「………え」
「なにそんな変な顔してんのぉー
、二人とも。もう一回言わなきゃわかんない〜?」
いつもの調子で、獏馬木殿の吐く言葉
「俺、官吏やめまーす」
アムロいきまーすのノリで言われても。っていうか
「貴方が……辞める? 官吏を…?」
「おう」
その言葉にフルフルと身震いする楊修
「何故です!? 今、王が伏して後継者が決まっていないせいで不穏な空気が流れているのに!」
「だからだよ。んなの王宮朝廷外朝だけで解決されるわけないだろーが。絶対これは、大きな被害を生む、1番の被害は民にいくだろーな」
「なら…」
「だから、一官吏としてここでのさばって愛妻ほってはおけねーの。まだ娘か息子もわかんねぇ腹の子押し付けられっかよ」
そうして獏馬木殿はひらひらと辞表を振った
「だから悪いけど、俺は官吏辞める。俺が今中央にいてもなにも出来ないのが現実、それよりやれることやってくんよ」
そうしてその辞表を楊修に手渡し、尚書によろしくと言伝ていなくなってしまった
俺はただ、あの獏馬木殿が官吏を辞めたということが信じられず突っ立っていた。
「…………私達にできることって、なんなんでしょうか」
ぽつり、と楊修が呟いた
「…馬鹿な公子の馬鹿な王位争いにのるバ官吏減らすくらいかな」
しかし吏部の権限では、辞めさせるのにきちんとした理由がいる。王位争いに関わったから、というのは官吏を辞めさせたり異動させるのには不十分だ。
それがわかっていたからこそ、獏馬木殿も被害の向く側へ回ったのだ。
俺は…本当に何ができるんだろう
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bkm