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「あ、その、人前でやるようなものではないので…」

今日は失礼しますね…と逃げる前に

「んじゃ俺の部屋いこー!!」

と荷物の様に肩に担がれ、フロイドの部屋に連れ込まれた

アズールが飛び出すフロイドに押し付けたダイナミクスについて纏めた紙に一応目を通してはくれているようだが、正直不安しかない

Prayの途中で飽きたーなどと放り出されては困る。Prayは楽しむ目的で行うことも多いが、監督生にとっては体調管理が優先なのだから

「フロイド先輩…、その」

「ちゃんとルールみたし、可愛がってあげるねぇ?小エビちゃん」

「…お願いします」

ニコニコしているフロイドを見上げあ、説得は無理だわ。と監督生は悟る。

フロイドの中でPrayをすることは決定事項のようで、Commandを念入りに確認している

諦めてPrayを受けるしかなさそうだ。

「その、セーフワード…」

「redでしょ?大丈夫大丈夫。」

フロイドはヒラヒラと手を振って笑い、Commandの書かれた紙をポイと投げる

自分はベッドに腰かけ、部屋の入口で立ち尽くしている監督生を見つめる。

「じゃあ始めるね」

「はい。お願いします…」

「小エビちゃん、Kneel(座れ)」

「っ!」

急に支えを失ったようにぺたりと座り込む様子に、フロイドはオッドアイを細めて歯を見せ笑う

監督生は不快感なくスッと身体に馴染んだCommandに少し気持ちがついて来ず驚く

元の世界にフロイドが居れば、高ランクのDomに分類されるのかもしれない

「演技じゃなさそー。だいなみくす?とかっての、マジなんだねェ。可愛い。Come(来い)」

「はい…」

指示されたとおりに四足で這って行き、長い脚の間に収まると、フロイドは機嫌を良くしてぐしゃぐしゃと頭を撫でる

イデアとは違う乱暴な手付きだが、見上げた顔が純粋に嬉しそうに緩んでいて、監督生も思わずふにゃりと笑ってしまう

甘やかされるPrayを好む監督生だが、支配されたい欲求が強く渦巻く

「いい子ぉ。かわいーね、小エビちゃん」

「ん、嬉しい」

「褒められて気持ちいいんだァ。なんか、俺も嬉しくなっちゃう。変なの」

トロトロに蕩けてしまいそうな表情を見下ろし、フロイドは髪を撫でる手を止め、監督生の口元に指を差し出す

「じゃあ次。Lick(舐めろ)」

「んっ」

あまり慣れないCommandだが、フロイドに応えるためにおずおずと舌を伸ばす

「ちゃんと咥えて?」

「はひ…」

望まれるまま口に指を含み、舌を這わせる

チュプチュプと軽い水音が響く

フロイドは自分を潤む瞳で伺いつつ、懸命に慣れない指示に従おうとする小エビに優越感と愛しさを覚える。あとほんの少しの加虐心

フロイドは監督生の顔を見下ろしつつ、グイッと喉の奥へと指を押し込む。突然の暴力的な刺激に嘔吐感を覚えた監督生は

「うぐっ!」

と呻いた。目から生理的な涙が零れ落ちる。舌が指を押し出そうと蠢く。それでも噛まなかったのはSubの意地だろうか。

フロイドは口の端を持ち上げつつ、今度は手のひらを返して上顎を優しく指先で擽る

「あ、あぅ…ぅ…」

監督生の口から喘ぎ声が漏れる。涙と共に唾液が口の端から零れ、フロイドのズボンにシミを付ける

すっかり快楽に惚けてしまっている様子の監督生に顔を近づける

「気持ちいい?小エビちゃん。ベロ、止まってる。」

「いぅっ!」

フロイドは舌を掴み、引っ張り出す

「あっは!ちっせぇし短いね、小エビのベロ。もっと引っ張りたいけど、痛いのはダメだもんねぇ」

