歯磨きお兄さんと一緒!

「何それ、ハルトちゃんとトレイ君ウケる!教育番組のやつじゃん」

ハーツラビュルの談話室にて、ケイトは笑いながらパシャパシャと写真を撮る

「そんな写真どうするつもりなんだ…マジカメにあげるなよ」

と呆れた様子でトレイが言うと、ケイトはわかってるわかってると軽く流した

トレイははぁとため息をついて、ハルトを見下ろす。ハルトは眠たそうに目を細めて大人しくしていた

トレイは今、ハルトの歯磨きをしている

なぜこうなったかと言えば、数日前に食後歯を磨かずに寝ようとしていたハルトを見かけたのがきっかけだった

本人いわく、食後は眠気に逆らえないそうで、いつもすぐ寝てしまうんだとか。

趣味は歯磨き、嫌いなことは歯を磨かないで寝ることだというトレイはそれを見逃すことが出来ずに声をかけたのだが

「そこまで言うなら、トレイ先輩が磨いてくださいよー」

とハルトは歯磨きセットをトレイに押し付けたのだ

その日から、律儀なことに食後ウトウトしながらトレイの元に来るようになった

床にペタンと腰かけ、ソファーに座るトレイの足の間に収まって雛鳥のように上を向いて口を開けて待っているハルトに、トレイは呆れ半分可愛さ半分で歯磨きをしてやっている

「ほら、ハルト、終わったぞ。うがいしろ」

「はひ…」

今にも寝落ちしそうな様子でなんとかうがいを終え、さぁ終わったとばかりにトレイの足の間に収まったまますやすやと寝始めたハルトを見て

「ハルトちゃんどんだけ眠いの」

とケイトは笑い、トレイはまたはぁ…とため息をついた

トレイはこの歯磨きについて少し頭を悩ませていることがある

毎食後歯磨きをねだられることも、歯磨きをすることもまぁ良いのだが…

眠たそうなとろんとした目で見つめられ、普段誰にも見せない喉奥まで晒して口内を自由に弄らせるハルトを見ていると、無防備すぎて心配になると同時に悶々とした気持ちが湧き上がってくるのだ

イケないことをしている気分になって、少し申し訳ないやら下腹の辺りがイライラとするやら

このままこの行為を続けるとよからぬ事をしてしまいそうになるのだ

トレイはしばらくスヤスヤと眠るハルトを見つめ髪を撫でていたが

「1人でやるように仕向けてやるか」

と呟いた



ハルトは夕食の後にまたトレイの元を訪れていた。

トレイに言われ、談話室ではなく彼の自室に来たハルトはいつものようにペタンと床に座る

ただ、今までと違うのは

「なんで手を縛るんですか、トレイ先輩」

ハルトはネクタイで縛られた手をぼーっと見つめる

こんな状況でも眠気が勝つらしく、抵抗らしい抵抗は見せなかったことにトレイは呆れて笑う

「これからは自分で歯磨きするように、ちょっとお仕置してやろうと思ってな」

「…痛いことするんです?」

ちょっと怯えた目をしたハルトに、トレイは意地悪く笑って

「痛くはないぞ」

とマジカルペンを取り出す

「『ドゥードゥル・スート』」

「…何を、するつもりですか?」

おずおず尋ねたハルトに、トレイはニッコリ笑うだけで答えなかった

「さぁ、口を開けろ」

ハルトは少し縛られた手を見て何やら考えたが、素直に上を向いて口を開いた

いつものようにトレイの手に持たれた歯ブラシが口内に入れられる

ただ、いつもと違ったのは…

「ひぐっ…!」

ハルトは妙な声を上げて身体をビクつかせる

「こら、逃げるな」

トレイはクツクツと喉の奥で笑って、ハルトの顎をつかみ、親指を奥歯に挟んで口を閉じられないようにする

いつもより入念に口内を磨いて刺激してやる度、ハルトはビクビクと身体を震わせて、頬を赤く染め目に涙をためる

トレイはユニーク魔法を使い、ハルトの感覚に『上書き』したのだ。口内を刺激されるとと性的快感を感じるように。

「…はぐっ…うぅ…」

身体は足でがっちり抱えられて顎を固定され、逃げ場を無くしたハルトはトレイのズボンの裾を握り快楽に耐える

「ほら、舌を出して」

「…うっ…おぇ…」

上顎や舌の奥まで丁寧に丁寧に綺麗にされ、ハルトはえずきながらも惚けた顔で足をモジモジとさせる

口の端から溢れた歯磨き粉混じりの唾液が首を滴り、服にシミをつけていく

「ハルト、うがいしろ」

トレイに促され、目の前に用意されたコップと洗面器にハルトは安堵する

これで解放される…と、何度かうがいをし水を吐き出したが、再び無理やり上を向かされる

逆さまから覗き込むトレイは意地悪く片方の口の端を持ち上げて笑っていた

「仕上げしないとな?ハルト」

「も、許して…」

「だーめ」

トレイは指で上顎を擽るように刺激したり、舌を挟んだり引っ張り出したりして弄ぶ。ハルトは潤んだ目で、自身を見下ろすトレイを見つめる

「と、トレイしぇんぱいっ…い、いっちゃ……あうぅっ!」

ハルトは一際大きく身体を跳ねさせる。ズボンの股間の部分にシミが広がる

「漏らしたのか?ハルト」

仕方がない子だな…トレイは引き寄せたハルトに舌を絡ませる深い深いキスをした



トレイは自分の下でぐったりしているハルトを見つめ頭を抱える

自分が悶々させられた分を少し仕返しがてらからかってやって、明日から自分で歯を磨くように促すつもりだったのだが

ついつい反応が可愛らしくやりすぎてしまった。ドゥードゥル・スートをかけ直し、何度もキスで射精させるくらいにはやりすぎた

「俺を信頼して身を任せたお前が悪いんだぞ」

言い訳がましくそう口にするトレイに対し、ハルトは眠そうに目を瞬かせながら笑う

「やだなぁ、トレイ先輩。好きでもない人に触らせる訳ないじゃないですか」

「は?」

トレイは目を見開いて後輩を見る。いつもの様に頭を倒してこちらを見上げるハルトはニッとイタズラをした子供のように笑って

「また歯磨き、お願いしますね?トレイ先輩」

あ、あと

「トレイ先輩のせいでズボンの中大変なので、トレイ先輩がお風呂入れてくれてもいいんですよ?」

そう続ける

トレイはしばらく固まっていたが、やれやれと首を振ってハルトの頭をくしゃりと撫でた

「仰せのままに、お姫様」



☆☆☆
余裕ぶって実はちんちんイライラしているトレイ氏「下の口も犯す。」


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