悪い子たちの宴

あてんしょん
内緒のないしょの続き?
わちゃわちゃしてるだけ



ケイトとハルトには、共通の秘密がある

それは夜中、生徒達が寝静まった頃に始まる

そろそろ寝るかと本日最後のマジカメ更新をしようとしたとき、ケイトのスマホがピロンと鳴った

誰に見られているでもないが、送り主の名前を見てそっと画面を隠す

この時間のこの送り主からの連絡は、禁断の夜食のお誘いだ。ケイトは自然と口元を緩ませる

『今から夜食組で集まるんですけど、ケイト先輩もどうですか?』

ケイトは少し考える。2人きりで抜け出したことはあるが、他の誰かと出くわした事はなかった。

出来れば甘いものが苦手とか、実はマジカメ映えしないものが食べたいとか、そういった自身のことを多数に知られるのは避けたかった

今日は諦めるか、とスマホを閉じようとしたがピロン。とまた通知音が鳴る

『今日はジャミル先輩が熱砂の国の激辛の香辛料持ってきてくれるんですって』

ピロン

『俺はまた激辛ラーメン取り寄せたんで、それ持ってきます』

ケイトは悩む。めっちゃ気になるし、めっちゃ食いたい…

ダメ押しとばかりに、またピロンと鳴る

『ちなみに、夜食組は「夜の間に起きたことは絶対公言しない」って同盟結んでるんで大丈夫だと思いますよ』

夜中に勝手に校舎に赴きキッチンや食材を拝借し校則違反を犯すもの同士、妙な連帯感というか仲間意識があるらしい。

まぁ、誰かが公言して捕まれば芋ずる式に自分達のやっている事もバレてしまうので、共犯者同士仲良くしておくのが互いのためなのだろう

『けーくんも参加するね』

ハートの絵文字と一緒にそう1文返すと

『鏡のところで待ってますね』

とすぐ返事が来た



「ハルト君、やっと来たっスね。…お、新顔じゃないスか」

「こんばんは、ケイト先輩。ハルト、悪いが皿を出してくれ。」

「はいはーい。今日のラーメン、ここに置いときますねー」

「どうもーお邪魔しまーす。あ、これトレイ君の作ったクッキーね」

「お、今日はデザート付き!豪華っスね」

「ジェイドさんはまだみたいですね?」

「あぁ、まだ見てないな」

すでに料理を始めているラギーとジャミルの手伝いにケイトとハルトも参加する

「連絡もらってましたけど、アンタも参加するなんて意外っスね」

「んー、俺もたまには人目を気にせず辛いもんとかラーメンとか食べたくってさー。マジカメにあげられないのは残念だけど…俺としては、ジャミル君の方が意外」

「そうですか?カリムの軽食を作りに来ることもありますが、たまには毒味とか気にせず飯を食べたい時もあるんですよ」

「スカラビアは物騒だなー」

「そういえば、ラギーさん。レオナさん大丈夫なんですか?」

「夕食にこれでもかってくらい食わしてきたんで大丈夫スよ。シシシッ」

手際よく食材を刻み、フライパンを巧みにあやつり、鍋をかき混ぜ、次々に料理が出来ていく

「やっぱ夜食組は慣れてるねー。ラギー君も料理得意なんてけーくんビックリだよ」

「そうスか?婆ちゃんから教えて貰ってるんで、簡単なもんなら大体作れるっスよ」

「ジャミルさーん、これもう盛り付けて大丈夫です?」

「あぁ、頼む。」

「それにしても沢山作るね。俺たちだけで食べきれるの?余っても持ち帰るとマズいでしょ」

「問題ない。ジェイドがいるからな」

「あの人めっちゃ食うんスよ」

「おやおや、すみませんね。」

ニコニコしたジェイドが暗闇からすっと現れる。ケイトは少し驚いたようだが、他のメンバーは慣れているのか呑気に挨拶を返している

「ケイトさんもいらしたんですね。ようこそ夜食組へ」

「…ジェイド君気配なく出て来ないでよービックリしたじゃん。てか、みんななんで驚かないの?」

「いつものことですから」

「っス。」

「ジェイドさん、今日は遅かったですね」

「モストロラウンジでの新作メニュー作りに夢中になっていましてね…良ければこれも食べて下さい」

「新作メニュー食べちゃっていいんですか!?」

「ええ、もちろん秘密ですよ」

「さっすがジェイド君、気が利くスね!」

持っていた紙袋からタッパーを取り出し、皿に綺麗に盛り付けていく

「…俺だけいつもインスタントで申し訳ないなぁ」

「いいんじゃないか?お前の持ってくるやつ、俺は結構好きだぞ」

「俺も好きっス」

「僕も好きです。ハルトさんの持ち込むものは中毒性があって、定期的にすごく食べたくなります」

「「「わかる」」」

「なら良かったー。ってジェイドさん、キノコ料理多くないですか?」

「キノコ料理はアズールに断られました 。しくしく」

「大男のそれキツいっスよ」

「おやおや」

「でもちょー美味しそう。あーホントにマジカメ更新出来ないのザンネーン」

「そろそろ準備出来たぞ」

「こっちもOKス」

「わーい、食べましょ食べましょ」

「夜食組めっちゃいいじゃん、これからも誘ってよー」

「ここまで豪華なのは稀ですけどね。では早速頂きましょうか」

それぞれが、適当に椅子を持ち寄って適当に席につく

「あー、マジ最高…夜に食べる罪の味大好き」

「ハルト君、ほんと悪い子ッスねー」

夜食組の宴は、まだ始まったばかり



☆☆☆
わちゃわちゃしてるだけの可愛い男子高校生達を永遠と見守り隊



☆☆☆
???「ワシも手料理を持って参加しようかの」
???「…招待されてないしやめておけ。」

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