亡霊が思うには


 07

 目を閉じ、強く念じる。唯一の友人に会いたいと。そうすれば、会える。

 どれくらい経っただろうか。一秒一秒が酷く長く、自然と緊張する。
 ……変わらない。
 その事実に内心焦り始めたときだった。先程まで耳元で煩いくらい鳴いていた蝉の鳴き声が遠くなった。じめじめと湿った周りの空気が変わり、以心伝心が成功したことに気付く。
 どうやら焦らされれば焦らされる程思いが強くなるようだ。正直、あまり気持ちよくはない。

 冷や汗を滲ませ、全身の緊張を弛めながら俺は目を開く。そして、停まった筈の心臓が跳ねるのに気付いた。
 見覚えのあるワンルーム。あまり物が多いとはいえないその質素な室内の中、俺は一人佇んでいた。
 俺の部屋だ。
 一瞬、本当に自分の家に瞬間移動してしまったのだろうかと焦ったがそうではない。恐らくここも仲吉の夢の中なのだろう。
 モノクロの室内、俺は辺りを見渡しいるはずのもう一人を探す。
 もしかしてこれ、違う部屋にも行けるのだろうか。なんて思いながら仲吉の姿を探していると、意外とすぐ近くにいることに気付く。
 テレビの前に置かれた卓袱台の側、そこに顔を伏せ仲吉は眠っていた。
 夢の中まで眠るのってどうなんだ。寝ているところを邪魔するのは気が引けたが、今はそんな場合ではない。一刻を争うかもしれない事態だ。

「おいっ、仲吉、仲吉ってば。起きろ!」

 ずかずかと歩み寄った俺は言いながら仲吉の肩を掴み、ガシガシと揺すった。何度か耳元で名前を呼べば仲吉は唸り、ゆっくりと顔を上げる。
 久し振りに仲吉の顔の顔を見た。前よりか心なしか顔色はよくなっていたが、やはり痩せた。いや、今は感傷に浸っている場合ではない。
 懐かしい感覚が込み上げ、つい他愛ない世間話がしたくなったがそれを必死に堪えながら俺は「おい」ともう一度仲吉の肩を強く揺らした。

「ん……?あれ?……じゅんいち?」

 寝惚けたような声。
 こちらを見上げる仲吉はそのまま何回か瞬きをさせ、そしてハッとする。

「準一?準一なのか?本物?」
「……そうだよ、それ以外に誰がいるんだよ」

 というか偽物なんているのか。
 思いつつ、恐る恐るペタペタと体に触れてくる仲吉の手を掴み、離す。

「時間がないんだ。取り敢えず、用件だけ言うから聞いてくれ」
「時間……?っていうか、あ、そうだ。俺の書いた手紙見てくれた?」

 言った側からさっそく脱線している。
 思い出したように目を輝かせる仲吉に内心舌打ちしながらも俺は「その件は後で言うからとにかく聞け」と強引に話題の軌道修正を図った。焦りから自然と力が入り、語気が強くなる。
 キツい言い方になってしまったが、現実世界との時差を考えればモタモタしてる暇はない。

「なんだよ、そんな怒んなくていいじゃん……」
「いや、今のは悪かった。取り敢えず、仲吉に頼みがあるんだ。俺が死んだ山あったろ?あそこに救急車一台呼んでくれ、怪我してる人がいるんだ」
「は?俺が?」
「そう、お前にしか頼めないんだ。頼む、目が覚めたらすぐに救急車呼んでくれ」

 終始まだ目が覚めてないようだった仲吉だが、俺の言葉に目をぱちりとさせ、ようやく目が覚めたような顔をする。

「……夢じゃないんだよな」
「夢じゃないってこの前説明しただろ」

 確認してくる仲吉に俺はそう即答する。

「とにかく、頼んだからな。俺がいなくなったら多分きっと目ぇ覚ますだろうから、そしたらすぐに電話だ。あの山に救急車一台。わかったな?」

 仲吉の顔を見据え、そう念を押すように最終確認をした。
 こうして話してるだけでも力を消耗しているのかもしれない。胸が息苦しくなったが、仲吉の顔を見てると少しだけそれが軽くなる。それでも、ゆっくりと限界が近付いているのだということだけはわかった。
 そんな俺のことを悟ってか、仲吉は「わかった」とだけ頷き深くは聞き出そうとしてこない。その一言に、俺はほっと安堵する。

「……じゃあ、俺はもう行くから」

 帰るというのもなんだか可笑しくて、どう言えばいいのか迷った結果そう別れを切り出すことにした。
 時計のないこの異空間、今現実世界ではどのくらい時間が経過しているかわからない。
 もう少し、ゆっくり話したい気持ちを押さえ、俺は仲吉を解放することにする。
 思い浮かべるはあの屋敷の前。目を細めたとき、不意に「なあ」と仲吉に声をかけられた。

