Open sesame!47



「後輩くんは尾白のこと前から知ってたんだ?」
「はい」
日向も尾白に倣い、はっきり答える。
「じゃあもう尾白がそういう力を持ってるって、受け入れてるってことでいいのかな」
これにも日向は芯を通した声ではいと答えた。するとなぜかと問われたので、日向は少し考えてから口を開く。
「何でと言われましても尾白先輩だからとしか……何でしょう、なんだか納得してしまえたんですよね。先輩ならと思えました」
尾白の件がまず始めにあったから、日向は鶴先輩や神無月のことを受け入れられた。この人だからこそと思えることはあるのだ。少なくとも日向には尾白がそうだった。そしてそれは恐らく徳さんも同じだろう。方向性は違えども鶴先輩が言っていた神無月への確信も似たようなもので、しかし決定的に違うところがあった。――例えば、相手への絶対的な好意とか。
「うん、俺もさくらちゃんだから信じられる」
「なっ」
徳さんの何のてらいのない発言に鶴先輩は言葉を失う。追い打ちに耐えられなかったらしい。しかしおかげで日向と徳さんの間で急速に膨れ上がったものがあった。仲間意識というやつだ。そんな三人を他所に尾白は顔をそらして肩を揺らして笑っている。意外に笑い上戸な人だと日向は思う。
とりあえず徳さんへの説明は後で鶴先輩がすることになり、次に徳さんは日向に鶴先輩のことも知っていたのかと聞いてくる。鶴先輩自身と尾白から説明を受けていたと打ち明けると、答えた日向をしばし観察していた徳さんは――恐らく鶴先輩へのマイナス感情がないか探っていたのだ――、納得したように椅子に背を預ける。それならいいと引き下がった。
そして次に声をあげたのは尾白だ。
「神無月がそうした力を持てた理由について、何か心当たりはないか?何でもいい」
先程鶴先輩が語った能力開花の経緯や自然発生以外で、と付け加える。神無月自体の厄介さはどうしようもないとしても、能力自体をどうにかできるならそれに越したことない。それを知れるなら鶴先輩や尾白の能力解消も叶うかもしれなかった。
矛先を向けられたのは向かいに座っている鶴先輩と徳さんの二人で、鶴先輩が咳払いをして尾白の質問に代表して答える。
「これもあまり確証のある話ではないのですけれど、神無月の家では何か不思議なものを祀っていると聞いたことがあります。――あなたは聞いたことはない?」
最後は徳さんに水を向ける。徳さんは腕組みをしてなんとか記憶の海を辿ろうと唸った。
鶴先輩と徳さんはこの土地で生まれ、育った。神無月と同じ学校になったのは高校からだそうだが、それまでも事業関係や親戚付き合いで直接会う機会や噂を聞くことがあったという。鶴先輩の家と神無月の家は過去にあった姻戚関係により遠縁にあたり、そして徳さんの家は古くから鶴先輩の家と親しくしているからそこから耳に入る情報もある。
「聞いたことはある、かな。だけど俺はそういうのは眉唾だと思ってたけど」
「ええ、なかには成功者へのやっかみで言っている者もいるでしょう。けれど、私が聞いたのは神無月の方から自分達の成功は“それ”のおかげであると吹聴しているという話でしたの」
鶴先輩がその話を聞いたのは自分の親からで、箔を付けたいのか知らないがそんなことをしなくても十分に事業は成功しているだろうにと、鶴先輩の親は酒を舐めながら苦笑いで神無月の行動を語っていたそうだ。
それに日向達が知る神在の直系たるあの自由過ぎる神無月には高校に入るまで一人の人間が付き従っており、その人物にまつわる話もまた特殊だという。
「その子が神通力らしきものを持っていると聞いたことがありますわ。これも噂ですけれど。……こうしてみるとはっきり言えるものが少なくて、もどかしいですわね。それともあえてこうした噂のばら蒔き方をしているのかしら」
「……なんだか学校の噂と似ていますね」
あちこちに散りばりながら不透明で断片はあるのに捉えきれない。それは白い毛玉にも言えることで、そもそも噂とはそういうものなのかもしれない。
「全くの偶然、ってわけにもいかないんだろうな」
神無月に校内の人気を釣り合うように操作したと言いきられた尾白はげんなりした色を隠そうともしない。
そしてこの場でそうした憂鬱とは関係のない立ち位置にいる徳さんが、“神無月の後輩”から思い付いたことを言う。
「そういえばあいつ、こっちに来てないんだな。いつも一緒にいたらしいのに」
そう言いながら日向を凝視してきた。テーブルがあるから全身は見えないが、それでも日向の座っている姿全体をしみじみと眺め回している。
「あの、何か?」
