委員長と愉快な仲間達 | ナノ
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俺の周りにはおかしい奴ばっかりだ。



「静雄、早く終わらせてよ。僕の帰りが遅いセルティがと心配するだろう?」

「…………」

「セルティはね、ああ見えて寂しがりなんだよ。なんて可愛いんだ!
……ああセルティ!愛し「うるせぇえええ!!」



まあ、俺も人のこと言えねぇけどな。




委員長と平和島くん



「すいませんでした」



机の上に座って土下座する新羅に舌打ちをした。

あー、イライラする。



「いいからもうお前帰れ。邪魔だ」

「えー、君一人で大丈夫かい?それ補習の課題なんだろう?」

「手前がいると集中出来ねーんだよ」

「そういう台詞は彼女にするべきだよ。
あ、因みに私はセルティがいても全く平気だけどね」

「知るか」



ペラペラとセルティについて話す新羅。
こいつは一度セルティの話をしたら止まらない。永遠に彼女の長所を喋り続ける。
手前の趣味なんて聞いてねーんだよ。



「君も彼女でも出来たら変わるんじゃない?」

「あ?」

「そうだな…ほら、委員長とかどう?」



委員長。本名、山田頼子。
おそらく、この学校で唯一俺を避けないでいる女子だ。
確かにあいつはいい奴だが…



ガラガラガラ



『あれー、二人共まだ残ってたの?』



ボキィッ



急にした委員長の声に、持っていたシャーペンが折れた。

やべ、最後の一本をやっちまった。



「委員長、丁度いいところに」

『え、何?新羅にそう言われて良かったためしないんだけど』

「悪いけど静雄の補習手伝ってあげてくれる?」

『静雄 補習なの?』

「まぁな」



ふうん、と言って課題のプリントを覗く委員長。
そしてニコリと笑った。



『いいよ。どうせ帰っても暇だし』

「そう。じゃあ僕はセルティの元へ帰るとするかな」



新羅が鞄を持って、ドアへ手をかける。
教室を出る瞬間、委員長と俺を見て手を振りながら言った。



「それじゃ、ごゆっくり〜」

「委員長、椅子用意しろ。校舎から出た瞬間上から落とす」

「撲殺!?」



















新羅が出ていった後、委員長も自分の教室にあった鞄を取りに行った。
戻って来ると、俺の隣の席に座る。



「委員長、シャーペン貸してくんねえ?」

『いいよ。筆箱忘れたの?』

「…さっき折れた」

『マジか』



委員長のせいとは言えなかった。言ったところで委員長に罪はない。
手渡しされたシャーペンは、意外と女の子らしいものだった。



『私ここで本読んでるから、出来たら言ってねー』

「本?」

『うん、これ』



“めざせ!年収一千万!
これであなたも大金持ち!”




「そ、そうか…」



俺はそれ以上何も言わず、自分がやるべきプリントに目を落とした。
しかしこんなものスラスラ解けるなら、元々補習なんてしなくていいわけで。

集中力なんて皆無の俺は、隣に座る委員長と初めて会った時のことを思い出していた。


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