特に理由のないエロが監督生を襲う!
アテンション
♂監督生設定
イソギンチャク後
男子高校生な下品トーク
紳士達の社交場、モストロラウンジは今日も大盛況だ
イソギンチャク事件で色々問題はあったものの、スタンプカードの効果か様々な寮から客が訪れ売上も伸びているらしい
監督生は異世界から無一文で連れてこられた。最低限度の必需品は学園長から支援してもらっているが、健全な男子高校生としてはそれだけでは当然物足りない
そこで、放課後はアルバイトとしてここで働いているのだ
「イソギンチャク達がいなくなって、人手不足で困っていたのですよ」
監督生がバイトしたいと頼んだ時、ちくりとアズール…店長に嫌味を言われたのはまだ記憶に新しい
しかしまぁ働いてみれば、契約書やそれらに関する『取り立て』が絡まなければ、それほど印象の悪い人達では無かったようで
真面目に働く監督生にジェイドは優しく丁寧に指導したし、フロイドも気紛れで賄いを作ったり味見と称しデザートをくれたり、割と仲良くやっている
アズールからも多少嫌味や小言も頂戴するが「この働きぶりなら昇給してもいいでしょう。」との言葉を頂いている
忙しいが職場環境は悪くない
監督生は、今日は食材の下拵えを担当していた。肉や魚の下味をつけ、スープを煮込み、その合間に野菜の皮を剥く
「ねぇ小エビちゃん」
一緒の担当で、スープの味付けの確認をしていたフロイドが監督生に声をかける
「なんですか、フロイド先輩。」
「『どうてい』ってなぁに?」
「!…あぶねっ!」
予想だにしない質問に、危うく包丁が滑り親指を切るところだった。監督生はどっと冷や汗をかく
「なんですか突然」
「同じクラスの奴らが話してたんだけど、俺意味わかんなくってさぁ」
監督生はフロイドを見上げる。背の高い男は、真面目な表情をしていた。どうやらからかっているわけではないらしい
「そういやフロイド先輩、人魚でしたっけ」
「うん。ウツボでぇす」
「…フロイド先輩って、ちんこあるんっすか?」
「あぁ?」
何が悲しくて同性に童貞の意味を教えなければならないのか。羞恥プレイもいいとこだ
などと思いつつ、下拵えの手は休めずに説明すると
「つまりぃ、ちんこ使って番と性行為してないやつが童貞ってこと?」
「そういうことですね。」
「ふーん。てか、これ生殖器だったんだ」
「そこから?!」
監督生が思わずギョッとして隣を見上げる。フロイドはちょっと機嫌の悪そうな顔で口を尖らせた
「まだ俺、陸上生活1年ちょっとだし。そもそもここ、番になる♀いねぇじゃん。」
「たしかに…じゃあ人魚って、どうやって子孫増やすんですか?」
「♀が卵産んで、♂が放精すんの。」
「人魚の生態は、人間より魚に近いですからね」
「うわっ」
カウンター越しからひょっこりと顔を覗かせたジェイドが急に話に参加してきて、驚いた監督生にクスクスと笑う
「陸上の性行為とやらも知識としては多少知っていますが、実際にどんなものなのか、観察してみたいものですね」
「あー、俺いいこと考えた」
ジェイドの言葉を聞いて、フロイドはニンマリと口元を緩ませる
監督生はなんだか、とても嫌な予感がした。この双子が笑っている時は何が企んでいる時と相場は決まっているのだ
「小エビちゃん、みせてよぉ」
「な、何をですか…」
「小エビちゃんがー、Hするとこ」
それはいいですね、とジェイドが口元に手を当ててニッコリと笑みを深める
「いや、あの、」
「けってーい!閉店後、よろしくね、小エビちゃん」
「楽しみにしてますね、監督生さん」
ジェイドは完成した料理を持ってさっさと仕事へ戻っていき、隣のフロイドはやたらご機嫌で鼻歌を歌いながら下拵えを再開している
「え。これ、おれ、詰んだ?」
監督生は包丁と野菜を放り出して思わず頭を抱える
「定時になったら逃げよ…」
「あ、小エビちゃん。逃げたらどうなるか、わかってるよねぇ?」
真上から降ってきた声に、監督生はビクッと肩を揺らし、小さく頷いた
腹を括るしかないらしい。
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