「今度はちゃんと休みとって会いに行くから、地図用意しろよ」

 どこか心配そうな顔した仲吉はそう俺を見上げ、言う。
 そして仲吉を含め、視界が蜃気楼のように霞み始めた。
 仲吉を強制的に幽体離脱させた俺がいなくなることによって、仲吉が夢から醒めようとしているのだろう。有無を言わせない仲吉の言葉に、俺はつい苦笑を漏らした。

「わかっ……──」

 そう言いかけたと同時に視界が切り替わる。
 先程までいた部屋は跡形もなくなくなり、夕闇に包まれた森の中に俺は立っていた。
 何時くらいだろうか。仲吉と接触する前まではまだ昼間のような気がしたが、今はもう夕方だ。実際に話して大して経っていないはずなのにこれだ。
 結局仲吉の最後の問いにちゃんと答えられなかったが、よかったかもしれない。
 さっきは空気に流され「わかった」と答えそうになったが、本当は仲吉にここの屋敷を教えるつもりは更々なかった。
 花鶏はああ言っていたが、やはり死者と生者とでは感覚からなにからなにまで違ってくる。
 自分の流されやすさにも呆れさせられたが、取り敢えず今は花鶏を探そう。
 間に合ったかわからなかったが、とにかくやれることはやったはずだ。
 時間が経過した今、辺りには花鶏や旅行者の姿はなく、ただオレンジ色の深い闇だけが広がっている。
 ここにいないということは、恐らく花鶏は既に屋敷に戻っているはずだ。根拠はないが、そんな気がした。
 瞬間移動を使って応接室へ移動しようと思ったが、以心伝心前の花鶏の言葉を思い出した俺は素直に徒歩で屋敷まで戻ることにする。

 ◆ ◆ ◆

 場所は変わって屋敷内応接室。
 途中道に迷いつつもようやく目的の場所へ辿り着くことができた俺はへとへとになりながらその扉を開く。結論から言えば、花鶏はいた。
 花鶏の座る向かい側のソファーには南波らしき人影もある。南波はリードを持て余したままソファーの座面に俯せになって寝ていた。

「どうでしたか?」

 開口一言、扉から入ってくる俺の方を見た花鶏はそう尋ねてくる。
「一応、伝えてきました」そう答えながら俺は南波を一瞥し、そのまま花鶏の隣に腰を下ろした。
 そういや、南波の首輪のことすっかり忘れていた。
 花鶏と南波が一緒にいるということは間違いなくリードを捨てたことがバレてしまっているが、花鶏がなにも言わないということはあれなのだろう。緊急事態だったし。というか南波のリード外したら俺に首輪云々の下りも冗談なのかもしれない。南波のことについてなにも言われないのでなにも聞かないことにする。

「そう言えば、あの人は……?」

 咄嗟に辺りに視線を向けた俺はあの旅行者の姿がどこにもないことに気付き、そう恐る恐る尋ねた。
 双子の言葉を思い出し、嫌な予感が脳裏を過る。
 俺の心情を察してくれたのか、花鶏は「ご安心下さい」と柔らかく笑んだ。

「準一さんが仲吉さんに接触している間、あの方が気絶したのでそのまま崖の上に届けておきました」

「……まあ、一人では大変でしたので奈都君に手伝っていただいたんですが」そう変わらない調子で続ける花鶏に俺は心底安心した。
 崖の上というのは前日、藤也と一緒にいった場所だろう。確かにあそこを一人は大変だ。相手が足を怪我している分尚更、寧ろ二人でもキツいかもしれない。

「お疲れ様です」

「ええ、力仕事なんて大分久し振りでしたから大変でしたよ。肉体労働係の南波は使い物になりませんし、おまけに双子はずっと部屋に籠ってますし」

 やけにチクチクと刺さる花鶏の言葉に内心冷や汗を滲ませる。
 背凭れに背中を預ける花鶏に「……お疲れ様です」としか言えず、咄嗟に俺は話題を変えることにした。

「そう言えば、奈都は……」
「ああ、奈都君なら上であの方を見張ってもらってますよ。救急車が来たときのため、誰かが様子を見ていた方がいいでしょう……と奈都君が言ってました」
「一人でですか?」
「ええ。私も一緒に様子を見ようと思ったのですが、準一さんが戻ってきたことも考えてここでお留守番させていただきました」

「別に面倒だったわけではないですよ?」と笑いながら付け足す花鶏。
 花鶏がサボったか否かの真偽はわからなかったが、恐らく奈都の判断は正しいだろう。

「……じゃあ、俺も奈都のところまで行ってきます」

 座ったばかりの腰を持ち上げようとしたとき、「お待ちなさい」と花鶏に制される。
 やんわりと腕を引っ張られ何事かと花鶏の方を向けば、花鶏は「もう少しだけ」と小さく笑った。
 旅行者のことも心配だったが、このままでは花鶏も離してくれそうにない。
 促され、再び俺は渋々とソファーに腰を下ろす。

