アクアリウム

フロイドは面白いものが好きだ

それは陸で初めて手に入れた足だったり、予想のつかない出来事だったり、人との出会いだったり

イソギンチャクやフジツボなんかとは違う、目まぐるしく変化する様々なことがフロイドを楽しませる

最近フロイドが好きなのは、恋人の表情の変化を見ることだ

もとよりキレやすいリドルをからかったり1年生達を気紛れに追いかけ回して遊んでいたが、特に恋人のハルトを怒らせることが楽しいらしい

表情豊かですぐ笑いすぐ泣き、すぐ怒る。でも、怒ってもフロイドを邪険にするでも嫌うでもなく傍にいる

フロイドにとってそれは不思議で面白くて、なんとなく心地よいものであった

束縛を嫌う彼であるが、ハルトには多少(彼なりに)譲歩してやっているようだ

そんな恋人を自室に連れ込みフロイドは小瓶をチラつかせて笑う

「ジェイドがこの前さぁ、番でも無いやつに媚薬盛って交尾に持ち込んだんだよねぇ。」

「うわ、ジェイドやばい奴じゃん。」

「やばいでしょー?人魚用の媚薬だから、人間にはめっちゃ辛かったと思うよ」

引いているハルトを見つめ、フロイドは笑みを深める

「で、それと一緒のがここにあるんだけど、どうする?今日さ、俺んとこ来る前に「うしろ」準備してきたんでしょ?」

フロイドの言葉に、ハルトは少し顔を赤くしてこくりと頷く

フロイドは恥ずかしがる恋人の額に触れるだけのキスをして、ピンク色の液体を揺らしハルトに委ねるように手渡した

「これ飲んだら、どうなるだろうね?ハルト…気にならない?」

ハルトをベッドに押し倒し、上着のボタンを一つ一つゆっくりと外していく

「ねぇ、どうしたい?」

フロイドは目を細めて、あらわになった肩に軽く噛み付き舐める

ハルトは渡された小瓶を少し迷うように電灯の明かりに翳して揺らし、恐る恐る蓋を開ける

「いい子」

媚薬に口をつけたハルトの下着に手をかけつつ、フロイドは蕩けるように優しい声でそう言った



「あっ、フロイド…もう、動いてよぉ…」

ハルトは媚薬のせいで疼いて仕方がない身体を持て余して目に涙をためる

「まだダメ」

フロイドはべろりと涙を舐めとってやりつつハルトをギュッと抱き締めていた

真っ赤になった耳を口に含んで噛んでやると、媚薬のせいか焦らされているせいか、それだけでハルトはイキそうになり身体をビクビクと震わせる

しかし、あと少しと言うところでフロイドは刺激を止めてしまう

フロイドと向かい合うように抱き合うハルトの下の口はフロイドの猛ったものを深くまで咥え込んでおり、先程から触れて貰えない自身のそれは互いの腹に押し潰されて雫を垂らしている

