試されて試されて 13
「茶州へ?」


驚いた風の旺季に、ええ、と微笑み返した。


「彼、受かればいいのですけれど」


なんせ話が急なので、邵可のところで猛勉強、知識を詰め込み詩を暗唱しまくる毎日なのだ。
しかも筆記は中国語…漢字いっぱいだ。大学の専攻中国語にしててよかった。中国短期留学してよかった。



「実は今年私の養い子も紫州で州試を受けるんです」


「そうなんですか! 国試で会えるとよろしいですわね」


うふふ……なんだって?


「そ、その、養い子さんのお名前って」


「鄭 悠舜、ですな」



ああ…悪夢がはじまった…







久々に帰ってきた家。広すぎる空間はやけにさみしく感じる。
ちなみに地下にいけば、ここ数年でかなりの量になったお米たち。日雇い業をしている人たちにとってもいい報酬な毎年恒例の出稼ぎ先になっているようで、まだまだ雇い作り蓄え中である。


そして隠し花菖蒲印の服というと、何か王家から異例の紫使用許可が出て(といっても身につけていいのは王家のみらしいので作っても展示しかできないが)、ますます売れ信頼度高い、値段も高いブランドになってしまった。……値下げと一般化を頼んでいるのだが、俺が着心地いい布指定するから自然と上質な布を使うようになってしまったようだ。
……それでも作成時の人員とか作成方法とか布の仕入れ方でコスト削減できそうなんだけどなあ。
それに上質じゃなくとも物がよければいいのだけれど。ないのかな。まあ、人の欲にはなんとやらで、儲けたい心に終わりはないというか。
李穹さんの収入源が、俺のデザインする服の売れ中心になってしまったのもあるだろう。俺としては、彼女があまり新しいデザインをみても感動やら反応示すより先に算盤を弾き出すようになってしまったのが、ただ、なんとなく、さみしかった。
後宮入りしてからは前ほど新しいデザイン出すことが無かったし、これからしばらく出せそうにないということも伝え、今回の分多めに渡してきた。

そして隣の家のおばさまにはいつも通りの挨拶とクッキー



「帰ってきたとおもえばまたお留守に為さるのね。お茶できないのがさみしいわ」


「すみません…また帰ってきたら、一緒にお茶しましょう
その時には紅茶を淹れて、チーズケーキを焼きます。」


「ええ、楽しみにしているわ」

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空中三回転半宙返り土下座
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