「そう言えば、準一さん。あなた、南波になにか良からぬものを飲ませたんじゃないんですか?」

 ずっと知らんぷりしていたが、やはり言われたか。
 にこにこと微笑んだまま突っ込んでくる花鶏にギクリと体が強張る。

「……まさか、効果があるなんて思ってなくて」
「おや、自分で試さなかったのですか?ちゃんと我々にも味覚はありますよ」

 呆れたように続ける花鶏に俺は「そうなんですか?」と白々しく答える。
 酔っぱらった南波の姿を見る限り想像ついたが、そういえば俺はまだなにも口にしていない。

「まあ、味覚というより記憶と言った方が適切かもしれませんね。それを食べて味わうのではなく、食べるという行動によって生前に食べたそれの味を思い出すわけですから」

 そう淡々とした調子で続ける花鶏。
 つまり、食べたことがないものを食べれば味はしないということか。もしくは、それに似たなにかに味覚をすり替えるか。
 そう考えてみれば、たかが甘酒ででろんでろんに酔っぱらった南波に納得出来た。

「なんかお得ですね」
「まあ、衣食住をいとわない私たちには必要ないのですが、やはり好きなものを食べるという行動そのものに意味があるんでしょうね」
「……なるほど」

 哲学的なことが苦手な俺からしてみれば頭が痛くなるような話題だったが、花鶏が言っていることもなんとなくわかるような気がした。あくまで気がしただけだ。

「準一さんもなにか口にしてみてはいかがでしょうか。少しは元気になりますよ」

 そんな俺の気を知ってか知らずか、花鶏はそう声をかけてくる。
 この屋敷に食べ物があるのか。そのことに驚いた俺はつられるように花鶏を見た。
 すると、花鶏はソファーの影から見覚えのある紙袋を俺に手渡してくる。

「あの、これって……」

 この紙袋は俺宛のお供えものであり、以心伝心する直前に旅行者の荷物と一緒に花鶏に押し付けたものだ。
 なんでこんなところにあるんだ。呆れたように紙袋と花鶏の顔を交互に見れば、花鶏はにこりと微笑む。

「賞味期限がわからなかったので渡すのはやめておきました」

 もしかして俺のことを気遣ってくれたのだろうかなんて都合のいい思考を働かせてみるが、それが本当か嘘かはわからなかった。
 おずおずと花鶏から紙袋を受け取った俺は中を覗く。見事に手を付けられていない。なんて思いながら中を漁って、俺はある一つのことに気付いた。

「あの……花鶏さん」
「はい、なんでしょうか」
「これって、俺が渡したときのままですか?」

 そう花鶏に目を向ければ、花鶏は「ええ」と小さく頷く。
 ポーカーフェイスの花鶏の言葉を鵜呑みにするつもりはないが、嘘をついているようにも見えない。
 ということは、どういうことだ。自然と体が緊張し、胸の底から焦燥感が込み上げてくる。
 紙袋からは入っていたはずの茶封筒が丸々消えていた。

 なんで封筒が無くなってるんだ。確か紙袋に入れていたはずだ。動揺する自分を落ち着かせ、どこで茶封筒が消えたのか考える。紙袋から目を離したといえば、確か双子から旅行者のことを聞いたときと仲吉に会いに行ったときだ。そして紙袋に食料をいれるとき、あの時点で茶封筒はあっただろうか。
 元々あまり記憶力がいい方ではないが、なんとなくあの時にはなかったような気がする。
 駄目だ、思い出せない。
 しかし、花鶏の言うことを信じるならば茶封筒は既に消えていたということになる。
 旅行者を探しに行って戻ってくるまでの間、瞬間移動を使ったから然程時間はかからなかったはずだ。だとすると、あのとき俺の部屋に居たやつがなにか知っている可能性がある。
 南波と双子か。幸い、南波はいまこの場所にいる。こうなったら直接話を聞いてみた方が早いだろう。
 仲吉に場所は教えないと決めていたはずなのに、茶封筒がなくなって必死になっている自分に自然と苦笑が浮かぶ。
 俺はソファーの上に横になっている南波に目を向けた。

「南波さん、……南波さん」

 ソファーに座ったまま、そう南波を呼ぶ。
 が、返事はない。

「……南波さん、どうしたんですか?」
「見たままです。酔い潰れてるんですよ」

 恐る恐る尋ねれば、花鶏はそうやれやれと肩を竦める。
 酒の味を思い出して気分まで酔っているということだろうか。

「もう暫くはこの調子でしょうね。急ぎの用ならばバケツに水を汲んで来ますよ、頭から一杯被せれば覚醒するでしょう」
「……いえ、大したことじゃないんでやっぱり大丈夫です」