訝しむ日向へ、やはり徳さんは何かを見定めるように細い目を向けたままだ。
「いや……そういえば背格好が後輩くんに似てたなあと思って」
「僕にですか?」
「確か年も日向くんと同じだったはずですわ」
「ああ、俺の一個下だったな、あいつも」
そういえばそうだったと思い出して納得している徳さんの隣で、実は執事服を融通してくれたのはその人なのだと鶴先輩は手を口許に翳し、声を潜めて日向にこっそり教えてくれる。その人物は大層目端のきく人物で、だからこそ神無月と別の意味で油断がならないとも。
そんな人物に借りを作っていいのかと日向は心配になったが、実は神無月を探るための口実作りの面もあったのだと鶴先輩は猪突猛進ぶりをここでも発揮した。執事服はその場で神無月情報と引き換えになったらしく、しかし残念ながらこちらも成果らしい成果はなかったとのことだ。
実はその例の執事服一式について日向は少し困ったことになっている。てっきりあの一回のために貸してくれたと思い込んでいたのだが、どうやらその日向と同い年だという後輩くんはその執事服一式を日向に丸ごとくれるつもりで鶴先輩に預けたのだという。とりあえず自宅の部屋の引き出しに恐る恐る保管してあるが正直どうしたものやら、置き所が分からない。鶴先輩の人物評を聞いては尚更である。とりあえず近々クリーニングに出さなくてはと思っているのだが。
「体よく処分に利用されたのだと思いますわ。現にそう言っていましたもの」
あの人ああいうよく分からないものをよくお持ちですの神無月関係でと補足して、だから日向はあの執事服に対して何かしらの対価を要求されることはないし嫌でないなら受け取っておいたらいい、というのが鶴先輩の意見だった。いらないなら捨ててくれと鶴先輩から伝言を聞いたときにはさすがに眉が下がった日向である。いっそ雨月に、と思うが彼女の体型にあわないものを送っても仕方ない。
積極的に嫌ではないが微妙に気後れする。そんな印象を彼の人と送られた物に引きずりながら日向は鶴先輩と会話していく。そしてまだ話の続きがありそうだった鶴先輩を遮って二人の間に割り込んできたものがある。
「……さっきから何の話だ?」
穏やかなのに無視できない。妙な迫力のある声音だった。重みがあると言えばいいのか。日向がそちらに顔を向けると尾白が頬杖をついて謎の微笑みを湛え、こちらを見ていた。気のせいか目が笑っていない。とっとと教えろとほのかな威圧感が伝わってくるが、日向の恋心はその圧迫感にすらキュンと震えた。だってそんな尾白もかっこいい。よく考えたら内緒話ができる環境でもないのだった。
しかし友人達をもてなしただけならともかく、不相応のコスプレまでしたと打ち明けるのはどうだろう。他の人に言うならまだしも、尾白相手となると恥ずかしさが先に立つ。日向が口ごもっていると徳さんも、執事服とか聞こえたけど、と面白がって口を挟んでくる。
私から言いましょうかと鶴先輩が助け船を出してくれるも、にべもなく尾白から阻止される。
「いい。俺は日向から聞きたい」
そんなことを断固として言い切り、伸ばされた指先が日向の顎にそっと添えられた。顔を真正面から向き合わされる。ほんの少し剣呑さを纏った朝焼けの瞳が日向に刺さり、その手付きも力加減も何もかもが優しいのに、日向を絡めとる視線はどうあってもこの人は狩る側なのだと思い知らされる。日向は硬直し、息を詰めた。怯えたわけでも嫌な緊張で体が縛られたわけでもない。ただ痺れるような、うっとりした心地が心身を甘く支配し、それを察知した尾白の目元がいい子だと宥める色に緩まる。とろりと身の内に嬉しさが滲み、それが外側に漏れだしていく。
「日向。――教えて」
指先で顎と喉をくすぐりながらの先輩の“お願い”に後輩は一切合切を白状せざるを得なかった。そういえばこの人は必要とあらば思いきった行動を取れる人だったのだ。徳さんと鶴先輩はそんな二人の一部始終を面白そうに野次馬している。
説明を終える頃には日向の顔の赤みは引いていたが、その結果としていつのまにか撮られていた執事服での給仕姿やら何やらを鶴先輩から尾白へ、そして徳さんにまで拡散される羽目になっていた。屋上で話した際は諸々のことで有頂天になり、まだあの日の格好のことや写真のことは尾白に伝えられていなかったのだ。
先輩達は日向を肴にひとしきり盛り上がる。その日向は尾白から頭を一撫でされてあっさり機嫌を持ち直していた。
そして鶴先輩が改めて話を切り出す。
「その神無月のお付きの後輩くんの方ですけど、近々どうやら転校してくるみたいですの」
