神に反しても愛してる
レオナは組み敷いたハイエナのシャツのボタンをひとつ、ひとつとゆっくりと外していく
少しづつ露わにされる肌に、レオナの少し荒く熱っぽい吐息がかかる。擽ったくて身をよじると、くくっと低い笑い声が降ってきた
「なんだ?もぅ感じてんのか?」
「…擽ったい、だけです」
自分を見下ろすライオンの翠の瞳がすっと細められる。余裕綽々の捕食者の目だ
ボタンを外し終わったシャツをはだけさせ、ハルトの腰あたりに跨ったまま自分の服を乱暴に脱ぎ捨てる
あぁ、今日もこれからこの人に抱かれる。そう思うだけで素直な下半身がズボンを持ち上げようとする
先走りでシミができてないと良いんだけど。と思いつつ少し足をモジモジ動かすと、レオナがまたくくっと笑った
褐色の指が気紛れにつー…と腹を撫でる。それだけで息が乱れそうになる
レオナは控えめに主張しているピンク色の突起に指を伸ばしてピンと弾いた
「あっ」
「もう勃ってんな」
レオナは突起を摘んで転がしてやる。優しい愛撫より、少し乱暴にされる方がこのハイエナは好きなのだ
一体誰のせいでこうなったのやら。とレオナは優越感に浸りつつ喉を鳴らす
「んん、んっ…レオナ…」
鼻にかかった甘い声を堪えようとするハルトを見下ろし、ライオンは舌なめずりした
ハルトは見上げた獅子の眼差しに、クスクスと笑う。俺なんかに欲情しちゃって…と胸に広がる優越感と背徳感
「ねぇレオナ。ハイエナってね、最近まで両性具だと思われてたんですよ」
「あぁ?」
「雌にちんこあるでしょ?んでね、雄は何故か肛門線がとっても発達しててすぐ刺激で潤っちゃうんです」
「はっ」
そりゃシやすくていいなぁとレオナはハルトのズボンとパンツを剥ぎ取る。
すでに半勃ちのそこをイタズラに撫でると、ハイエナはクスクス笑いつつ身を捩る
「あっ……んんっ…もぅ意地悪、ですよねっ」
「好きだろ?」
「ふふっ。…だから、悪魔、なんて呼ばれてたりして。嫌われ者なんですよ、ハイエナって」
「そうかよ。…うつ伏せになってケツ上げろ」
レオナは急に雑談を始めたハルトに律儀に答えてやりつつ、腰に手を回す
ハイエナは素直にうつ伏せになって枕に顔を埋め、自分で腰を高く上げる。発情する部分を見せつけるようなこの姿勢にさせるのがライオンはお好きだ
欲しがりでひくつく尻穴も、期待してヨダレを垂らす肉棒も同時に鑑賞できる
急所を晒させて、それでもなお抵抗をみせずに身を任せ切っているハイエナを見下ろすのが何よりも好きだ
自分の指を舐めて湿らせ、晒された蕾にゆっくりといれる。またハルトは少し甘い声を上げた
「んんっ。ちなみに、…あっ……雄の同士の交尾は…うぅ…宗教的にご法度」
「んなの、関係ねぇなぁ」
「レオナがだーいすきなバックも、……んあっ……はぁ…獣の交尾を、連想させるから……くっ……神様に怒られるんですよ」
「それがどうした?そもそも、俺たちは獣人だ。半分獣みたいなモンだろ」
「ふふ、レオナって、物好きだよね」
ライオンなのに。王族なのに。王子様なのに。
「俺の事なんか、好きになっちゃって」
指が引き抜かれる。
「あっ」
ほんの少しの喪失感と寂しさのあと、入口に宛てがわれるかたくて熱いもの。指とは比べ物にならない大きくて太いそれ
ハルトは唾を飲み込む。この意地の悪いライオンは、あまり慣らさないで自分の猛ったそれでこじ開けるのが好きだ。
これから訪れるであろう少しの苦しさと快楽に期待して鼓動が早くなる
「言いてぇことはそれだけか?」
レオナは御託を並べるハイエナがまた余計なことを考えられないように、ズブリと勢い良くそれを穿った
ハルトの背がしなる。
「あぁぁっ!!…んん、いきなり奥までは、キツい…ふぅ…ふぅ…」
「はぁ…力抜け…」
「やってます……ひぅん!!」
何とか息を吐いて後ろの穴を緩めようとするが、それを邪魔するようにレオナの手が好き勝手に身体を弄び、腰を打ち付けて前立腺を押し潰す
じゅぷっ…じゅぷっ…とわざとらしく音を立てて、ゆっくり、しかし確実にハルトの弱い場所を責め立てる
「あっ…あぅっ…レオナ…、ちょっと、待って…、レオナっ」
無防備に晒された項に噛み付いて、腹につくほど持ち上がったそれを掴み、尿道に爪を立てるようにいじめてやる。光が炸裂するように目の前がチカチカする
「待って…、れおな…んあっ……きゅうぅっ、きゅっ」
ハルトの耳がぺたりと垂れ、喉から獣の甘え鳴きのような声が漏れ始める
「やっと素直になったな。」
レオナは笑って、ハルトの腰を掴んで一心不乱にイイトコロを責め立てる
愛し合う関係も両手で数え切れないほどだ、どこをどうすればこのハイエナの理性が飛ぶかなんて分かりきっている
枕にしがみついて快楽にヨダレを垂らしつつ、レオナに合わせて腰を振るハイエナのしっぽの根元をトントンと指で刺激する
「きゃうっ、きゃうう、きゅううう」
「ここが好きだろ?余計なこと言ってないでさっさと堕ちてこい」
レオナは喉を鳴らして笑う。
この馬鹿なハイエナは、この関係を続ければレオナの人生を狂わせると思っている
そんなものどうだっていい。どうせ望んでも得られない王座も、居場所のない国も、欲しいならくれてやる
俺が選んだのだ。この馬鹿で何も持ってないハイエナを好きになって、傍に置きたくなって、離したくなくなった
それだけの話だ。
「おら、さっさとイけ」
「きゃううううっ!!」
ハイエナの中に欲を放ち、奥へ奥へと擦り込むように掻き混ぜる
ハルトもシーツに白濁をぶちまけ、ぐったりと沈む
「何へばってんだ?まだ始まったばかりだろ?」
「ひぅっ…んぅ…、体力馬鹿」
「あぁ?」
「キャン!!」
レオナはハイエナの尾を引いて笑う
「俺だけのことを考えて、さっさと堕ちてこい」
☆☆☆
何も吐き出せなくなるまで愛し合い、微睡んでいた時だ。ベッドに腰掛けた獅子は長い尾でハルトの頬を撫でて急にクククと笑った
「卒業したら、旅に出るか?」
「へ?」
「国を出て、立場も捨てて、…お前だけを連れて」
獅子が笑う。風に黒い鬣を靡かせて、凪いだ翡翠の目を細めて。
ハイエナは少し驚いたように目を見開いて、しばらく瞬きを繰り返す。
「聞いてんのか?ハルト」
「…レオナって、物好きだよね」
ハイエナは獅子を見上げ、透き通った目を細めて笑った
「誰も認めやしないのに」
「俺が決めたんだから」
それで良いんだよ、ばーか
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[mokuji]
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