貴陽の門が見えたところで馬車を止めてもらう
「ここからは歩いていけますわ」
道草やら何やらしていたせいで、貴陽につくころには藍州を発ってから半月以上たっていた。
……楊修になんと言い訳しようか。一応一月ほど休みをくれとは言ったが、おまけしてくれるだろうか?
ひらりと馬車篭から降りて、迅を振り返る
「では。楽しかったですわ、迅君。また会いましょう」
「ああ。俺も、お芋姫との旅、楽しかったぜ」
照れくさそうに迅が言う。可愛いしぐさに頭を撫でる
「……大切なもの、守れるといいですわね」
「え?」
不思議そうな顔をする迅を気にせず続ける
「何が一番大切か、ほかを犠牲にしてまでもそれを守り抜いた人、私は2人みてきたけれど。
大切なら、絶対手放しちゃダメですのよ」
「…………大切だから、手放すんだと思います」
そうして返ってきた言葉に、迅故の言葉かなとどこか納得した
「じゃあこれで」
さようなら、と。俺は貴陽の門まで軽い足取りでステップふみながら歩く。
振り返りは、しなかった
「門番さん門番さん」
「ああ?何の用だ」
「……貴陽に入る以外のようで、一般人が門番さんに用事ってないとおもうんですの」
しかしやけにガラの悪い門番だ。貴陽の今の治安の悪さが思わされる
「通行証をだしな」
「はいどうぞ」
何の問題もなく普通の通行証を出す。貴陽を出る前にあらかじめもらっておいたものだ。
そういやトロッコつかったから行きに関所どこもとおってない。自分がいろいろまずいことしていたことに俺はようやく気付いた
便利だけど、急ぐ時だけにしよう!
△Menu ▼
bkm