あっと日向が発言した彼女の方を見やる。鶴先輩は重々しく頷いた。先程言おうとしたことの続きであり、卯月達と廊下で先生と話した内容が思い起こされる。そのまま鶴先輩が尾白と徳さんに詳細を加えていく。考えすぎかもしれないが、もしかするとあの先生は異能関係で神無月と接触していた可能性もある。
確認を取ったのかと問う徳さんに勿論ですわと鶴先輩は太鼓判を押す。その後輩くん本人から、そういうわけなのでよろしくお願いしますと頭を下げられたのだそうだ。この件に関しては不気味なほど素直に教えてくれたらしい。ううんと唸ったあと、じゃあ間違いないかと徳さんも認めた。あの二人が揃うと何か起きそうだよなあと何気なく落とされた呟きに日向の隣で緩んでいた尾白の気配がピンと張るのが分かった。
徳さんは脳裏に浮かんだ記憶の欠片を追いかけるように神無月とその後輩くんの印象を語っていく。
「……主従関係ってほどじゃないけど、それっぽい関係の二人だったってことは覚えてる。基本後輩くんの方に決定権はなくて、大体のことは神無月が決めてた。俺の一方的な印象だけど」
「かといって、あの人の言いなりになるようなしおらしい性格の人でもありませんのよ。でも、神無月に来いと言われたら来ざるを得ないでしょうね。例え学校を変えることになったとしても」
「そんなに簡単に転校してしまえるんですか?」
日向の驚きに、それができてしまうのが神無月だ、ですわ、と鶴先輩と徳さんが声を揃えて断言する。そのあとお互いびっくりした顔を見合わせていた。どうやら被るとは思っていなかったらしい。
隣からふんと鼻を鳴らす音が聞こえたので日向はそちらを見る。尾白は優しい眼差しで二人を見ていた。こういう人だから愛おしいのだと、日向の口許も緩む。隣の彼と、息ぴったりの二人の先輩が微笑ましくて好ましかった。
それはそうと日向も“先生”から連想した件を他の三人に報告する。保健室送りになった三人が話していたこと、教師の金銭が盗まれた経緯とその状況について。鶴先輩が話した廊下でのことと考えあわせると辻褄があう部分があった。
「その先生が神無月と何を話していたかだな……」
「もう一度話を聞いてみますか?先生か、あの――」
日向が言い淀んで鶴先輩を窺う。彼女はにっこり笑って、心配ご無用ですわと頼もしく応じた。日向も釣られるように気丈な彼女を称える気持ちで目顔で感謝を伝え、鶴先輩には嫌な記憶が多いだろうその人物の名前を言おうとして――肝心の名前を知らないことに気付く。
「あの、鶴先輩を……」
そこから先を言うに言えなくなってしまった日向に、私にしつこく付きまとっていた方ですわね、と鶴先輩本人がはっきり言ってしまう。名前を分かっていて言わないのか、彼女自身も知らないのか。いずれにせよさっきと変わらない筈のにっこり笑顔から妙な威圧感を覚えるので、まだ彼女の該当の人物への怒りと自分への忸怩たる思いも消えていないようだ。こんなとき鶴先輩を横からサポートしてくれる徳さんは何か気になることがあるらしくじっと考え込んでいてこちらに混じってくる気配はない。
「いや、聞いても無駄だろう。教えてくれるとも思えない」
尾白がもっともな意見を出し、鶴先輩が同意する。
「正攻法では無理でしょうね。校内で盗難があったなんて私も聞いたことがありませんもの。盗み自体を不名誉なものとして握り潰したか。それとも……」
「あの人の仕業だと考えて見ない振りをしたか」 
最後に日向が発言し、しかしどれが正解なのかはこの場にいる者には誰も分からない。
いずれにしろ神無月とその後輩くんと共に先生にも警戒が必要だろうと結論をまとめたところで、徳さんが思い出したと大きな声をあげて組んでいた腕をほどき目を輝かせた。
「そうだ、そうだよ。思い出した!俺、あの日にあいつのこと見たっ。ほら、尾白が告白された――」
興奮気味に喋っていたと思ったら急に口を噤む。今度は徳さんが日向に気まずげな視線を寄越した。それから自分がどんな音量で話していたかに思い当たり、立ち上がって周りの客と店主にペコペコと頭を下げる。ばつが悪そうに座った彼に、何をやっていますの、と鶴先輩から軽く注意が飛ぶ。
「――尾白先輩が告白された日でもありますね」
今度は日向がにっこり微笑む。そんなつもりはなかったのだが、徳さんの反応からすると先程の鶴先輩と同じ種類の笑顔を浮かべていたのだろうか。いや本当に含むものは何もないのだ。気になる部分はあるけれど、それは自分への不甲斐なさや自戒によるものだと日向は認識している。
ちらりと隣を見るとこちらを見てきた尾白と目があった。それだけでほわほわと浮くような心地と活力が腹の底から満ちるようで、幾分自慢気にも見える誇らしい顔付きになり日向は改めて続きをどうぞと促す。尾白からもそうだぞー言っちゃえーと棒読みの気の抜けた後押しを受け、鶴先輩からのゴーサインも出たことから徳さんは咳払いして話し出す。
