拐かし

あてんしょん
性別不明のままちょっとH入ります
好きに解釈して下さい




「あー…角生えてるってことは妖精族かなぁ」

最近オンボロ寮の近くでよく会うツノ太郎の話しをした時、エースは頭の後ろを掻きながら眉間に皺を寄せた

デュースも少し困った顔で

「アイツらは怒らせても気に入られても厄介だぞ。」

と続ける

「そう?別に良い奴だけどな、ツノ太郎。」

「…外でちょっと会うくらいならいいけど…。妖精族ってすぐ拐かすから、あんま気軽に返事したり受け入れたりすんなよ。」

やべぇことになっても知らねぇぞ。そう珍しく真剣な顔で忠告された事等、すっかり忘れていた



「…ツノ太郎?」

「あぁ、僕だ」

真夜中にノックの音が聞こえ、寮の入口まで様子を見に行くと、ガラス越しに大きなシルエットが映る

「こんな遅くに誰かと思ったよ」

お化けだったらどうしようかと思った。と笑いながら監督生は扉を開ける

マレウスは少し微笑んで

「すまない、少し顔が見たくてな」

と言った

「ノックなんかしなくても、勝手に入ってもいいのに。今日はグリムはハーツラビュルに泊まりに行ってて、ボク一人なんだ」

監督生はマレウスを招き入れるように半身引くが、マレウスは敷居を跨ぐことなく立っている

「どうぞ?お茶くらい出すよ?」

監督生は何も言わずに自分を見下ろす男を見上げ、不思議そうに中へ入るように促す

マレウスはにっこり笑って、敷居を跨いだ。



オンボロ寮の談話室にて

「ふむ。何度も話しはしたが、招かれたのは初めてだったな」

監督生がいれた紅茶を飲みながら、マレウスは機嫌よく言う

多少片付けられたとはいえ、他の寮と比べて汚い…散らかったオンボロ寮の一室にいるマレウスは浮いて見える

監督生は自分の分もカップに注ぎながら

「そうだっけ?」

と首を傾げて少し笑った

「そういや、外で散歩しながらは話してたけど、中に来てもらったのは初めてだっけ?」

「あぁ。」

マレウスは監督生の紅茶を指差した。指先から光の粒のようなオーロラの様なものが出てきて、カップの上に渦巻く

そしてキュッと丸く収縮すると、カップの中に落ちていった。タプンと音がして、キラキラ輝きながら紅茶が波打つ

「わぁ、綺麗」

「招かれた礼だ。飲んでみろ」

「今の魔法で味が変わったの?」

「飲めばわかる」

マレウスは口元に手をやってニヤリと笑う

監督生は躊躇いなくカップに口をつけた

「わ!甘い!美味しい!」

「ふふ、そうか。」

あっという間にカップの中身を飲み干す

マレウスはそれを見つめて、満足そうに微笑んだ



「んうっ!!」

監督生は下半身の違和感で目を覚ました

何かが下の口から腹の中へと侵入し、自由に動き回る

「な、なに?…んっ!」

「目が覚めたか?」

「つ、ツノ太郎?」

監督生は自分を見下ろす男を呼ぶ

「マレウスだ。」

「まれ、うす」

「そうだ」

マレウスは穏やかに笑って指を動かす。監督生の身体がビクビクと跳ねた

「あっ…!」

マレウスは優しく解すように監督生の中の刺激を続ける。何故か身体に力が入らず、抵抗することも逃げることも出来ない

「つの…マレウス、何をして…」

紅茶を飲んだあとの記憶がない。気が付けばベッドで一糸纏わぬ姿になっているし、恐らく何かしら仕組んだであろう男は楽しそうに見下ろすだけだ

「ここか?」

「あぁぁ!!」

マレウスの指がある一点に触れると、監督生は思わず声を出して仰け反る

「ひっ…やだぁ!…そこっ、やだぁ!!」

「嫌か?随分と気持ち良さそうに見えるが」

「ひぁっ!…イクッ!!」

ビクビク身体を震わせ、荒い呼吸を繰り返す監督生を愛おしそうに目を細めて見つめ、マレウスは笑う

「お前は僕を中へと招いたな」

「……?」

マレウスは監督生の顔を覗き込み穏やかな声色で続ける

「そして、僕の「祝福」を飲み干したな」

「…紅茶の、魔法のこと?」

「そうだ」

脱力している監督生を抱き上げ、優しく腕の中に閉じこめる

