『えぇ?!飛雄、白鳥沢受けるの?!』
「?だってあそこが1番バレー強えだろ」

いや、まぁ。そうだけどさ?

確かに白鳥沢にはあの及川先輩でも勝てないほどの選手が居るって聞いたことあるけどさ?

『あんた、その成績じゃ無理あると思うよ?』
「...ボ、ボケェ!」

いや、図星だからってボケボケ言うなし。


『てか飛雄…まだ、バレやるんだね…。』


飛雄の最後の試合を見た時、凄く泣きそうになった


飛雄の上げたトスの先には誰もいなくて、

タンッと音がした時にはもう 国見君や金田一君達との間に大きな溝があるように見えて


それが酷く心を締め付けたのを覚えてる。


私はバレー部じゃないから、よく分からないけど


「コート上の王様」



それがあまり良い意味の呼び名じゃないって気づくのにはそう時間はかからなかった。


飛雄は確かに見た目怖いし

口悪いし

頭も悪いけど。


でもそれでもバレーに対する情熱は人一倍...いや。


日本一あるんだって。ずっとそばに居た幼馴染の私は知ってる。


だからこそあの時みたいに


【なぁ...名前…俺は。間違ってたのか?】




あんな思いをして欲しくないと思うのは我儘なのか。




『うわっ!ちょっ!何するのよっ!』
「変な顔するな...ボケ」
『へ?』

いきなり髪をボサボサにしてきた飛雄に目を向けると鋭い目の奥にある優しい目が見える

まるで「大丈夫だ」って言ってるみたいに。


「もう…あんなことにはなんねぇよ」


『...そっか...!』


「…今度こそ優勝したとこ見せる」


『うん』


「もうお前に泣きそうな顔させない」



『...うん』



「だから、お前に今度こそてっぺん見せる」



『うんっ…!』



「だから…勉強教えろ…ください…」


全くこの捻くれ者め


素直じゃないな。



まぁ。頂の景色を見せてもらう為にも



今はこのおバカさんの勉強を手伝うとしますか!












「お前はどこ行くんだよ」
『私は烏野〜!ダンス部に入る!強いって聞いた!』
「...ダメだ。バレー部のマネージャーやれ」
『え?白鳥沢は?』
「...烏野も受ける」
『ふーん。まぁどっちみち勉強しないとね〜』
「ボケェ...」






不器用な貴方にヒカリアレ(影山)


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