人形姫・??


番外編


「さーてと、今日は解散!」
「カカシ先生!俺達と一楽行こうってばよ!」
「んー?」
「普段からお世話になってるし、私達で奢ります!」
「フン」
「あらま。優しいね、じゃお言葉に甘えて」

ナルト達は心の中でガッツポーズをした。
また彼らは、Sランク任務を自分達に課していた。カカシの素顔を見るというミッションを成功させなければ。

静かに意気込む3人を見て、カカシはフフッと笑った。
名前が毎日見ている素顔を、こいつらは何とかして見ようとしているのが、なんとも可愛かった。だから、意図は分かっても気付かないフリして付き合ってあげる。あと何回、これで遊んでやれるかなとカカシは心の中で笑った。

一楽のカウンターに座りながら、また何やら楽しそうな顔をして3人が近付いてくる。

「カカシ先生と名前先生って付き合ってるんでしょう?」
「そーだよ。何回聞くのよ……」
「だって、お花の様に可憐で素敵な名前先生とカカシ先生って違い過ぎると言うか」
「カカシは、少し怪しいもんな」
「名前先生とチューしてんのイメージつかないってばよ!」
「ナルト!あんた、言い方ってのがあるでしょ!」

結構酷い言い方に、カカシは少し傷付く。俺ってそんなイメージなの…。まぁ、名前を悪く言われるよりも良いか。

「君たちね…」
「名前先生は、顔隠してること何も言わないの?」
「んー、まぁ、言わないよ。そりゃ、名前の前では顔隠してないからね」
「えーーー!!?」
「そんなに驚く……?付き合ってる相手が素顔見せないなんて、有り得ないでしょーよ」

ナルト達がコソコソと会議を始める。

「名前先生と言う手があったなんて」
「盲点だったってばよ」
「名前に頼むか。流石にあいつでも、カメラぐらいなら仕掛けられるだろ」

バレバレ過ぎてイチャパラを読みながら、カカシは口布の下で微笑む。名前の事だから、可愛いナルト達に協力するだろう。名前が何かして来ても、上手く切り抜けないとなぁ。そうしなきゃ、この面白い任務にも付き合えないしなぁ。

「はいよ!ラーメンお待ち!」

美味しそうなラーメンが4人の鼻を擽る。
3人の目線を感じながら、カカシは口布に手を掛ける。ドキドキバクバクと言う心臓の音が聞こえてきそうだ。少し下げた瞬間、突然吹いた風が暖簾を捲った。

カカシはすかさず、一瞬で平らげる。口布を戻すと、カカシは席を立つ。

「美味かった!じゃ、また明日ね」
「あー!!」
「カカシ先生!」
「チッ……」

3人の残念な顔を尻目に、カカシは自宅に急いだ。
ナルト達との時間が楽しくて、予定より帰宅が遅くなってしまったのだ。こんなに部下を可愛いと思うなんて、自分の中でも予想外だった。四代目は、きっとこんな気持ちで俺達のことを見てくれていたのだろう。

「名前ただいま」
「カカシさんおかえり!ん、ご飯食べてきました?」
「ナルト達がラーメン奢ってくれてね」
「わぁ、みんな優しいですね」
「そーだね」
「え?ちょ、カカシさん?」
「興奮してきちゃった」
「えぇ!?」

