マタタビとピアス

レオナは酔っていた。ハルトがマタタビの匂いをさせていたからだ。

ハルトを自室のベッドへと連れ込んだレオナは獲物をベッドにうつ伏せに押し付けて覆い被さる

「レオナ先輩?」

怯えた目で見上げる獲物に、レオナはニヤリと笑って思い切り噛み付いた



ハルトはぎゅっと目を閉じシーツを握りしめて、レオナが早く飽きるのをただひたすら待っていた

レオナは何度もハルトの首筋に舐め上げて喉を鳴らす

かと思えば、時折思い出したかのように牙を立てて首や肩に歯型を残す

一応手加減はしているようだが、かなり痛みがあるし軽く血が滲んでいる

「レオナ先輩、もう、やめてください」

酔った勢いで首を食いちぎられてしまうのではないかとハルトは怖くて仕方がなかった

首筋に牙が当たる度、ハルトはビクリと身を震わせる

それがライオンの加虐心を煽っているとも知らずに

「ハルト、おまえ、ピアスあいてるか?」

レオナはクツクツ笑いながら、唐突にそう尋ねた

「?…あいて、ないですけど…」

ハルトは不思議そうに答える。

レオナは

「なら、いいもんやるよ。」

とハルトを抱え、自分の膝の上に座らせた

レオナが牙を見せて笑い、ハルトは小動物のように身を縮める

「なに、するんですか?」

「黙って動くな」

レオナは左手でハルトを押さえ付けて体の自由を奪い、右手で顎を掴む

そして、ハルトの耳を噛んだ

「痛い!」

「動くと噛みちぎるぞ」

「ひっ」

レオナは耳を舐めたり口の中に収めてみたりして遊ぶ。時には軽く噛み、引っ張ったり

「一口で食えそうだな」

と笑う。

その度にまたハルトはビクビク震えてレオナの加虐心を煽る

レオナはしばらく反応を楽しんだ後、ハルトの耳に思い切り牙を立てた

「…っ!!」

さっきの忠告もあってか、ハルトは極力動かなかった

「レオナ先輩、絶対耳に穴あきましたよね…」

「ちゃんと空いたな。」

レオナは痛みで涙目になっているハルトの目尻を舐め、満足そうにしている。

「反対の耳も空けるぞ」

レオナがそう言うと、ハルトは怯えた目をしてレオナを見た



両耳に穴をあけた後、満足したらしいレオナはハルトを抱えたまま寝てしまい、逃げられないままハルトは大人しくしているしかなかった

レオナを探しに来たラギーが見つけた頃には2人ともスヤスヤと寝息を立てていた

「ハルトくん、災難だったスね」

ラギーはレオナの腕から救出したハルトに、笑いながら同情する

クラスメイトにマタタビをぶっかけられたせいで、レオナに噛まれて耳に穴をあけられる羽目になったらしい

「ちょっと染みるっスよ」

「酔ったレオナ先輩はもうごめんです…いたっ」

ラギーはハルトの耳や首まわりを消毒液のついたガーゼで軽く拭いてやる

「これ、誰かに見られたら、レオナ先輩とやばい事したって思われませんかね…」

「俺なら思うっスね」

ラギーがシシシッと笑って

「ねぇ、レオナさん。どう責任とるんスか?」

とハルトの後ろに声をかける

「うるせぇな。ハルト、こっち向け」

レオナはいつの間にか目を覚ましていたらしい。ラギーに鬱陶しそうに軽く手で払う仕草をし、振り返ったハルトの顎をくいと持ち上げる

「そう思わせときゃ良いんだよ。なぁ?ハルト」

自分があけた穴に翠色の宝石のついたピアスをつけてやり

「外したら殺すからな。」

と、笑う

「ひっ」

と怯えたハルトとニヤニヤ笑うレオナを見ながら

「素直じゃないんスから」

とラギーは面倒臭そうに呟いた



☆☆☆
案外途中で酔いは冷めていたし、ぶち犯そうとも思ったけど大事にしてやりたかったのでマーキング程度で収めてやったレオナさん。
と、薄々気付いてて「めんどくさ」なラギー

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