 全くもって大丈夫じゃないのだが、気分良くなったところに水ぶっかける南波を想像したら流石に可哀想だったので丁重にお断りさせていただく。
 この様子だと、南波は茶封筒のことすら知らない可能性が高いだろう。
 だとすれば、残された可能性は一つだ。

「花鶏さん、藤也たちが今どこにいるかわかりますか」

 そうストレートに尋ねれば、花鶏は少しだけ意外そうな顔をする。
 そして、すぐに柔らかい笑みを浮かべた。

「二人なら恐らくまだ部屋にいると思いますよ」
「……部屋ですか」
「ええ。場所、わかりますか?」

「よろしければ案内させていただきますが」相変わらず空気は読めるようだ。
 こちらから頼み込む前にそう気遣ってくる花鶏に俺は「じゃあお願いします」と軽く会釈する。
 というわけで、俺は花鶏とともに応接室を後にした。

 もし双子が茶封筒を見付けて持ち去ったとすれば、それがちゃんと残ってるかどうかすら怪しく思うのは恐らく先ほどのことがあったからかもしれない。
 幸喜はともかく、藤也が破って捨てたりするようなやつとは思わないがやはり無事だという確証はもてなかった。

 薄暗く長い廊下の中。
 足音なく静かに歩く花鶏についていく。
 花鶏がいうには、住人たちの部屋は何ヵ所かに分かれているらしい。
 俺の部屋がある場所がA棟とすれば、藤也たちの部屋があるのはその真逆に位置するB棟のようだ。
 というわけで俺はいつも通っている通路とは逆の通路を歩いていた。
 正直方向音痴の俺からしてみれば逆とか言われても全部同じようにしか見えない。花鶏がいてよかった。なんて改めて思いながら歩いていると、壁に取り付けられたたくさんの扉が視界に入る。
 俺の部屋がある通路同様どこかどんよりとした空気の中、花鶏はとある扉の前で立ち止まった。

「こちらです」

 どうやら、この扉の先が藤也たちの部屋になっているようだ。
 その扉には一本の錆び付いた釘が刺さり、そこを中心によくわからないシミが滲んでいる。
 そのまま視線を下ろせば、扉の下からよくわからない虫が這い出てきて俺は冷や汗を滲ませた。
 部屋の中からなにか話し声が聞こえてきて、二人がここにいることが確認できる。
 ……ものすごく入りたくない。
 虫を避けながら俺はちらりと花鶏に目を向けた。

「呼びますか?」

 どうやら俺の表情からなにか悟ったようだ。
 花鶏はそうドアノブに手をかけ、俺に尋ねてくる。
 結果的に頼りっぱなしになるのは申し訳なかったが、その気遣いは俺にとって非常に有り難いもので。つい花鶏の好意に甘えてしまう。

「……お願いします」

 そう頷けば、花鶏は小さく笑いそのままドアノブを捻った。
 ノックせずに入って大丈夫なのかと驚いたが、よく考えたら俺もよく不法侵入されている。
 俺たちにとって扉という隔てはあってもなくても同じということか。
 なんて思いながら、俺は開かれる扉から部屋の中を覗き込む。
 丁度そのときだ。

「だーっ、だから違う違う!もう、俺がやるから貸せってば!」

 薄暗い部屋のその奥から珍しく怒ったような幸喜の声が聞こえてくる。
 俺の部屋と同じ広さの部屋のそこは想像したよりも片付いており、奥の窓際に置かれたテーブルの側に二人の姿があった。

「幸喜字下手だからやだ」
「なんだよー藤也だって絵下手じゃん。見ろよこれ、ちんこ書いてんじゃねーよ」
「ち……っ、これ、木だから……っ!」

 どうやらなにか揉めているようだ。俺たちに気付いていないのか、背中を向けるような形で言い争う瓜二つの青年が二人。
「いいから貸せって」言いながら藤也からなにか強引に奪う幸喜。

「返してよ、馬鹿」

 そして、それにつられるようにして幸喜に腕を伸ばす藤也。
 瞬間、俺はそのテーブルの上に見覚えのある茶封筒を見つけた。

「おい、お前らそれ……っ」

 気付いたときには体が勝手に動いていた。
 慌てて部屋の中に入れば、扉の前の花鶏に「準一さん」と呼び止められる。が、いてもたってもいられなかった。
 俺の声に反応するようにこちらを見てくる二人を無視してテーブルの元まで歩いていった俺は、台の上に置いてあった例の茶封筒と白紙だった紙を見つける。過去形だ。

「…………っ」

 言葉が出ない。
 予め地図を書くよう用意された用紙には下手くそな絵が書かれていて、その絵がこの屋敷までの道程を表しているものだと気付くのに然程時間はかからなかった。

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