進士、下っ端官吏 14
なんか記入方法の統一とか欄つくってチェックの案が通りましたとさ。


吏部で適用してみて効率化臨めれば、他の部にもこのやり方推奨するんだとか。まじか


ここで大事なのはチェック欄の項目内容か。吏部の人事の色んな調査結果は『仕事をする人間としての評価』が記されている。だいたい今まで記入されてる分の共通項や必要そうなの書いておこう。
チェック欄に書いてあることで、その書いてある点に注目して人を見られるし。

うんうん。なかなかいいかもしれない。

そして忘れてはいけないのが『その他』の自由記入欄。ここには、自分の意見だって他に気になることだって書いていい。

ちなみにチェック欄を有なら塗り、無なら塗らず、どちらともいえなければ斜線をいれるかたちをとった



これ、人物調査にしか使えないんじゃね?とか思ったのはそのあとで。取り敢えず急ぎに他内容も何種類か作って、これまた案として出してみるのだった。





「……そういや調査表の項目全部できていれば仕事デキール人間になれる」


まあ、与えられた仕事以上をこなすもしくは仕事を一定限界量近くこなすなんて項目と俺は非常に無縁だったので、無理だなとハハと笑った。



何種類か出した項目案は、一つにまとめられ使わない欄はバツじるしを書くとかになった。


いざ導入というときになって、何かゴタゴタ起こったらしい。
俺が知ったときにはすべて話がまとまり終わっていた。欄を模すのに人件費やら何やらかかるということで、一月のみ仕事の滞った吏部の流れをよくするため導入。その後は廃止。
うーん、オフィスにあるコピー機の重要性がわかるよなー……


導入されて嬉しいような、一月だけで悲しいような。一月すぎて吏部がまた元通りなら、考えた意味、変えた意味ないなと少し寂しい気分になった。




その表が導入された日から、明らかに仕事しやすさが変わった

まず、比べやすい。次に、まとめやすい。そして、わかりやすい。

いつも通りの内容をいつも通りにやっているはずなのに、やりやすさが違うのだ。


そう感じているのは俺だけじゃないらしく、珍しく吏部の定時で帰れる者が続出するという異例の事態になっていた。


ちなみに。
吏部に属して仕事を与えられた分以上こなしておきながら、定時より必ず早く帰る俺は、『何か出来る男』と、吏部の中で密かに有名になっていった、らしい。
いや、本当なんだそれ。

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空中三回転半宙返り土下座
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