そもそもの始まり 07
「ここまで来たら分かります。ご丁寧にありがとうございました!」


やっと、やっと部屋の前まで戻ってきたのだ
目の前の人物に感謝である。


トリップ、空腹、迷子。

そんなことばかりが頭を占めていたため、相手の顔をあまりちゃんとみていなかったが、ここまで丁寧にしてもらった相手だ。顔を覚えておいてまたの機会にでも…




そう思いその人物をよくみたのが悪かった

知らなかったほうが精神衛生上よろしかったでたろう。一見年寄り、しかし瞳の光は未だ衰えておらず

そう、この人もしかしなくとも霄太師……

知ってる顔よりかはかなり若く30代後半、40代前半といったところか……?
口調が爺くさくなかったから全く予想してなかった…



「どうした、そんな惚けた顔をして。」


「いや……なんか、びっくりしただけです。」


「そうか。」


そういうと俺の顔をジロジロとみだす霄太師



「な、何でしょう?」


「……噂の客人、名を聞いてもよいかな?」


「…棚夏 櫂兎です、けど……」


「ふむ」



そういって黙りこむ霄太師

お、俺何かしたかな?


「まぁいいか。私は霄 瑤旋という。瑤旋でいい」


「はぁ……」


「あの王に友人ができたと言われ気になってはいたが…確かに面白いやつだな。
庭に雑草が何時の間にか生えるように、室に櫂兎がいたときいたから」


「俺は雑草扱いか…俺からすれば愛しの妹じゃなくて悲しみの極みだったんだけどな」


本当に。それどころか佳那と顔を合わせられない日が続いているなんて…地獄だ。

とびっきりの生き地獄、か。

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空中三回転半宙返り土下座
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