そういえば…

『?』


どこか顔が青くて緊張しているのか震えている少年が目に入る

あの子は...


「緑谷くんは、このままだとマズイぞ…?」

「あたりめーだ!
"無個性"の雑魚だぞっ」

「なっ…"無個性"?
君は、彼が入試時に何を成したか知らんのか?!」

「は?」

そんな言い合いが少し前の方から聞こえて思い出す

彼はそう言えば皆が最低でも一つの種目で超人的な記録を出す中、彼はいたって平凡な記録しか出していない

無個性なのかしら…いや。


『(そんな訳ないですわ。あのような入試を筆記だけならばともかく実技試験までも通過できるほどこの学校は甘くないですわ)』

でも飯田くんやお茶子の様子からして彼が強力な個性を持っているのがわかる

でもならばなぜ使わない…この除籍がかかっている状況の中で使わないのはかなりリスクが高い…

『(いや…“使わない”のではなく“使えない”のだとしたら…?)』

もしも彼がなんだかの拍子で__それこそケガとか使用できないのなら相沢先生もそれを把握しているはず。

でもそんな様子は見えないからもしかすると___リスクが大きい?

色々考えながら彼の1球目の記録を待つも____

「46m」

『平均…』



「な、今…確かに使おうって…」
「"個性"を消した」

そういいながら相沢先生と緑谷くんがなにやら話している

もう一球___最後のチャンスだ。


「アイツ、本当に大丈夫か…?」
「やべぇ…オレまで怖くなってきた」


『…!』


心配そうに私の横で切島くん…といつの間にか横に居た上鳴くんが呟く

『大丈夫じゃないかしら』

「?」
「へ?」

『だって彼____』


その腕は力強く振り上げられた






SMAAAAASH!!!!!!








『まだ“目”が死んでないもの』






緑谷出久___彼が××××さんの言っていた…





「先生、まだ…動けます!」





『何ともまぁ…頼りなさそうな“後継者”だこと…』








緑谷出久 ソフトボール投げ:【705.3m】

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