待ち望まない争いと 33
どうやら襲われているのは荷馬車らしく、大した人数でもないゴロツキが馬車を囲んでいた


「へっへっへ…おとなしく荷物だけ置いていきゃあ命だけは助けてやる」


何だろう、定番すぎて逆に笑を呼びそうな台詞をゴロツキその1が言っている。馬車の手綱を持っていた人が慌てて馬からおり逃げ出そうとする



「あら、どうかしたんですか?」


どうやら荷馬車の荷物の他に人が混ざっていたらしく、外の状況を知らず止まった馬車を不思議に思い、外に顔を出す。それにゴロツキその2が刃物を突き出してドスを効かせて言った


「死にたくなければ荷を捨て」


「ちぇすとおおお〜!!」



台詞の途中で横からそのゴロツキ2を殴り倒し刃物を弾く。



「んだ? このアマ、どこから湧きやがった?!」


「不意打ちとはなかなかやってくれんじゃねぇか」


俺はさっきの不意打ち殴りですっかり伸びたゴロツキその2を踏み、にやりと笑う


「救急車をひぃふぅみぃよぉ………全部で八つですか。ああ、救急車はここには無いんでしたわね」


大怪我は負わせられない、といってもこの程度の奴らなら手加減しても綺麗に伸びてくれるだろう


「手加減して差し上げますから本気でかかってきなさい。優しく弄んで捨ててあげますわ」


そう言いすてればその言葉に激昂したゴロツキ共が襲いかかってきた


勢いつけてかかってきた2人を纏めて足引っ掛け転ばせば、関節の外れるいやな音がする。悪い角度でこけてしまったらしい。転んだうちの片方が関節外れたもう片方に乗られる形になり、2人とも身動き取れない。これで3人。

続いて刃物で切りかかってきた1人はそのまま手首をつかんで勢いに乗せ背負い投げる。地面に叩きつけたせいか気絶しているようだ
その後2人は顎に打撃をいれ脳震盪を起こさせあっさり倒す

残りは2人、か。


「あら、迅君、遅いですわよ」

そこに追いついた迅が現状をみて唖然とする。


「華蓮姫がまさかこんなにお転婆ジャジャ馬だったなんて…」


「そう言われるのはなんだか新鮮ですわ。さぁ、次は迅君の活躍の番かしら?」


にこりと笑えば剣を抜き出し構える迅。そして駆け抜けた後、音を立て割れ落ちるのはゴロツキ達の剣


「形勢は二対二、けど不利なのはお分かりでしょう?」


にっこりと微笑んでみせれば青ざめる残った二人。逃げようとするのも許さない。がしりと彼らの手首を掴んで、まとめて懐から取り出した縄で手首を固定した

そして足首も二人三脚のようにとめる。これで片手握っていれば2人捕まえていられる。それに他の面々もつないでいき8人9脚状態にする
最後に端と端の両手両足を結べば8人輪の完成だ。これでは自由に動けやしないだろう



「その縄どこから…」


「乙女には秘密が多いのですよ」


捕まえたゴロツキを馬車に乗せちょっくら引き渡してくるという迅に、じゃあここで待っていると手をひらひらと振り見送った

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空中三回転半宙返り土下座
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