カカシは、名前の首筋に舌を這わす。恥ずかしがる様子が可愛くて、カカシはイタズラのつもりだったのに身体に火がついたのが分かった。

「本気になっちゃったかも」

ナルト達の任務が始まれば、盗撮されて出来なくなっちゃうしね。

「や、カカシ……」
「名前、エッチの時しか呼び捨てにしないんだもん」
「そ、それは……」
「じゃー、普段も呼び捨てね」
「はい…頑張ります……」

ソファに名前を押し倒すと、カカシは名前の体を余すところなく堪能した。





翌日、今日はアカデミーでお仕事。
資料を運びながら、名前は鼻歌を歌っていた。昨夜のカカシがあまりにも優しくて、名前は機嫌が良かった。

「あー!いた!」
「名前先生ー!」
「よぉ」
「あれ?ナルト君、サクラちゃん、サスケ君まで!」

ナルト達が名前のもとへ駆け寄る。ニシシと笑うナルトに、名前は勘付く。

「もしかして、カカシ先生の事でお願いがあるの?」
「げ!バレた!」
「ナルト、バカね!あんたは分かり易いのよ!」
「下らないが、ちょっとしたお願いがある」

ナルトは、名前に耳打ちをする。名前は、可笑しくて笑ってしまった。なんてこの子達は、可愛すぎるんだ。

「ウフフッ、カカシ先生の素顔なんてね。確かにカッコいいけど珍しいものじゃないでしょう」
「名前先生は特別なの」
「木ノ葉の里でカカシ先生の素顔を見た人は、一楽の二人と名前先生ぐらいだってばよ。」
「え!!そうなの!?」

名前は、目を真ん丸にする。
確か、出会って2日ぐらいで家で見せてくれた。だから、顔を隠すのは仕事中だけだと思っていた。

「そうだ。今まで色々やったが、全て失敗している。名前相手ならカカシも気を抜いてる筈だ。そこを狙う」
「そんなにカカシ先生の顔が貴重だったとは……」
「当たり前だってばよ!お願い!」

三人の可愛い瞳に見つめられて、名前は快くオッケーした。

「超極秘Sランク任務ね!私、任務って初めて!」
「命運は、名前先生に掛かっているってばよ!」
「今度こそ上手く行きそうね!」

4人は、作戦会議をし作戦当日を待った。





「ただーいま」
「おかえりなさい」

自宅に異変が起きたのは、翌週のことだった。
いつもと変わらない名前との家、何が変かというと何か目線を感じるのだ。

それに、ナルト達の匂いもする。

カカシは、気付かないフリをして目星をつける。リビングのカメラは4台。ふむ、死角は限られている。流石に寝室や風呂には付けていない。下忍の割には、上手く仕掛けたんじゃない?ま、それも上手く掻い潜ってやるから。

カカシは、名前を抱き寄せた。

「え!?ちょっと!?」
「なーに?家の中だから良いでしょ?」
「ん、まぁ……」

カメラ仕掛けられてるのを知ってる名前、焦ってるけど敢えてカカシは止めない。名前の後頭部を抱えると、口布を下げた。すかさず、名前の頬に手を添えると口付けをする。

焦ってる、焦ってる。

ジタバタする名前を余所に、カカシは見せつけるつもりでキスを止めない。

「名前可愛いね」

カカシは、ニヤニヤして名前を見下ろす。これは、バレてるなと名前は瞬時に確信した。何にもならないが、精一杯の抵抗をしてみる。

「カカシ先生のいじわる……」

初めて先生と呼ばれ、カカシの名前を抱き締める手が震える。ナルト達の前では、先生って俺の事呼んでくれてるのね。名前の口から先生と呼ばれることが、こんなに刺激的だなんて想像もつかなかった。

「名前、ソレ反則……」
「え?何が?」
「いや、なーんでもないよ」

このまま押し倒したくなるが、流石にカメラの前では出来ないか。あいつらには、キスだけでも刺激が強いかな。カカシはぐっと堪え、口布を上げると名前の体を離した。

「続きは、また今度ね」

それから食事では手や食器で隠し、テレビを見ている時でさえぐうぜんを装い顔を隠し続けた。死角では、顔を出しているがカメラには映っていないはずだ。カカシは、悔しがる3人の顔を想像する。

「ま、これだけダメだったらね……」

カカシは、風呂に入りながら勝利を確信した。




「名前先生!どうだったってばよ!」
「うーん、最初の方は飛ばしていいよ」
「?」

名前は、ナルトにカメラを渡すと仕事に向かった。
ナルトは、任務後にサスケとサクラを呼んで皆で確認作業に入る事にした。
撮影開始して、30分後。
口布をしたいつものカカシが入ってきて、名前を抱き締めた。