「あとは、僕を受け入れてくれ。契りを交わそう」

マレウスの手が、監督生の腹を撫でる

「…受け入れるって、まさか、」

監督生は臀部に押し当てられたそれに顔を青くしていく。

「Hするってこと?」

見えないが、押し当てられているそれはかなりデカい。

「アレを飲んだお前なら問題ない。一応慣らしておいたが」

「ま、まってマレウス!なんでいきなりこんな事を」

「……。」

マレウスは監督生をゆっくりベッドへと戻した。

カチャカチャとベルトを外しズボンを下ろして、猛ったそれを取り出す

「元の世界へ帰るという願い以外なら、僕が全て叶えよう。全て与えられる。」

「マレウス…?」

監督生は不安そうに、覆い被さる男を見上げる

マレウスは口を裂けさせて、捕食するように顔を近づける

「僕を、受け入れてくれるな?」

下の口に、それが宛てがわれる

監督生はしばらく怯えて黙りこくっていたが、男の目も不安そうに揺れている事に気が付き、少し笑った

ここまで勝手にしておいて、返事を貰うまでは挿入する気は無いらしい

変なところで律儀というか、一応こちらを尊重してくれているようだ

監督生は少し悩んで、おもむろに口を開く

「…1人ではダメでも、2人で元の世界に行けるってなったら、里帰りに付き合ってくれる?」

「……それなら許可しよう」

「ははっ、なら、いいよ。」

監督生は笑う。甘えたい子犬のように切ない顔をしている男の頭をうまく動かない腕を持ち上げて撫でる

「ボクでいいなら、受け入れるよ」

マレウスは

「ありがとう」

と蕩けそうなほど優しく微笑んで、ゆっくりと監督生の中に自身のそれを収めていく

少しでも痛くないように、怖くない様に…自身のそれが奥まで入り切ると、ぎゅうと抱きしめて額にキスを落とす

「これでお前は、僕のものだ」

マレウスはとても幸せそうに、満足そうにそう言った



「マレウス…身体中痛くて動けない…。今日はマレウスがボクの事運んでよね…」

監督生は掠れた声で、隣で寝ていた男にそう言った

初めこそ優しくしてくれていたが、途中で理性が飛んだらしいマレウスに噛まれたし、好き勝手腰を振られた

身体中キスマークも大量に付けられている。鏡を見ていないからハッキリとは分からないが、服で隠れないところにも付けられている気がする。

独占欲が強過ぎるのではないだろうか。

「あぁ、可愛い番の言うことだ、何でも言う通りにしてやろう」

マレウスは身体中を確認している恋人に啄むようなキスをし、微笑む

「そういや、祝福ってなんだったの?」

紅茶のやつ。とキスマークを数えながら監督生が尋ねる

マレウスは監督生の下腹に指を這わせ、ニヤリと笑った

「僕を受け入れる準備だ。通常の人間が僕と交わると、力の差で死ぬ場合がある」

「…抱き潰すってこと?」

「体力がそもそも違うからな、そういう意味もあるが…うっかり魔力を注いでしまったり、元の姿に戻ってしまう可能性もあるからな」

しれっと言われ、監督生は少し顔を青くする。妙な状況で考える間もなかったが、結構命の危機だったのでは?

「あと、性別や種族に関係なく孕む様になる」

「……は?」

ゴムなんて付けてなかったし、思いっ切り好き勝手ズコバコやられてた気がするのだが…

バッと自分を振り仰いだ監督生をみて

「今回は僕の魔法で避妊したから大丈夫だ。」

と、マレウスは少し意地悪く笑った。監督生を抱き上げる

「しかし、お前はいつでも僕の子を孕む準備が出来たということだ」

「そういうことは事前に言って下さいよ…」

呆れたようなむくれた様な表情をした監督生に、マレウスは不思議そうに

「僕は何一つ強要してないぞ?」

と言った

「全てお前から受け入れたんだ。」

マレウスは笑う

「だから僕とお前は契ることが出来た」

意味がわからず首を傾げる監督生に、マレウスは頬を寄せて幸せそうにする

「だからお前は僕のものだ」









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