもじと腰が揺れる

「ジェイド先輩、立って、られないです…」

はふはふと浅い息を吐き、すっかり出来上がってしまった様子を見つめて、ジェイドは満足そうに微笑む

「ふふ、素直ないい子です。さて、バスルームへ移動しましょうか」

立っているのもやっとな監督生を抱え、バスルームへ移動する

「何を、するんですか?」

「あなたにとって、気持ちがいいことしかしませんよ」

するりと太ももを撫でると、監督生はビクビクと身体を震わせた



「ひぅっ、うう」

ジェイドは決してルールを破らなかった。監督生はそれが逆に辛く、あんなルール追加しなければよかったと後悔する

あんなルールとは、フロイドとのPrayの後に付け足した「性行為、及び性器に触れることを禁止する」だ

直接的な刺激が無い分、いつまでも解放されない熱が体の底にどんどん蓄積されていく

「これはヴィルさんにもご愛用して頂いている、アズール作の化粧水を更に改良したもので、ムダ毛や角質を溶かす成分が入っています。まだ開発段階の試供品ですがね」

水の張っていないバスタブに身を預け、後ろから抱え込んだ監督生の耳元で、ジェイドは優しく説明する

真っ赤な耳に吐息がかかる度、監督生は小さく身体を跳ねさせ震える息を吐き出す

ジェイドは小瓶からとろみのついた液体を手のひらに出し、監督生の身体を揉みほぐしながら塗り広げていく

ジェイドの大きく骨張った掌が指先まで丁寧に化粧水を塗り込む。

粘度のある液体のせいか、その手つきのせいか…身体中を好き勝手に舐め回されているかのように錯覚してしまう

先程撫で回され敏感になった身体に与えられる刺激が辛い。監督生の欲が持ち上がり、唯一身に纏っている下着がテントを張ってしまっている

パンツの一部が水気を吸って濃くなっているのを見つけ、抵抗することもソコに触れることも禁じている当の本人であるジェイドは少し笑う。

随分と無防備で素直な身体だこと。本当にいじめ甲斐があって下腹に良くない子だ

「あ……んっ…ジェイド、先輩…」

「あぁ、そんなはしたない表情で僕を見ないでください。可愛らし過ぎて食べてしまいたくなります」

「はふっ…うぅ…」

ジェイドはパンツの下には決して触れなかったが、内腿やへそ周りといった敏感な場所に執拗に化粧水を塗り込む

監督生すら知らなかった性感帯から快楽を引きずり出し、時間をかけてゆっくりと追い込んでいく

「ビクビク跳ねて、小魚のようで愛らしいです…白くてキメの細かい肌がとても綺麗だ…噛み跡を付けて、僕の所有物だと主張したくなります」

「んんっ…」

首筋を撫でながら褒めてやれば、監督生は脱力しきってジェイドに身を任せて沈んでいく

「あぁ、本当に愛らしい…」

獲物を手にしたウツボは歯を剥き出しにして、凶悪な顔で笑う

「次はもっと、あなたの恥ずかしい部分を見させて下さい」

たっぷり時間をかけて、ジェイドは監督生が何も考えられなくなるまで遊び尽くした



「監督生さん、終わりましたよ」

夢現の様子でぼんやりとしている監督生にジェイドは優しく声をかける

虚ろな目がゆっくりとジェイドを見上げる

散々弄ばれた身体は熱っぽく、監督生はぬるま湯に浸されていたかのような快楽から中々戻ってこられないようだ

ジェイドはクスクスと腕の中の監督生を見下ろして笑う

「監督生さん、ルールではPray中は「性行為、及び性器に触れることを禁止する」ということでしたが、Prayが終わった今、そのルールは適応されません。もしよろしければ」

ジェイドはするりと下着越しのそれを撫でる。先程からずっと主張しているそれに触れられ、腰がピクリと跳ねる

「お手伝い、致しましょうか?」

「………、」

悪魔の誘いだ。普段の監督生であれば、ニヤニヤ笑うジェイドの魂胆に気が付きすぐに断っただろう。

しかし、ひたすら快楽に侵されていた脳はその誘いを断るほどの理性を捨ててしまっていた

「お願い、します」

監督生は欲望でドロドロになった瞳でジェイドを見つめる

計画犯は甘く甘く微笑んで

「お任せ下さい」

と監督生の下着を剥ぎ取った



☆☆☆
フロイド「くっそ可愛かったでしょ、小エビちゃん」

ジェイド「ええ。たっぷり可愛がらせて頂きました。とても満足です」

アズール「ジェイドとのPray後に戻ってきた監督生さんがやたらぐったりして寝ていますが、一体何をしたんです?」

ジェイド「出なくなるまで絞りました。」

フロイド「何を?」

ジェイド「ナニを。」

アズール「ナニを…」

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