「げ!」
「きゃー!」
「……」

カカシが口布を下げたのに、キスする名前の頭とカカシの手で全く見えない。

『名前可愛いね。』
『カカシ先生のいじわる……』
『ソレ反則……』

2人の甘い会話が筒抜けになっている。3人はどんな顔をして、自分の先生達のイチャイチャを見れば良いのか分からなかった。

「カカシ先生、こんなことしてんのかよ」
「大人の恋人同士だから、当たり前でしょ!」
「カカシのを見るのは、思ったよりキツイな」

最早、3人の関心は素顔よりも2人のイチャイチャだった。あの飄々としたやる気のないカカシ先生が、名前先生の前であんな甘い男性になるなんて。あの優しさを、もっと普段の任務でも出してもらいたいものだと口には出さないが、3人共、同じ様に思った。
結局、最後まで確認したが、カカシの素顔は映っていなかった。

「やっぱりカカシ先生は、一筋縄ではいかないわね」
「……最早、どうでもいいがな」
「くそー!諦めねぇ!」


「ふーん、やっぱり上手くいってたね」

陰から様子を見ていたカカシ、上手く行っていたのを確認すると瞬身で自宅に帰った。やはり、もうカメラはない。カカシは心置きなく、額当てと口布を外した。

「名前ただいま。遅くなったね」
「おかえりなさい。お風呂先入っちゃいました」

頬がピンクに染まった名前を抱きかかえ、ベッドに押し倒す。

「カカシ…さん?」
「カカシじゃなくて、先生って呼んで?」
「え?どういう事ですか?」

何かの冗談だと思って、笑ってみせたが、真剣なカカシの目に、名前は照れながら可愛い声で呟いた。この目をしている時は、言う通りにしなければならないと本能的に感じ取る。

「ヵ……カカシ先生」
「ん、ごーかっく」

恥ずかしくて声が震えているのを感じた。満足そうに笑うカカシは、名前の服のボタンを外していく。

「カカシ……さん?」
「先生でしょ?」
「ん、カカシ先生」

舌と舌を絡ませ合いながら、名前の体を手のひらで優しく撫でていく。白い肌にゾワゾワと鳥肌が立つ。唇を離すと、混ざりあった唾液が透明な糸をひいた。

「名前、襲いたかったんだけど、ずっとカメラあったからね」
「やっぱりバレてたんですね」
「優しい名前だから、ナルト達に協力するって思ってたよ」
「ごめんなさい……」
「ナルト達と名前の仲が良くて嬉しいよ。ナルト達の前では、俺の事先生って呼んでるんだ」
「う……うん」
「じゃ、今夜は先生ね」

名前の胸の輪郭を指先でソワソワと撫で回す。もどかしいのに気持ちよくて、名前の胸の頂は触れてもいないのに充血し始めた。

「名前の…やらしーね」
「ゃッ……」

指先が輪郭から、中心に近付いてくる。それに比例して快楽が上がっていく。太腿から腰が、ゾクゾクと震える。触れられていないのに気持ち良いなんて、なんて自分の身体は厭らしくなってしまったんだろうと名前は恥ずかしくなった。

「最高に可愛い……」

指が頂に触れる寸前で、進みを止める。肝心の頂には触れることなく、名前の胸はカカシの指で愛撫され続ける。
もどかしくて、もどかしくて、名前は腰をくねらせる。

「気持ちいい?」
「ぅんッ…」

カカシの舌が、名前の首筋、鎖骨、ウェストをなぞる。白く透き通る肌を舐めると、舌が脳が甘くとろけた。
我慢できず、肌に吸い付くと紅い跡が肌に残った。キスを重ねれば重ねるほど、自分の中の独占欲が満たされる。

「名前、すっごく、綺麗」

名前の首筋に強くキスしながら、柔らかい胸を揉みしだく。

「そこ……見えちゃ…う」
「見せるんだよ。名前は、俺のだって」 

うなじにも印を残しながら、カカシは名前の胸の柔らかさを堪能する。ふわふわして、すべすべして、本当に美味しそうでたまらない。抱いた女は何人もいるが、こんなに全てが自分を刺激してくる女の子は初めてだった。
ずっと触られていない頂が、触って欲しそうにジンジンと熱を帯びていく。