「俺はあの日、委員会に出てた。さくらちゃんと日向くんは中庭にいたよな?で、尾白は二階の廊下」
それぞれ細かい移動はあったもののあの日にその場所にいたことは間違いない。それぞれが頷くと徳さんは続ける。
「俺さ、委員会が終わったあとにさくらちゃんに付きまとってたやつが階段を駆け下りていくのを見た。多分、話にあった金を盗んでどこかに逃げる最中だったんだと思う」
それを鶴先輩に報告したのだと徳さんは彼女の理解を促し、あら、と鶴先輩は目を丸くし手を口元にもっていく。
「そう、そういうことになりますのね……」
二人はその付きまとっていた男を避けるために情報を共有していたが、時間や移動先程度のシンプルな業務連絡で済ませていたという。そして日向が自販機の前で彼と揉めたことを明かし、鶴先輩とそっと視線を絡ませる。自販機の前でその人物と別れてから彼が取った行動とそれに至るまでの動機に何とも言えない気持ちになる。全くの無関係ではないのだ。だが日向達とて彼の要望を受け入れるわけにはいかなかった。神無月のときと同じように。
だったらそれより前になるかと尾白からも神無月を尾行しようとして花コンビに遭遇したことを明かした。卯月と雨月からも聞いた通り、そのとき彼女達は尾白から日向に関わる話を聞かれ、階上に上っていく神無月を見たのだろう。
こうしてみるとタッチの差だ。各々が頭のなかで静かに整理していると、日向が眼鏡の下からおずおずと鶴先輩に労りと心配を混ぜた夕焼け色の瞳を向ける。
「……あの、今更ですけど、あの人から今回のことで口止めされたりはしていないんですか?僕達に話して先輩に不都合なことが起きたりしないでしょうか」
あの人とは神無月のことだ。ふむ、と鶴先輩はひとつ頷き、
「口止めされてはいませんわね。あの人はそうした小細工はしない人です。いえ、できないと言った方が正しいかしら。そうしたことは全部さきほど話した後輩くんの役目でしたの。といっても注意しておいた方がいいのは確かでしょうね。――まあ何があっても私は正々堂々と勝ち取ってみせますから、安心してくださいまし」
両手を腰にやり誇らしげに胸を張る。戦闘意欲たっぷりに言ってのける彼女の横で徳さんが日向と尾白に力強く頷いてみせた。彼の方からも十分に気を付けてくれるだろう。
日向は、でも無理はしないでくださいねと先輩二人に言い、隣の尾白を振り向く。尾白は鶴先輩を少し細めた目で注視していた。鶴先輩と徳さんも尾白の発言を待っている。
そうして尾白は三者が保つ沈黙のなか、心底からだらりと気を抜いた。
「……信じるよ。あんたが言ったことは嘘じゃなさそうだ」
ありがとうと鶴先輩が嬉しそうに胸元で手を合わせ、日向と徳さんが表情を明るくして視線を交わす。次に温かな情感をこめて日向が尾白の名を呼ぶと、日向の目に映る尾白はいつもの気が抜けた様子ながらもしっかりと微笑みを返してくれた。それがとても誇らしく頼もしく思え、尾白へ向かう気持ちがますます喜色に浮かれたものになる。
そんな日向に改めてものやわらかな視線を投げかけた尾白が、自身の顎に指を添えて真面目に切り込む。
「……あいつの目的はまだはっきりしてない。俺達にできることといったらあいつがおかしなことをし出かさないように見張るか、白い毛玉について調べることくらいか」
「そんなのが実在するかもしれないってこと自体がまずびっくりだよな」
徳さんの素朴な呟きに日向が続いて発言する。
「全くです。他にも能力を持った人がいないか、そこも気になるところではありますね。あの人の行動を先読みして止められたらいいんですけど」
「まさか閉じ込めて拘束するわけにもいきませんものねえ」
かといってそう簡単に口を割る人でも説得されてくれる人でもありませんし、となかなか過激なことを鶴先輩は至極真面目な顔で言う。冗談なのか本気なのか。
「人手がいるようなら玉生達に協力を頼んでみるのも手です」
「でしたら私も協力致しますわ。乗りかかった船ですもの」
日向、鶴先輩の順で発言したあと片手を上げた徳さんも参加を申し出た。
「じゃあ俺も」
「……いいのか?」
問うた尾白に徳さんは苦笑を返す。それから鶴先輩へ顔を向けると表情を和やかなものに変え、ここで降りたら中途半端で気持ち悪いしと付け加えた。そんな徳さんに何やら局地的に鶴先輩が動揺している。

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