悪魔に捕らえられた天使 誰も居なくなった放課後の教室。 腰を掴まれて痛いくらいに突かれる。未だに慣れないこの不快な行為に吐き気がする。 「あ、ンっ…!んんんっ」 「もっと腰上げろ」 「むり、ぃ…っ!立って、られなっ…」 「痛くされたいのか?」 「ひぃ…っ!うっ、んん…!」 子宮の奥までぐりぐりと突き上げられてもう立っていられなくなる。ぐちゅぐちゅと卑猥な音と、肌がぶつかる音。私たちの吐息だけが響くこの空間は酷く心地が悪い。何で私、こんな事されてるんだろう。 「は…あっ、出るっ…」 「ん、んぅっー!」 声を出さないように自分の腕を必死に噛む。歯型がつくぐらいに。痛くても構わない。ここに痛みが集中すればアソコが擦れてヒリヒリする痛みなんて忘れられる。 「ウゼェ。泣くな」 「ふ、ううっ…、ひっぐ」 「ウゼェって言ってんだよ!!」 先輩の手が私の頬を叩いた。乾いた音が更に痛みを増させた気がする。でもこんなのより、心の方が全然痛かった。 切原先輩と私の関係が始まったのは私が立海に入学して間もなくの事だった。 屋上で寝ていたらとっくに下校時刻を過ぎていて、裏門から出るために近道をしていた。近道するためにはテニス部の部室を通らなきゃいけなくて、その時にちょうどテニス部の部室から人の声が聞こえた。 「…、ぁ、っん…!」 女の子の、声…?男子テニス部から女子の声が聞こえるってことは…ああそういう事か。物音を立てないように足早に過ぎ去ろうとしたら躓いて派手に転んでしまい、部室の声が一瞬止んだ。 「お前、誰?」 部室から出てきたのはシャツを肌蹴させた切原先輩だった。中に居た女の子も制服が乱れていて、思わず顔を背けた。 「あ、あの…たまたま通り掛かっただけで…、だ、誰にも言いませんから」 「は?誰がお前の言う事信じると思ってんだよ。……………おい」 切原先輩は先程まで行為に及んでいた女子(たぶん先輩)を呼んで部室から出した。その人はあたしをキッと睨みつけて走って行ってしまった。 切原先輩とこんな状況で二人きり。正直、気まずい…。 「おい」 「はい………、きゃっ!」 切原先輩に腕を引っ張られて部室の中の床に押し倒された。 「口止め料な」 部室の鍵が閉まった音が、やけにうるさく響いた気がした。 20110908 |back|>> |