目覚めのキスを


「ん・・・」



瞼の下からでも分かる明るさに、目を覚ます。

外からは賑やかな下町の人々の声が聞こえる。



「スー・・・・スー・・・・」



隣で静かに息を立てる彼女は、まだ起きていないようだ。



「・・・って、もうこんな時間か」



空を見ると、太陽が高く昇っていた。

昨晩、二人で酒を飲み過ぎたせいか、少し頭が痛い。



「さてと、どうすっかな・・・」



正直、このまま彼女を起こすのはもったいない。

彼女はいつも自分より早く起き、自分が起きる頃には朝食の用意ができているため

寝顔を見るのは久しぶりだった。


せっかくだし寝顔をじっくりと拝見しますかね。


そう思いもう一度ベットに深く自分の体を預け、愛しい彼女をじっと見つめる。

ベットに散らばる長い髪、綺麗なまつ毛、少し幼さがでている

あどけない寝顔。


ああ、とことんオレはコイツにハマってんだな・・・・。


彼女の愛しさを改めて実感したとき、彼女は身じろぎ目を覚ました。



「んぁ・・?アレ・・・・おはよう、ユーリ」

「ああ、おはよ」

「今何時?」

「もう昼前。珍しく寝坊しちまったな」



目を擦りながら彼女は体を起こした。

その仕草に胸が暖かくなりながら自分も体を起こす。



「もうお昼・・・・ふふっ、じゃあお昼ご飯つくらなきゃ」

「んじゃ、頼むわ。あ、それと・・・」



頭を傾げる彼女の唇に、甘いキスを送る。

そうすると彼女は驚いた表情から、笑顔になっていく。

それからオレの一日は始まる。






(始まりはキスからってな。)





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