そもそもの始まり 35
邵可はずかずかと薔薇姫に近寄る。狼狽えるのは薔薇姫だ。


「わっ。な、なな、なんじゃ!」


「……なに、その新種の動物を発見しちゃったみたいな顔。だから、君に対する結論は出したっていったろう。今からそれをするだけだ」


新種の動物を発見しちゃったみたいな顔…それは言い得て妙だ。


「いや! 妾にはわかっておる。お、お見通しじゃ! 実は結論が変わったのであろ?」


「はあ? 変わってないよ。あのね、死ぬほど考えるっつったろ。最後の質問でコロっと結論が変わるくらいの半端な悩みかたをしてると思ってたわけかよ。別に……いいけど」


薔薇姫が焦ったように謝る


「その……わ、悪かった」


「いや、いいけど」



混乱しているのが一目瞭然な薔薇姫が可愛くてくすりと笑う



「じゃあ、やるから。ちょっとどいてて。櫂兎は手伝え」


「はいはい、ほら、やっぱり略奪間男だろ?」


「……………うるさい」


「………………………………やるって、何をじゃ」


「だから、鎖をこの剣で切って解くんだよ。危ないから、どいてて」


「んでもって『世界』を対価に姫様連れ出すんだよ。礼儀作法から何から、じっくり教えてもらえるな」


にこと笑いかける俺はきっと無邪気な極悪人にみえたに違いない

薔薇姫はふらりとしたものの、どく気配はない


「………………………………駄目に決まっておろうが」


「なら、向こうの鎖のところでやるか……。さわられたくないみたいだしさ……」


「邵可がやらしい手付きでさわろうとするからだよ変態」


「なっ、女装中の変態がほざくな」


そういいながら2人であちらの鎖に向かう


「ちょっと待て!! 待てったら待つのじゃ!! おぬしら本当にわかっておるのか!!」

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空中三回転半宙返り土下座
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