デコボコ



外に出ると、ドアの前にはシュヴァーン隊の騎士、

アデコールとボッコスがいた。



「騒ぎと聞いて聞いて見れば貴様なのであるかユーリ!」

「ついに食えなくなって貴族の家にドロボウとは・・・

 貴様も落ちたものなのだ!」

「なんだ、デコとボコか」

「デコと言うなであ〜る!(ボコじゃないのだ!)」

「うわ、息ピッタリ」



アデコールとボッコス(めんどいからデコボコでいいや)は

数秒の狂いもなしに同時に叫んだ。

それを聞き、ユーリはさらに呆れたように溜め息を吐く。



「しかも彼女までいるとは・・・」

「淫らにもほどがあるのだ!」

「・・・淫らは関係なくねぇか?」

「べ、別に羨ましくなんかないのであ〜る!」

「んなこと言ってねぇんだけど」



デコボコとユーリの不毛な争いを端に、犯人は馬車で逃げようとしていた。


ちょ、お前らやってる場合か!



「ユーリ!」

「ん?」

「馬車、馬車!」

「・・・!」



ユーリはようやく気付いたのか、馬車を追いかけようとする。

しかし、デコボコがユーリの行く手を阻むように目の前に立った。



「逃げようとしてもそうはいかないのだ!」



デコボコに邪魔をされている間に、馬車は逃げてしまった。

それを見て、ユーリは大きく溜め息を吐く。


・・・うん。気持ち、わかるよ。



「逃げてるように見えるか?ああ、だから出世を見逃すのか」

「あ、腹いせにデコボコに当たってる・・・」

「な、なんという暴言か!」

「取り消すのであ〜る!」



だよね。すごい暴言だよね。


ユーリの言葉にデコボコは怒り、武器を構える。



「騎士が市民に武器を構えちゃったよ・・・」

「この方が手っ取り早くていっか」



ユーリを見ると、剣を構えていて、瞳が生き生きとしていた。



「ノリノリですね、ユーリさん」

「ん?そんなことねえよ。こっちの方が楽なだけだ」



言い終わると同時に、デコボコの方へ走り出す。


かあっくいー!






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