「か……カカシせんせぇ…お願い」

名前の手が、カカシの指を握る。

「どーしたの?」

余裕で言ってみたものの、潤んだ名前の瞳に映るのは自分の余裕のない顔。女を抱き慣れているはずなのに、名前の前では何とも情けない、なんて自嘲する。名前を食べてしまいたい本能と、名前に気持ち良くなって欲しいと言う理性が拮抗する。

「せんせ…さわって?」

名前がカカシの指を自らの頂に持っていく。大胆な行動に、カカシの頭は沸騰した。あぁ、理性が消えてしまう。

名前の胸に、カカシはむしゃぶりつく。
やっと与えられた刺激に、名前の全身に稲妻が落ちたかのように快感が走った。

名前の胸にも、紅い花びらを散らす。

「名前」

寝間着の中に手を入れ、下着をずらすと濡れそぼった蜜壺がぷっくりと膨らんでいる。

恥ずかしくて顔を両手で隠す名前が可愛くて、カカシはイタズラしたくなる。そうしなければ、名前を壊してしまうから。指が蜜口をゆるゆると擦り、時折敏感な突起を掠めていく。
カカシは、指を名前の中に沈める。クチュリと濡れた音が、2人の耳を刺激した。

「名前の中、熱い……」
「言わ……なぃで……」

わざと蜜の音を立てて、指を掻き回した。胸の頂を舌で転がしながら、指を抜き差しすれば、名前は嬌声をあげた。
今度は、蜜を吸い上げる。甘美な名前の蜜で、カカシの舌がピリピリと痺れていく。鼻から思い切り吸い込めば、花の香りと淫靡な香りが麻薬のように脳を支配した。
どんなに舐め取っても、蜜がどんどん溢れてくるそこは熱くジュクジュクと熟れていた。

「ぁあ!」
「名前、我慢できない……もっと可愛い声聞かせて」

そう言うと、小さな両膝を広げ、カカシは大きく反り立った自らを名前に挿入した。名前は体を仰け反らせ、懇願するようにカカシを見つめる。

「キツ……」

何度されても、カカシを締め付ける名前のナカ。入れただけで、カカシは果ててしまいそうだ。ぐっとこらえ、ゆっくりと腰を動かし始める。
大きなカカシが、小さな名前の体に全て入ってしまう。
自分自身が名前を支配している気がして、カカシの独占欲が堪らなく満たされる。

「名前ッ…」
「ッカシせんせ…」

気付けば夢中で腰を振っていた。名前の揺れる乳房、濡れた睫毛、美しく甘い声を聞くだけで理性が保てないなんて。

「はぁ…悪い子だね…」

形が変わるほど胸を揉みしだき、カカシはラストスパートをかける。2人の体がぶつかり合う音が部屋に響く。
壊れてしまう、名前は縋るようにカカシにキスを求めた。
カカシは、名前の一番奥に快感を吐き出す。熱が注ぎこまれ、名前は気を失った。





名前が目を覚ますと、すぐ目の前にカカシの胸板があった。抱き締められて眠っていたようだ。

「名前、起きたね」

見上げると、優しく微笑むカカシ。なんて、かっこいいんだろうと名前は惚れ惚れする。こんな素顔を知っているのは私だけだと思うと、何だかくすぐったくて名前はクスクス笑った。

「カカシ…さん、かっこいいね」
「急にどうしたの?」
「ううん、思ったから言っただけです」

名前は、照れ臭くなってカカシの胸板に顔を埋めた。カカシは名前を体の下に組み敷く。驚いた顔が可愛くて、カカシはニヤニヤと笑う。

「カカシさん…?」
「可愛過ぎて…おじさん、興奮してきちゃった」
「え!?」

カカシが名前に覆いかぶさる。かわいい胸を優しく可愛がりながら、キスをする。名前は、カカシの体を押して抵抗するが、それさえも可愛いとしか思えなかった。

「名前、またあの可愛い顔見せてよ」
「えっと……」
「ま、嫌でも見せてね。俺だけに」

再び、名前はカカシにたっぷりと可愛がられた。



番外編 end

ー28ー

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