争いも彩八家の紅藍以外が出張ってきては、朝廷内で激化し、中央の政治がストップした。
幸か不幸か、そのおかげで後宮への文文や根回しや賄賂などなどが減って少し穏やかな雰囲気になる
とはいっても、俺は休んでもいられないわけで。仕事仕事仕事の山をこなす日々。手伝ってくれている珠翠の顔にも疲れがみえる
「珠翠、ごめんな、疲れてるだろ。美容に悪いし寝ちまえよ」
「そんな、櫂兎さんはまだお仕事されるんでしょう? なのに私だけ…」
「いいっていいって、気にすんな。ほら、おやすみおやすみー」
そうして羽織をかけてぽんぽん背中を叩いてやれば、「……では、少しだけ」と、机に突っ伏すかたちで眠る珠翠
美人になったなー、嫁にいってほしくないなー
なんとも親バカなことを考えてしまう。
珠翠は充分親離れできるだろうのに俺が子離れできないなんてなー
邵可も同じかもしんない。
ふと、筆をとめて、珠翠の書類の山を自分の山に積む。そして布団をひき、珠翠を起こさないよう気をつけながら寝転がす
むにゃ…とかいってる珠翠可愛い、これは春色四男には見せられん
かけ布団をそっと掛けておやすみを言った。
さて、このお偉いさんに出す手紙、終わらせてしまうかな
小鳥の囀る声と、明るい日差し
「………え」
珠翠は目を覚ます。いつのまにか布団に寝かされていた自分。彼の姿はもう跡形も無く、机には綺麗にまとめられた書類や手紙
「……あれ、一週間分でしたのに」
終えられた紙の束に、さすが櫂兎さんと思う珠翠だった
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