そもそもの始まり 11
「殲華と同類だと思われたせいだー! 魁斗に振られたー!」


「なら友をやめるか?」


「嫌だー! っていうか『友人やってる』わけじゃないのにやめるも何もできねえよ」


そう、それはもう自然に、当たり前みたいに、まるで何百年も前からそうであったみたいに。俺達は友達だった。
まるで、十数年かけて関係を築いてきたような。実際は、俺にとっても殲華にとっても、人生のうちのちょっとの間しか要さなかったのに、だ。

すごく変だが、そうだったのだ。

まるで地球が丸いように、殲華が何故か友達っぽかった。



俯いて無言だったら頭をがしがし撫でられた



「大丈夫、奴も最後口調崩れてたろ。お前と向き合った証拠だ。あれはじきに折れるな」


「折れるの!?」


「ああ、櫂兎がしつこいのに奴も気づけば折れる」


「俺ってしつこいの?!」


「違うのか?」


いや、そりゃ諦めは悪いと思う。頷かなければ頷くまでつきまとう気質ではある。


「いつか必ずそうなるなら早かれ遅かれ、ということだ。それに気づけばすぐだな」


それが薔薇姫のことを指しているようにさえ思えてドキッとした。いつかは縹家に『風の狼』…『黒狼』を送り込まなければならない、そうきこえるようで。


あまり気づきたくない場合もあるかもしれないなんて思った。




(ホトトギスもいつかは鳴かなければならないことを知っていて、それに知らないふりをしている。知らないふりをし続ければ、殺されることも知りながら)


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空中三回転半宙返り土下座
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