「………邵可、お前って本当自分大切にしないっていうか手抜きたがるというか極端だっていうかなんていうか」
「いいじゃないか、本を読んでいれば私はお腹が空かないから、その分秀麗たちもご飯食べられる」
俺は何も言わず、手元にあった干し芋をちぎり邵可の口に放りこんだ
「…喉が渇いちゃうじゃないか」
「だからって何も食べないのは駄目だろ…」
そう言えば邵可はモグモグと口を動かし咀嚼した。そして口を開ける
「……それ、くれないのかい?」
「……え、俺が食べさせるの?」
「駄目?」
いや、別にいいけど。っていうかそんなことまで他人にさせるほど自分で動きたくないのか
仕方ないので干し芋をまた千切って邵可の口に放り込む。なんか、ツバメの雛にエサあげてる気分
「そういえばこの前も米俵をありがとう。近所の人と分けたら皆喜んでいたよ」
「うん、なんか邵可らしくて安心した」
干し芋をちぎっては口に放り込む。邵可は放り込まれては噛み咀嚼する、それの繰り返し。
ふいに思い浮かんで言った
「薔薇姫のこと、何で俺に教えてくれなかったんだ?」
「………………ごめん」
理由は言ってくれないのな、と少しさみしくなる。まぁ、それで責めるのは酷だろう
「反省してない…っていうか、悪かったと思ってないだろ」
「うん」
あまりにも正直な返答に俺はずっこける
「薔薇姫は、邵可にはもったいないくらいの奥君だったな」
「うん」
「でも、2人ともお似合いだった」
「うん」
「秀麗ちゃん、子供のうちから泣くのを我慢させるなよ」
「……」
それには何も言わず、邵可は困った様な顔を浮かべる
「私は、親失格かな」
「知らない。失格だと思うんなら再試験頑張れば?」
笑えば邵可はまた困った顔をした。
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