進士、下っ端官吏 34
あんまりにもひどい顔になっていたのだろう、俺のほおをぺちぺちたたき、貘馬木殿扮する邑が言った



「死んだ魚の目になってますよ、明」


「俺、妹と結婚したい」


素に戻って深刻な顔で言ってみたら貘馬木殿に殴られた。冗談なのに。
妹が一緒に幸せになれるような男でないと結婚認める気はないが、俺が結婚してあいつを幸せに出来るとは思わない。あいつの兄だからこそ、俺は妹を幸せにできる、いや、一緒に幸せになれると思うから。結婚したいとは本気で思ったことなんてない


ただ、俺は妹一筋すぎて、どうやら異性だとか恋だとかに無頓着らしい


俺が妹に向けてるのって、ただ純粋な親心に似た愛情だって俺は言い張っているのだけれど

妹に向ける以上の愛だとか激情だとか恋だとか。
そんなのを思った相手になんて出会ったことないから、まだまだいつまでも妹が1番にいるから
恋なんてしたことない、愛なんて知らない。


だからこうして彩雲国にきて結婚シーズンすぎた今でも独り身でいるわけで




「……薔薇姫は邵可と、どうだったんだろ」


刑部の仕事時間も終わり、仮眠をとった後、墓碑があるであろう山に目星をつけ行ってみる。しばらくしてみつけた薔薇姫の墓碑。みつけた頃にはちょうど日も高くなり日差しがジリジリ照りつける


俺は、薔薇姫の墓碑に向かってひたすら愚痴まがいの相談をしていた。



「いや、かなり初っ端からお熱いしらぶらぶになるまでさほど時間たってなかったけどさ、二人」


なんてったって状況が状況だし。方やイケメン兇手、方や女装男なのだ。イケメンとるよな、兇手だけど


「恋ってどんな感じ? 邵可のは一目惚れっぽかったけど、薔薇姫はどうだった?」


きっと邵可の一途な愛情だとかが真っ直ぐに向いてきて
一つ一つ応えるのも大変だったろうな。うんうん。


黎深と百合姫は……あれはなるようになったっていうか、黎深の相手は百合姫しかいないっていうか



「俺女だったら鳳珠と結婚したい」


真面目だし、誠実だし、いい奴だし


ああ、でも結婚したいというよりかはよき友人でありたいって感じか

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空中三回転半宙返り土下座
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