無理矢理舌を引き出された監督生は、飲み込めない唾液を零しながらフロイドを見つめる。

「あぅ…ふろいろ、へんはい」

「オレ、舐めてって言ったのにサボっちゃダメじゃん……これはお仕置。小エビちゃん、ちゃんと俺の言うこと聞けるよね?」

「ひゃい…ごめんらひゃい」

引っ張り出した舌先を軽く噛んで、フロイドはにっこり笑う

「もう1回同じCommand出すから、ちゃんと言うこと聞くんだよ?」

舌を離すと、監督生はこくこくと頷く。

かわいー。あー、泣かせてぇ。虐めて虐めて、最後に可愛がって依存させてぇ。

フロイドは内側から溢れてくる欲望を唾と共に飲み込む。

「Lick(舐めろ)」

監督生はDomを失望させまいと先程より必死に、媚びるように音を立てて舐める

「必死だねぇ小エビちゃん。いい子いい子。俺の指舐めてメロメロの小エビちゃん見てると、俺も興奮する。可愛いねぇ」

フロイドは身体を丸めて、監督生の額に軽くキスを落とす

「もういいよ、よく出来ました」

「はひ…」

監督生の口から指を引き抜く。銀色の糸がプツリと切れる

「小エビちゃん、ぷれいすると本当に気持ちよくなっちゃうんだねぇ」

フロイドはそう優しく声をかけ、汗ばんだ額に張り付いた前髪をどけてやる。監督生の目がうっとりと細められる

「ここ、こんなになってんじゃん」

「あうっ!」

フロイドの足がすっと股間を撫でる。思わず腰を浮かせて身を引こうとするが、フロイドは

「Kneel(座れ)」

と一言Commandを出した。監督生は抵抗出来ずに再び床に座り込む

フロイドの膝をかぷりと噛んで快楽に震えつつ耐える監督生を追い詰めるように、大きな足がゆっくりと刺激を与え続ける

「んんっ……うっ…」

「気持ちいいねぇ、小エビちゃん。ちゃんと我慢して座ってるの、えらいねぇ。」

フロイドの指が、汗ばんだ首をスルスルと撫でるように滑る。

「ひぅ…んっ…」

監督生はフロイドのズボンを唾液で湿らせつつ喘ぐ。

気持ちいい。加虐心に揺れる瞳が自分を捉えて離さない。優しく甘い声色が思考力を溶かしていく

快楽にどっぷりと溺れてしまう…

ふっふっと呼吸を荒くしている監督生の髪を撫でて、フロイドは金とオリーブの瞳を細めて笑う

「小エビちゃん、ルールには性行為はしないって書いてあったけどぉ」

性行為の定義をちゃんと決めておかないから

「こうやって食べられちゃうんだよ?小エビちゃん♪」

フロイドは足に力を入れ、監督生のそれをぐいっと踏み付けるように刺激する

「んうぅぅぅ!!」

欲を吐き出した監督生はぐったりとしてズボンから口を離す

「はぁ…はぁ…」

「よく出来ましたァ」

フロイドに抱き上げられ、力いっぱいハグされる。監督生は解放感に身を任せて意識を手放した



☆☆☆
Pray後、フロイドが後処理をしてくれたらしい。気が付くとシャワー後でホカホカの身体に大きなシャツとブカブカのハーフパンツを着せられていた

「パンツは新品だから安心してねぇ」

ご機嫌なフロイドに抱えられ、再び訪れたVIPルームで待ち受けていたのは

「フロイドは受け入れたのに、ボクはPrayさせて頂けないんですか?シクシク」

「僕も正直、ダイナミクスとやらに興味があります。」

長身な男の泣き真似と優雅に腰かけた男の胡散臭いにっこり笑顔だった

「そうなりますよね…」

「小エビちゃん、ちょー可愛かった!次やる時えっちありにしよーよ!」

「ん”ん”ん”っ!」

監督生の受難は続く。



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