待ち望まない争いと 37
貴陽の門が見えたところで馬車を止めてもらう


「ここからは歩いていけますわ」


道草やら何やらしていたせいで、貴陽につくころには藍州を発ってから半月以上たっていた。
……楊修になんと言い訳しようか。一応一月ほど休みをくれとは言ったが、おまけしてくれるだろうか?

ひらりと馬車篭から降りて、迅を振り返る



「では。楽しかったですわ、迅君。また会いましょう」


「ああ。俺も、お芋姫との旅、楽しかったぜ」


照れくさそうに迅が言う。可愛いしぐさに頭を撫でる


「……大切なもの、守れるといいですわね」


「え?」


不思議そうな顔をする迅を気にせず続ける


「何が一番大切か、ほかを犠牲にしてまでもそれを守り抜いた人、私は2人みてきたけれど。
大切なら、絶対手放しちゃダメですのよ」


「…………大切だから、手放すんだと思います」


そうして返ってきた言葉に、迅故の言葉かなとどこか納得した



「じゃあこれで」


さようなら、と。俺は貴陽の門まで軽い足取りでステップふみながら歩く。


振り返りは、しなかった








「門番さん門番さん」


「ああ?何の用だ」


「……貴陽に入る以外のようで、一般人が門番さんに用事ってないとおもうんですの」


しかしやけにガラの悪い門番だ。貴陽の今の治安の悪さが思わされる


「通行証をだしな」


「はいどうぞ」


何の問題もなく普通の通行証を出す。貴陽を出る前にあらかじめもらっておいたものだ。
そういやトロッコつかったから行きに関所どこもとおってない。自分がいろいろまずいことしていたことに俺はようやく気付いた


便利だけど、急ぐ時だけにしよう!

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空中三回転半宙返り土下座
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