そもそもの始まり 19
「いーから、ほら、これ持て。そこの奴、開始の鐘ならしてくれ」



ほい、と投げられた剣
予想以上の重みに驚く


そりゃあまぁ、鋼の塊だもんな。そんなもの振り回すなんてよっぽど力いるし


そんなことを思っているうちに鐘がなり、試合が始まった。
試合にすらならなさそうだな、これは


俺が動かないでいるので隼凱が剣を振りかざす

それを剣で受け止め押し返す


重い、重いよ!

鋼の重みに相手の体重が乗せられるので、上手く重心をそらさないと身動きがとれず反撃できなくなる。


しばらく打ち合いが続き、あたりから感嘆の息が漏れる


いや、俺は超必死だからね!受け流すので精一杯だからね!!



「櫂兎からは打ってこねえのかぁ?」


「打ち方知らないんだよ!やたらめった振り回すわけにもいかねえだろ!!
あたれば切れるし!! 切れたら血が出て痛いし、いいことないし!」


本気で叫んでいれば隼凱が笑う


「切る練習するために振り回してんのに」


「俺は血みどろスプラッタは嫌いなの! 平和に暮らす一庶民に剣の腕求める方が困るっての!!」


すぷらった?と首を傾げる隼凱
そんな余裕があるのが羨ましい


だいたいフェンシングや剣道なんて小学生の頃少し習った程度、その後は体育の授業でやった程度なのだ
技なんて初歩的なものしかない。


剣でなければまだやりようがあるのに




あぁ、でも初歩的なのすら今使ってないしな


それに気付いて一度距離をとる

それに何をするのかと楽しみそうな隼凱


技、なあ。

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空中三回転半宙返り土下座
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