「早く触ってよぉ…頭おかしくなる…いつもみたいに、奥グリグリしていじめてぇ…」

ハルトはフロイドにオネダリしつつ腰を動かすが、その度にフロイドは意地悪く笑って抱きしめる力を強くする

「まだダメって言ってんじゃん」

「ひぅ…」

腰を動かすことも禁止され、ハルトは気が狂いそうだった。

触れたくとも腹の間に挟まれたそれに手は届かないし、触れようと体制を変えようとすればフロイドはまたギュッと身体を密着させるように絞めてくる

ただでさえ媚薬を飲んで身体が熱くて堪らないというのに、フロイドは後ろを少し慣らしてブツを入れてから刺激を与えてくれない

媚薬の効果が出始めてどれくらい経ったのかハルトにはわからないが、体感では1時間以上お預けを食らっている

「フロイドぉ…動いてぇ…あぅ…おしり熱いよォ……ん……イキたいぃ……」

恋人のそれが収まっている腹の中が熱くて痒くて仕方がない。ハルトは無意識できゅうきゅうとフロイドのそれを締め付け、時折荒い息の合間に喘ぐ

フロイドはトロトロの表情で泣きながら後ろを締め付け、何とか快楽を得ようとしている恋人に口付ける

「もう限界?」

「限界ぃ…早く動いてぇ…」

フロイドは恋人の後頭部に手をやり、よしよしと撫でる

「いい子いい子…そろそろ覚えたかな?」

「…何を?」

「…こっちの話。」

フロイドは少し企んだように笑って恋人の腰を掴み、軽く揺らしてやる

その程度の軽い刺激でも、散々焦らされたハルトは背中を逸らして大きく喘ぐ

「ひあぁぁぁっ!…そ…それ、やだぁ」

ハルトは快楽に耐えるようにフロイドの首を軽く噛む

「なんで?イきたくないの?」

「ひぅ…あ、…もっと、いつもみたいにしてぇ……」

「ん、じゃあ四つん這いになって。」

媚薬のせいでうまく動けないらしいハルトの身体を支えてやる。ハルトは四つん這いになると、枕をぎゅうと抱き締めて後ろを締め付ける

「ハルト、期待してんの?どうして欲しい?」

フロイドは恋人のそれを優しく握ったり指先だけで軽く撫でつつ尋ねる

散々焦らされ頭の中がグチャグチャになりつつあるハルトは泣きながら

「奥、フロイドので奥グリグリしてぇ…おちんちんもゴシゴシしてイかせてぇ」

と懇願する

「いいよぉ。頑張ったからいっぱいご褒美あげるね。」

フロイドはぎゅっと恋人のそれを握る

「あぁっ!」

突然与えられた刺激で、ハルトは欲を吐き出しフロイドの手を汚した

フロイドは手のひらを見つめ、キョトンとしたが

「あれ?もうイったの?まぁ止めないけど」

と、滑りが良くなってちょうど良くなったとばかりに手を動かす。

ジュプジュプと水音を響かせながらそれを扱かれ、ハルトは視界がチカチカしてトびそうになる

「ひゃうっ!…あっあっ…ひぁっ…フロイドぉ…好きっ…んんっ…フロイド好きぃ…」

「俺もハルト好き。頑張っていっぱいおもらししようね」

フロイドは優しい声でそう言い、腰を勢い良く打ち付ける

ズプッズプッと出し入れする度に卑猥な音が響き、ハルトは膝をガクガク震わせ崩れ落ちてしまいそうになる

「きゃうっ!…うっ!…んんんっ!」

「ハルト、イキっぱなしじゃん。」

フロイドは呼吸を荒らげつつ笑う

「お薬切れるまでたっぷり感じてね」

「あぁっ…イクの止まんないっ…フロイドぉ…」

「あはっ、かわいー」

フロイドは腰を休めることなく打ち付け、その度にハルトは涙を零して欲を吐き出す

ひゃんひゃん喘ぎながら自分の名前を呼ぶハルトに覆い被さるようにして顎をつかみ、無理やり上を向かせて深いキスをする

蕩けた表情をしているハルトにフロイドは

「愛してる。愛してるよ、ハルト。大好き」

ととても優しい声色で甘く甘く囁いた



「ん…」

ハルトが目覚めると、身体は綺麗になりフロイドのブカブカのシャツを着せられていた

いつの間にか気を失っていたようだ。その間にお風呂に入れてくれたらしい

ハルトは口元に手をやって少し恥ずかしそうに笑う

好き勝手やられてるが、何だかんだ愛されてる。

「あ、起きた?おはよハルト」

「おはよ、フロイド。」

フロイドは先に起きていたようで、水の入ったコップをハルトに渡す

水を飲み干す恋人を見つめ、フロイドは愛おしいとばかりに目を細める

「ハルト、腰大丈夫?今日は俺がお世話してあげるね。俺優しいし」

「そうして貰えると助かるよ。腰が痛くて動けない」

「とりあえずトイレ行こっか」

フロイドはハルトを抱え

「あ、そうだ」

と何かを思い出しにんまりと笑って、恋人をギューッと力を込めて抱き締める

「フロイド、苦しい」

少し笑って身をよじるハルトに

「ハルト、大好きだよぉ。愛してる。」

と行為中のような甘い声で囁く

ハルトは

「ひぐっ」

と妙な声を出して仰け反った。まるでナカを刺激された時のように、下腹の奥が疼いて快楽が走る

「な、なに今の」

フロイドは恋人の様子を見てケラケラと機嫌よく笑った

「あはっ!ハルトの身体はねぇ、ギューッとされながら俺の声を聞くと気持ち良いって覚えちゃったの」

だんだん俺好みに開発されちゃうねぇ?俺なしじゃ生きられなくなっちゃうねぇ?

フロイドが抱き締めつつ喋る度に、ハルトはビクビクと身体を跳ねさせて呼吸を荒くする

「フロイドぉ…や、やりやがったな!!」

「ごめんねぇ?でもちゃんと死ぬまで大事にするし、」

問題ないよねぇ?とフロイドはハルトの額に口付ける

怒りか羞恥か快楽か…ハルトは赤い顔を恋人の胸元埋め

「……今のでイった」

と小さいな声で呟いた

「あはっ、じゃあお風呂行こっか」

フロイドはハルトを見下ろして幸せそうに目を細め口元を緩める

「これからも、いっぱい色んな顔見せてよね、ハルト」



☆☆☆
大好きな君に
俺の好きを詰め込んで
それってまるでアクアリウム

見つめて抱き締めて
閉じ込めて愛でて
絶対逃がさない
死ぬまで俺の腕の中
死んだら俺の腹の中




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